総武線猿紀行第85回
「クラブでビンゴ」
新宿ロフトプラスワンで行っている僕のイベント
「サエキけんぞうのコアトーク」も
もう第63回を迎えました。
いやあ・・、もう63回。
月一回やっても5年分以上。
そうかそんなにやったのか。
でも最近ペース落としたんです。
なぜならいつの間にかロフトプラスワンで
一等賞になってしまったから。
あのオタクの神様・唐沢俊一さんが
ずっとトップだと思ってたんですけど、
いつの間にか追い抜いていて、
どうもそのころから「体の調子が悪い」。
一等賞は性に合わないんです。
昔っから一等とったことなかったからなあ。
まさかロフトプラスワンでとることになるとは。
トップってしみじみヤだなあ。
次回はあのカヒミカリイやUAが大好きな
元祖ウィスパーヴォイス、日本ささやきボーカルの大先駆者、
あの幻の早瀬優香子さんが
いよいよ7月5日の新宿ロフトプラスワンで復活します!
みなさんふるって御参加下さい!
最近は身の回りの人が
みんな自分でひとつはイベント持ってるようになりました。
そういう時代なんですね。
場所は100人〜200人入るクラブというのが相場です。
僕は「コアトーク」と「ゲンスブールナイト」が
自分のオーガナイズするイベントです。
自分のイベントはその人の性格が出る。
パール兄弟の盟友窪田晴男は
青山というか西麻布のオージャスというクラブで
月に一回第四月曜日、
夜9時から朝5時までライブイベントをやってます。
「東京フォークロア」というタイトルで、
4年目に入りましたから40回近いか。
「来る者に一杯の酒と美味しい音楽を保証する」
とかなんとかいっちゃって、
「新しい東京のブルースを探す」
とかっこつけた壮大なビジョンでやってます。
このイベントはA面とB面に分かれており、
A面は夜の9時からダラダラと始まって、
メインゲストが3組も40分〜60分近くライブを行います。
今までに高野寛さん、戸川純さん、井上鑑さんや
金子マリさん、種ともこさんなど、
多数のライブ通好みのアーティストが出演してますし、
小林建樹君みたいにアマチュアの頃から出演して
今では人気者になった人もいます。
僕は友達なのでほとんど毎回参加してますが、
僕の出番は夜中過ぎ。B面といわれるコーナーで、
最近では2時過ぎにやっと始まります。
A面と違って酔っぱらった人が1人1曲歌うという
コーナーなのですが、これが玉石混淆なカオス状態。
キャバクラ勤務帰りのキャバ嬢が
マイクを握って離さなかったり、
有名バンドマンが飛び入りしたり。
そして朝が来ます。
ライブに賭ける男らしいイベントではある。
今、これだけのクオリティを誇るライブイベントは
日本で他にないでしょう。しかし月曜の朝帰りはツライ。
お願いだから日にちを変えてくれ〜!
僕はそういうわけで、
クランボンのミト君も店員を務めた
このオージャスにいることも多く、
西麻布はけっこう時間を過ごすことも多いのですが、
最近では窪田とコーザノストラの
桜井鉄太郎さんの3人で
「西麻布三人男」なるありがたい名称をいただきました。
その桜井さんという人がスゴイ。
(HP http://www.sakurai-tetsutaro.com/)
1970年頃は某セクトで腕をふるったとの噂もありますが
(ちょっとそれには若いが)
今でも、その恰幅の良い体を生かして
麻布界隈の夜のクラブパトロールによって
信頼できるボディガード役として活躍しています。
彼の携帯電話は週末になると朝の3時頃からなり始め、
最初の2〜3軒目が飲み終わる
午前5時頃から本番が始まります。
ここからお好み焼きややきとん、焼肉などの店を経て
カラオケへと常連のメンバーがなだれ込んでいきます。
その後再びソバ屋などに行き、
先日の解散は午後4時だったと聞きます。
僕はそこまでつきあえません。朝7時が限度です。
ていうか80年代まで、
ライブといえばせいぜい夜10時までのもので
それから打ち上げれば、せいぜい午前4時でしたね。
今ではみんな徹夜など何とも思わなくなりましたが、
その最前線には桜井さん達のように、
午後4時まで呑む人が走っているのです。
その桜井さんのイベント「RUNT」が
外苑前の「66モダーン」という店で最近始まりました。
先日その第3回目に行ってみると、
深いソファーにみんなグデーっとして
熱川バナナ・ワニ園のワニのように動かない。
イベントなのに踊ろうともしない。
夜の12時だというのに、
一向に誰ひとり動く気配がありません。
しかもかかっているのはDJのプレイでさえなく、
ただのCD。
同じスライ&ファミリー・ストーンのCDが
エンドレスでくり返されています。人の家以下です。
今時こんなアバウトなイベントがあるでしょうか?
おそらくHPなどでこのイベントを知って来た人は
たまらなく不安になるでしょう。
気を遣って歩き回る桜井さん以外、
誰1人として何も起こると
期待しているようにさえ見えないダウナーな雰囲気。
しかし、午前1時頃に
「サエキちゃん、何か歌ってよ」と耳打ちされ、
しょうがないので持ち歌「みるく2030」という
日本男子の精子減少について訴える曲を歌って
何かが始まります。
沈黙する人々を前にマムシをあやつる
大道芸人にでもなった気分です。
すると、みんなゴソゴソと前に集まり、
やっとイベントらしくなってきました。
そこに、客として現れたのが
某トレンディドラマで大活躍のタレント女性。
青山にトレンディなタレントとはまさにハマりです。
みんな芸能人大好き!
彼女の煽りでイベントは、
徐々に不穏な盛り上がりを見せてきました。
西麻布3人男の窪田晴男のライブなどが続き、
この日は突然「ビンゴ大会」が始まったのです。
ビンゴはこの周辺の宴会で
最近欠かせない物になってきているらしいのですが、
いやはやクラブイベントでビンゴとは?
僕も未開封の香水や腕時計など
けっこうイイ・プレゼントを出品しました。
桜井さんが買ってきたプレゼントの数々は
ドンキホーテの袋に大きく膨らんで鎮座してます。
人はなんでビンゴに興奮するのでしょう?
以前、アメリカからの飛行機の帰り、
リゾッチャのビンゴ大会というものが催されました。
「ビンゴ・デ・スカ〜イ」のかけ声で、
飛行機内は突然、心を1つにしたのです。
景品はいいほうでTシャツなどという、
はっきりいってホントに質素なものだったのですが、
みんな寝てたのに起きる起きる。
機内誌を読むのをやめ、アイマスクを取り、
日本到着3時間前だというのに全員が一丸となって
目を血走らせてビンゴに穴を開けてる。
果たして宣伝Tシャツをゲットすることごときで、
普段そんなに血眼になることがあるでしょうか?
いや、絶対ありません。
あの客の中には地位のある人もいたでしょうに、
そんなことおかまいなく、
人々を駆り立てる吸引力が
このビンゴというゲームにはあるのです。
それは「当たり」という快感なのでしょうか?
ビンゴで当たるというプロセスが
どうでもいい景品を宝の山に見せるのでしょうか?
タダだから、という以上の変身のマジックがある。
そんなビンゴのえげつない興奮が
クールなはずの青山のクラブにやってきたのです。
トレンディなクラブの店内を
「さあ、お待ちかね!ビンゴ大会を始めます!」
という異色で場違いなアナウンスが響きます。
前に押し寄せる人々、最前列で穴を見つめるタレント!
異常なザワメキを場内が包みます。
「Nの33、さんさんさんさん・ば〜ん、ば〜ん、ば〜ん!」
音声が何故かエコーがかかってます。
「Bの15、ゴウゴウゴウゴウゴウゴウ」
「きこえな〜い」
「なんば〜ん?」
悲鳴のようなお客や常連の怒鳴り声が場内を包みます。
そうです、なぜかかけられたエコーで
音声がなんだか良くわからないのです。
「Bのジュウジュウジュウジュウゴウゴウゴウゴウゴウ」
「なにいってるの〜?」
「ぜ〜んぜん、きっこえないよ〜!!!!!」
しかし、このクラブはウナギの寝床のようになっており、
お店の中の要求はステージの桜井さんには
聞こえないらしいのです。
「アイアイアイアイアイの〜の〜の〜の〜
にじゅうさんさんさんさんさんさんさん〜」
魔刻のように深いカオスが店を覆います。
総立ちのお客全員、ステージで棒読みのように
番号を連射し続ける桜井さん、
そして何故かエコーをやめないPAの人。
「最初から番号もういちどいって〜!」
お客の声がやっと届いたのか、
再び今まで当たった番号が次々と読み上げられます。
「ええぬえぬえぬえぬえぬの
さんさんさんじゅうじゅうじゅうじゅうじゅうう
さんさんさんさんさんさん・ば〜ん、ば〜ん、ば〜ん!
びびびびびびびびびいいのの
ジュウジュウジュウジュウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウ
ゴウゴウゴウゴウバンバンバンバンバンバン、
アイアイアイアイアイの〜の〜の〜の〜
にじゅうじゅうじゅうじゅう
じゅうじゅうさんさんさんさんさんさんさん〜」
店内の満ちあふれるビンゴの記号の洪水、
ここは地獄か極楽か、物欲にかられた亡者共が
前に押し寄せますが、容赦なく、
よじれ巻き付いた記号の蛇壺に吸い込まれるように、
人々は当選番号のカオスのなかに叩き込まれていきます。
「おうおうおうおうおうおうおうのおのおのおのおのお
ろくじゅうろくじゅううろくじゅうろくじゅう
きゅうきゅうきゅうきゅうきゅうきゅう
ばんばんばんばんばんばんばん・・・・・・・・・・・・」
混乱の真の原因を究明することなく、
あくまで直感的にこの状況を律することができないと悟り、
桜井さんは突如として
「ええい!もう、やめだ、クラブにビンゴは
やっぱり似合わない!」
とクジを叩きつけました。
「もってけ泥棒!」
と景品のドンキホーテの紙袋を女性タレントに託し、
ビンゴを放棄してしまったのです。
困った顔の女性タレントが紙袋を拡げて回ります。
紙袋に群がる人・人・人。
まさに地獄の風景とはこのこと。
人々は紙袋に手をつっこんでは、
なんだか中身の分からない景品を勝手に持っていきます。
キーボードの上に飾ってあった僕の出した香水も
いつの間にか消えています。
1人で3個も4個も景品を持っている人、
中身を調べようと紙袋に顔をつっこむ人。
まだビンゴの紙を持ってウロウロしている人。
物欲は人を変えてしまいます。
混乱の中ディスコタイムが始まりました。
今度はDJが回します。
70年代のディスコナンバーを中心にイケイケの選曲。
場内が異常なほどの盛り上がりに包まれたのは
いうまでもありません。
ドラマの収録が終了したウップンをはらすため、
コップを置くカウンターの上に登って立ち上がり、
お立ち台ヨロシク踊り狂いながら、蛍光
グッズを振り回し客を煽る女性タレント、
まるで興奮剤を注射されたごとく踊りコケル男、
女・・・・・。
近来最大の壮絶なハイ・タイムが
始まってしまったのでした・・・。
イベントはオーガナイザーのキャラクター次第で
色々な内容になるのです。(終)
あの伝説の歌手、早瀬優香子が、
インターネットのサイトから復活した!
失踪説も唱えられた早瀬優香子が発見され、
ネットに「早瀬優香子復活促進委員会」が結成され、
ネット上で新曲が公募された。
54曲もの曲が短期間に集まり、
インディーズでのアルバム制作が現実のものとなった。
早瀬の歌の意義を支持し、
かつネット上でのこうした運動に共鳴したサエキは
下記のようなイベントで応援することになりました!
「サエキけんぞうのコアトーク63
インターネットから飛び出せ! 早瀬優香子 !! 」
インターネットから
あの伝説のアイドル早瀬優香子の新作が創られる!
生ライブ有!
7月5日木曜日午後7時30分より
第一部 ジェリーフィッシュ・ライブ。
早瀬や中森明菜、近田春夫のディレクターを務めた
伝説の三野明洋によるトーク(貴重な歌謡界の実話トーク)
第二部 早瀬優香子ライブ、トーク、
中澤"花牧スタヂオ主人"邦明&早瀬優香子復活促進委員会
【チャージ】\1500(1D込)
at 新宿ロフトプラスワン
新宿歌舞伎町1-14-7林ビルB2F(コマ劇場前のサンクス右隣)
TEL3205-6864
http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/plusone.html
みんな来てね!
パール兄弟サエキけんぞうと窪田晴男による
10年ぶりの新曲をインターネットラジオ特別番組
「ネット兄弟M」でオンデマンドで
今ならいつでも聞くことができるようになりました!
しかもこの番組はこの曲の要素をバラバラに分解して
MP3化しておいてあり、お持ち帰り自由。
それを使ったリミックスを公開募集しているのです!
応募者は当然、次の番組で御紹介、
そして特典を考えています。
http://www.radiat.net/bangumi/saek/index.html
サエキのHPにも来てね!
http://run.to/kenchan
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