MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第76回
完全復活!!!
でもやっぱりスタパ番長と電脳シーンを語る(最終回)
「技術者とテレパシーで通信するスタパさん」

ウギャ!(即死した音)
ウオオオオオオオ!(復活した音)
今年も死んでしまいました。魔の3月。
本当にご無沙汰してしまいました。復活します。
サエキけんぞうです。

いやあ、このほぼ日に原稿が書けないストレスって
とんでもないものです。
子供の頃の夏休みの最後のほうの脅迫感情が
ずっと続いているような。
今は書けるので、気持ちイイ!
ああ、耳クソとってるみたいで気持ちイイ!
ヤルゾ! とお!
 
が、、、その前にお知らせ、
切り取り用の画像があるので先に書かせてください!

イベント「ゲンスブールナイト」のお知らせ
やるぞ! 久しぶり!

Gainsbourg Night 73rd BIRTHDAY!


4/7 SATURDAY 20:00 OPEN TILL 5:00AM
渋谷・青い部屋 03-3407-3564
http://i.am/aoiheya
3000円(インターネット上のフライヤを
印刷して切り取って持参で2500円)
with 1drink & light food service!

出演:かの香織with鈴木智文、
スーツケースローズ、ジョン(犬)、
サエキけんぞう
DANCE of "BANDE A PART"by blues dress
(あのゴダール「はなればなれに」のマジソン・ダンスが
 東京モッズ・グループによって再現されます!)
GUEST DJ: HARCO
DJ: 吉原立童(M... IN FRANCE)、YASUDA、POOKY

サエキの出番は午前3時!
(メインスケジュール)
20:00 OPEN 先着60名様に
ナビスコ「リッツ」プレゼント!
20:30-21:00 トーク(HARCO、サエキ他)と
ゲンスブールインフォメーション&抽選プレゼントタ〜イム!
21:30-22:00 かの香織with鈴木智文
22:50-23:10 ジョン(犬)
23:10-24:00 DJ HARCO
24:00-24:20 DANCE of "BANDE A PART"by blues dress
24:20-01:50 DJ 吉原立童
01:50-02:20 スーツケースローズ
03:00-03:30 サエキけんぞう

さらに詳しい情報はサエキけんぞうのオフィシアルHP
http://run.to/kenchanへどうぞ!!


さて、ここを休んでいる間は何をしていたかというと
イロイロでしたが、
中でも「宝島」で続けている
「エレキタイムス」の取材では
驚かされることが多かったです。

みなさん、知ってましたか?
東京都内、特に23区ではISDNの新規申し込みは
限りなくゼロに近づいているそうです。
もう時代は家庭レベルでブロードバンド、ADSLだそうです。
僕なんかこないだフレッツISDNにしたばかりなのに。
新婚はみんなデジタルTV買うそうです。ほんまかいな?

それにしても韓国が300万世帯超えたといわれる
高速回線ADSLですが、
ダーリンも入ったとうわさのADSL会社・東京めたりっくは
たった一昨年の99年にできたばかりの会社。
それがもう新加入の最前線にたっているとは、
ITは本当にめまぐるしい。

副社長の平田さんは、
「将来ひと月3000円ぐらいにしてやる
 (プロヴァイダー料金込み!!)」と息巻いてます。
それなら入るよな。
おまけに年内にはインターネット電話用モデムが
できるそうです。そうなったら国際電話もタダですよ。
けっこう音もイイらしいし。韓国ではすでにそうなってるし。
一体どうなるんだろう。
いずれにせよ電話代地獄からの脱出に光明が差してきました。
まだ、携帯代が大変ですけど。

秋にお目見えするマイクロソフトのゲーム、
X・BOXはCPUが733から1Gになったといいます。
僕のコンピュータの4倍!!
そしてそれでできるネットワークゲームは
ADSLなどブロードバンドにつなぐことを
想定しているといいます。
「そんなの早すぎるよ!
 そんなのつないでる家わずかだよ!」
と怒りたいのはヤマヤマですが、
ひょっとするとそれでちょうどいいのかもね!
でもなあ、一方で、
インターネットやってない友達もまだまだ多いし、
アナログ接続やめる人が
たくさんいるとは思えないんだけどなあ。
韓国では団地単位でガシガシはいってったそうですから。

さて、そんなこんなで電脳予言者スタパさんとの対談の
最終回お届けします!



スタパさん近所って美!
スタパ: 人型の一番ちっちゃいロボット。
小さめのサイズのが発表されて。
サエキ: この間発表されたやつですね。
スタパ: あれがインターネットで
映像で見ただけなんですけど、
去年発表されたのが130何キロだったのが
40何キロになってて、何かかわいい感じ。
多分バランス制御の技術とか
コンピューターで制御中に
またリアルタイムで演算する
技術とかすごいんですけど、
そういうのが具体化して
結論となってる装置って
そんなに使い道はないんでしょうけど、
でもまあロボットのためなんでしょうね。
サエキ: まあね、ほんと無用の長物っていえば
無用の長物ですよね、ロボットは。
スタパ: だから歩いたからどうなんの? っていう。
「ちょっとした技術の塊を
 ここに置いときたいんですよ」っていう。
サエキ: 無用の長物の最高峰ですよね。
スタパ: そうですよね(笑)。
でもまあ多分それでロボットは
介護とかに使うって言ってますけど
そんなすぐには無理だろうっていう。
あと20年ぐらいしたら
もしかしたらわかんないですけど。
サエキ: 開発してる人の頭の中は、
必要性なんかどうだっていいという、
技術のための技術みたいな感じなんでしょうか?
スタパ: ものが好きというのもあるんですけど、
中に詰めてる先端技術って
ちょっと触ってみたいし、
手にしてみたいっていう。
サエキ: そうするとスタパさんは、
ユーザーとしては最強に強まった
ユーザーなんですね。
科学者がいるとしますよね、
マッドサイエンティストに近いような
最高の科学者が。
それでそういうユーザーの最高峰に
スタパさんもいることに
なるんでしょうね(笑)。
スタパ: (笑)。ですよね。
メーカーさんにいってちらっと話を聞くと、
広報さん経由で聞くんですけど、
この間日立の新しいディスクを扱った
ビデオカメラが発売されて、
もう「すごーい、かっこいい、技術的」
みたいな感じで、
「是非紹介したいんで貸してください」
って言ったら、最初は台数がほとんどないんで
「貸せないよ〜」
みたいなことをいわれてたんですけど、
それを広報の人に編集部経由で頼んでみたら、
メーカーの技術者の人達が
「スタパがやるんだったら
 もう貸し出しでしょう!」。
サエキ: (爆)。
スタパ: なんかもう、ちょっと絆ができてる感じ。
サエキ: そうですよね。
最強に強まった同志の
キズナができてるんですね。
スタパ: 僕はそんなに広報の人には、
ズバズバ書かないで欲しいって言われてる。
サエキ: そうらしいですね。
スタパ: 技術者の人は僕の文章好きらしいんですよ。
「このDVDの8センチの中に2時間ですよ、
 あなたちょっと考えてみてください」
みたいなこと延々と書くんですけど、
そういうのが大好きみたいですね。
サエキ: だから要するに
そういう広報っていうフィルターというか
一枚の壁、ベルリンの壁さえなければ
同じ「技術者もスタパさんも同じドイツ人!」
みたいなね(爆)。
スタパ: そうですそうです(笑)。
サエキ: 広報は宣伝すればいいわけですもんね。
批評は必要ないわけですもんね。
スタパ: 結局、広報じゃなくて
技術の人から直接メールが来ることが多くて。
サエキ: (爆)。
スタパ: 「どっかから調べたんですけど」
っていってメールが来て、
「ドコモの何とかを開発してる
 某社の何とかと申します」
ってメールがくる。この間来たのは、
ソニーのちっちゃいMP3プレイヤーの
デザイナーから。
ヨーロッパのどこかにいらっしゃる
ソニーのデザイナーで、
涙がちょちょ切れましたね。
「あーどうしたらいいんだろう」
っていう。
サエキ: ヨーロッパからメールが来たんですか?
スタパ: そうです。そういうパターンは多いですね。
技術者とか開発者の方から
直接メールが来ることが多くて。
でも普通のライターは
変なことは書かないですよね。
普通はリリース見て
メーカーが売りたいところを…。
サエキ: そうですね、オーディオ評論家みたいにね。
スタパ: 僕は「このデザインのカーブの
ツルっとしたところが
これはお金がかかるのに、
ここにこだわったのはイカシますな」
みたいなことを書いたとしますと、
「それがこだわったんですよ」
っていうメールが来るんですよ。
サエキ: そういうレベルまでくると
知り過ぎた者の悲劇があるんじゃないですか?
どうやって、ユーザーとしての気持ちを
維持していけるのか?とか。
いっそのことメーカーに就職しちまえとかね、
いろんな煩悩というか
悩みが出てくると思うんですけど、
そういうのは今のところないんですか?
スタパ: 気を付けないといけないのが記事を外しますね。
「これレンズのことをずーっと書いてますけど
 画像のことはどうなんですか?」みたいな。
「あっすいません、そうでした
 画像のこと書かなきゃ」っていう。
サエキ: はーはーはーなるほどね。
スタパ: 僕は技術を開発してみたいとか
そんなに思わないんです。
サエキ: 音楽でいうとやってみたいというより
聞いていたいっていうのに近いんですね。
スタパ: そうですね、同じだったんですね。
僕は受け身になって生きていきたい。
サエキ: (爆)。その受け身でいたいっていうのは
何なんでしょうかね?
受け身でいたいっていうことの幸福は。
スタパ: 僕はあれに似てるんじゃないかな、
サッカーのサポーターみたいな。
「ガンバレ技術者!」って騒いでるけど
直接は研究なんかはしませんよっていう。
サエキ: 面倒臭いんですか?
それともそういうものとは
ちょっと違うのかな?
ユーザーとしてはもう充分に
面倒臭いことをおやりになって
きてるわけですから、
研究まではあと皮一枚!
だと思うんですけど(笑)。
スタパ: それは違うんですよ、
そこまでいったら大変。
技術者ってのはほんとに大変で、
尊敬してるけど絶対になれないっていう
コンプレックスと憧れみたいなものがあって。
尊敬する技術者の人達にそんな考え、
滅相もないという感じで。
サエキ: (笑)。なるほどねえ。
それっていうのは子供の頃から
ずっと思ってた感じなんですか?
スタパ: うーんそうかもしんないですね。
なんか機械は好きでしたね。
でも技術者になりたかったことは
そんなにはなかったです。
サエキ: コンピューターユーザーとして
最も燃えていたのは80年代後半から90年代初めと、
あと最近もう一つヤマがあったという
感じなんでしょうけど、
正直な今のコンピューターに対する
率直な意見をお伺いしたいんですが。
スタパ: そうですね、
最近のパソコンはつまらないんですよ。
サエキ: つまらないんだ。
スタパ: 感触としては、昔
「この漫画家すごい好きなんだけど
 誰も知らない、でもすごい漫画家なんだよ」
っていって3年ぐらいしたら
すごい有名になっちゃって
「なんか冷めた感じ」っていう感じ。
サエキ: なるほど。あまりにも普通になり過ぎた。
スタパ: あまりにも支持され過ぎて、
有名になっちゃって
つまんない感じとかっていうのと…。
サエキ: (笑)。
スタパ: あと必要なものになっちゃったんで
遊べなくなっちゃったんじゃないですかね。
サエキ: 遊びの要素が少なくなったと。
スタパ: とりあえずまっとうなものが
増えちゃったんで。
まあソニーのは面白いですけどね。
OSの自社開発で進めてるものが
無くなっちゃって。
サエキ: コンピューターが
スタパさんにとっては
いわゆるある種のおもちゃだったと
思うんですけど、
それは例えばどういうところだったんですか?
OSみたいなものをいじくってるのが
面白いってことですか?
スタパ: そうですね、不便だったんですよ。
何をするにも不便でそれをこんなことしたら
こんなに便利になっちゃってるんだよねっていう
自己満足の世界と、
少ない友達の中でわかるような
「これやっちゃったんだよ、すごくない?」
「あっすごいそれ!」っていう。
そういうほんとに趣味の世界ですね。
サエキ: (笑)。それはコンピューターが
発展していく途上の問題と考えられますか?
スタパ: そうですね、それが一番大きいですね。
途上の経過を知ってる満足感とか、
段々段々すごくなっていくのを。
「去年のこれくらいだったのに
 その倍で半額ですよ!」とか。
サエキ: (笑)。
スタパ: リアルタイムで
コンピューター進行してる感じで、
これはきっと世の中を
絶対変えちゃうに違いなくて、
その変えちゃいぶりを
怪物の成長ぶりが
「興奮しませんか?」みたいな。
で、今はもう割と落ち着いて
大人になっちゃった
コンピューターさんだから。
サエキ: 大人になってしまったのか。
スタパ: 予想よりちょっと先のことが
実現されちゃってて、
「来年はこれは今32メガだけど
 64メガになるんだよ」
って素人の予想してて、
そんなのがいきなり
「256メガになってしまいました」とか。
サエキ: (笑)。
スタパ: だからもう、
まったく新しい刺激とかはないんで。
往年のデジカメも面白かったですね。
最近も面白くなってきましたけど。
35万画素ってのが出てきたと思ったら
100万画素、200万画素って出て
「200万すげえ」って思ってたら、
今年300万画素ってのが出て。
今年は600万らしいですけどね(笑)。
サエキ: 進化のライターさんなんですね、
進化に関する。
スタパ: そうですね、
年を取った時やばいかもしんないですね。
いろんなもんに興味が無くなってきて。
サエキ: 今後のコンピューターが
どうなっていくんですか?
スタパ: どうなんでしょうね。
もうなってるんでしょうけど、
みんなノートパソコンに
なっちゃうんでしょうね。
あとは液晶デスクトップみたいな。
画面とキーボードとマウスだけみたいな感じ。
サエキ: 画面の中にコンピュータが
全部入っちゃうということですよね。
スタパ: 僕一回作ろうとしたんですけど、
帰った時にメールが読める
壁掛けようのがあったらいいなと思って、
メール専用機みたいな。
サエキ: カレンダーみたいな。
スタパ: あとはキーボードが、
でかいリモコンっぽく
なったりするんでしょうけど。
鄙びた温泉とかに行って
ガソリンがなくなっちゃって
「すいません、電話貸してください」
って言ってその辺の民家に駆け込むように、
田舎にいったらインターネットを
通りがかりの農家で
「すいません、ネット使わしてください」
みたいに借りるとか(笑)、
そんなようなのが
割とすぐ来るんじゃないかと。

(これでホントにおわり。まだまだホントはあるんだけど、
 面白いんですが、キリないのでやめます、スタパさん、
 ほんとにありがとうございました!)

2001-04-05-THU

HOME
戻る