MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第80回
「エリック・クラプトンは好きかい? の巻」


う〜ジャネット・ジャクソンの新譜好き〜。
最近メジャーの人の新譜が好調ですよ。

あのエリック・クラプトンの新譜もけっこう好き。
とりあえず1曲目聞いてみて。
サンバでビックリするから。
腰抜かしました。
で、その曲でサディスティック・ミカ・バンドの
「マダマダ産婆」という歌のサビが歌えるんです。
「お産婆さんのサンバ〜!」
2曲目はブルースでガっとイメージ戻しますが。

クラプトン新譜
エリック・クラプトン新作「レプタイル」

それにしてもクラプトンって、玄人受けしない。
実はこのアルバムを聴くきっかけになったのは、
某「無く子も黙る」音楽評論家が
「ずっと聞かなかったけど今回は何故かイイ」と
すさまじいリコメンドの仕方だったからだったのです。
その人もず〜〜っとシカトしてたわけですね。
で、僕は聞いてみて結構良かったので、
今度は某有名プロデューサーに
「けっこういいんですよ、これが」といったのです。すると
「あの〜僕はその人聞かないんです」と
「その人」よばわりされてしまった。
これほどの言われ方をすると、
もちろん今のクラプトンは一般的には
今までで一番と思えるぐらい
売れる時代を迎えているとはいえ、
チョット胸が痛むのです。
なぜならクラプトンは33年前、
クリームというバンドで超先端を走っていたわけですから。

1968年頃のクラプトンといえばエフェクターの使い方、
奏法、音量ともにトップを走っていたわけで、
その時代にクラプトンを聞かなければ
ロックではモグリ呼ばわりされたわけです。
今でいえばレイディオヘッドよりとがっていて、
しかも抜けがイイって感じでしょうか?

「クロスロード」や「ハイダウェイ」といった
ライブ曲を聞くと、興奮は蘇ります。
そしていかに爆音がすさまじかったか、
ということに、ハっとします。
何故か小音量で聞いても爆音ぶりが伝わるんです。
ちょうどこの68年頃、マーシャルのギターアンプとかで
ロックの爆音がすごくなったんです。
ロックが「ニュー」ロックになったんです。

当時のクリームやジミ・ヘンドリックスの爆音の感じって
今のテクノ・レイヴとかの爆音と
ちょっと似てるところがある。
ロックは、ニューロック後も、
パンクを経て「爆音を出してる人」は
常に先端を走ることになる。
だから68年ぐらいは「世界爆音元年」と
いえるのではないでしょうか?
確かに爆音感と先端感=トンがっている感じは
リンクするところありますね。
だってそれだけ爆音だして許されているっていうのが
考えてみればスゴイ。
鼓膜が破れるような爆音を放射して、
目立っている状態にある人。
すなわちスゴイ人に決まってるってことです!
爆音人気者≒先端、この方程式は使える。
爆音宣伝カーなんかは、
最近支持者が少ないから先端じゃないってことですか??
そんな宣伝カーにだって先端だった時代があるはずですよね。
スターがヘリコプターから降りてきたら、
騒音問題もそっちのけで注目されますが、
偉くない人がヘリコプターで降りてきたらどうでしょう?
うるさくてヒンシュクを買うでしょう。

現代は爆音人気者≒先端。
爆音と先端の蜜月はいつまで続くのでしょう。

さて爆音者だったクラプトンもすっかり落ち着いて
(というか1974年ぐらいから
 ずっと落ち着いているわけですが)
今回のアルバムでは「オジサンの渋谷系」というような
奇妙な境地にたっている。
まるで渋谷HMVで人気投票をしたような
東京っぽい選曲になっているんです。
(ジェイムス・テイラーやスティーヴィー・ワンダーなど
 カバーが多い)
その理由として考えられる情報があります。
実際、良く日本に来ているらしいんですよ。
なんでもK1などの格闘技が大好きで、
自家用飛行機で見に来るらしい。
僕等が日本武道館に試合を見に行って、
会場にいくまでの、あの木の敷居をまたぐとき、
もし隣りがクラプトンだったらビックリしますよね。
起こりそうです。
さらに「クラプトン渋谷系説」を裏付ける情報が入りました。
どうやら僕の友人の某メディア系の人間が、
最近仲がいいらしい。
ツルんで世界を観光旅行したりしているらしいのです。
もちろんその人の名前は明かせませんが、
世界規模のスターが日本の友人とツルんで
騒いでる姿を想像すると、
日本もスゴくなったもんだ、と思います。
 
爆音人気者≒先端という定義がまだまだ当てはまるにせよ、
はたして現在の若者はだれもがかつてのクリームのような
「トンがり爆音スター」になることを
強く夢見ているでしょうか?
なんか違う気がしますね。
むしろ、先端は先端でおいといて、夢としては今すぐ
「自家用飛行機にのって外国にK1を見に行く
 落ち着いたスター」
になることを、希望するような気がする。
う〜ん、僕だってそういう風になれるものなら、
なってみたいもんだ、と思うんですが。
ダーリン、どうでしょうか??
 

サエキけんぞうとパール兄弟窪田晴男のギターなどによる
ライブが6月2日(土)に午後7時から
青い部屋で行われることに決定いたしました!
ヴァイヴ奏者テルリンちゃんも一緒にやります。
対アーティストは、クラブシーンで話題のパフォーマンス、
エルナ・フェラガーモ。さらに詳細は次号で!
http://i.am/aoiheya/

サエキのHPにも来てね!
http://run.to/kenchan/

2001-05-25-FRI

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