MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第101回
ジョンレノン・トリビュートコンサートが
良かったわけ。
その2




(まず)サエキの役に立つような立たないようなニュース

狂牛病さわぎも沈静しない今日この頃だが、
新宿歌舞伎町の人気焼肉屋「牛角」に行ったら
スゴイ混んでました。
で、東京新聞によれば、なんと狂牛病騒ぎ以来、
来店客数アップとのこと!
このあいだまでやってた
霜降りカルビ290円セールとかのせいだそうです。
ちなみに「290円の全部」(…肉は3種類)と頼んだら、
皿が6皿も7皿も来るではないですか?
さすがに6皿めくらいに気づき、
「こんなに頼みましたっけ?」
と聞いたら
「290円の全部とおっしゃられましたから」
という。
「ハア?」
と聞き返したら、なななんと
「290円の全部=3種類の肉×3種類のタレ=9皿」
ということなのでした!
泣いて頼んで6皿でかんべんしていただきました。
そんなに食えないよ!!
牛角注文の仕方にワーニング!注意!ちゅうい!



(その1から続く)
しかし、この選曲には訳があった・・。
なぜなら奥田氏は「選曲のアンケート」に
「候補曲を3曲書いてください」といわれ、
「3曲のうち1曲やればいいのだろう」と
同じ傾向の曲を3曲書いて出してしまったのだ。
ところが、実際は
「3曲を3曲とも演奏しなければいけなかった」
のだ!(笑)
大変だったわけだ(本人談)

というわけでサイケデリック同時期の
似たような最もこ〜い曲が3曲も聴けたわけで
大変にビックリした。
(こうしたトリビュートの意義は
 今月号のレコード・コレクターズの連載に書いたので
 読んでね!)

ムッシュかまやつは「恋する二人」を歌ったが、
いきなり歌詞を忘れ、構成もぶっとんでしまった。
でも全然イイ感じだったのはまさに人徳!

これらのバック演奏はパール兄弟の盟友、
窪田晴男が担当したわけだが、
ベースの美久月千晴など、とにかく演奏がうまい!
全く欧米に負けないレベルになった。
そして、シンセサイザーやサンプラーなど、
機材の進歩がどんな難曲も演奏を可能にした。
だからどの時代のビートルズ、ジョン曲も
続けて演奏できるのだ。
そのことが感動的であるという事実はおさえておきたい。
みんなジョンの忠実なカバーは、
昔から簡単に聴けたと思ってるかもしれないが、
本格的に可能になったのは最近のことなのだ。

ここで、決定的なことをいおう。
こうした優秀なカバーバンドの演奏は、
時として、本物を凌駕する。

今回のジョン・トリビュートコンサートは
いくつかの出演者で、実際にポールマッカトニーや
リンゴスターのライブを見たとき以上の感動を覚えた。
「バカな?」と思われるかもしれないが、
僕にとっては事実である。

それには理由がある。
それは、原曲のアレンジを大事にしてたからだ。
なにせファンにとって、
耳がタコになるほど聞いた曲のアレンジは、
その通りにやるしかない。
テキトーに変えてしまうなんて、失礼だ。
ところが、アーティスト本人は、
自分のものだから、どうにでもしてしまう。
そのアレンジが飽きていたりするから、
ついつい違った演奏になってしまったりするのだ。
また歌そのものに
「飽きている」ことが伝わってきたりすることがある。

ところが、ファンの演奏や歌は心が文句なくこもっている。

つまり、原歌節回し、
原曲原アレンジへの思いはファンの方が大きいということ。
ここにファンによるトリビュートの意義が存在し、
一般の人がその事実に気付けば、
トリビュートに対する需要は
とてつもなく膨らむ可能性がある。

先日来日して、ビートルズのカバーコンサートをやった、
トッド・ラングレンという
マニアにはたまらないアーティストがいる。
彼は僕らが聞きたい彼のヒット曲を
ステージでほとんどやってくれない。
やったとしても、アレンジを大きく変えてしまう。

その昔、トッドファンクラブの会員によるバンドで、
腕は決してよくはないが
原アレンジに忠実な演奏をバックにして、
トッドラングレン本人が歌うという、
ハプニングが催されたことがある。

僕は正直いって、トッドラングレンのバンドの演奏より
はるかに感動したことを告白しよう。
つまり、本人がやればいいということではないのだ!
本人のバンドがやったとしても、
昔とアレンジがちがっているぐらいなら、
ファンの心がこもった演奏のほうが良いということだ。
だから、トッドによるビートルズカバーも、
ヘタしたらポール自身のものより、感動するかもしれない。

そしてまた、例えば、ポールマッカートニーによる、
彼のアイドル・リトル・リチャードのカバーも
リトルリチャード自身の演奏より良いかもしれない!
これは、「歌まね」「アレンジまね」を軸に、
「好き好き光線」が、本人をしのいで玉突き現象を起こし、
ロックやポップスは
「人類共有の財産」になるかもしれない可能性を
マジで示しているのだ。

話は「DREAM POWER」に戻る。
小林武史とミスチルの桜井和寿などによるユニット
「Acid Test」は、
バンドではなくテクノによる「マザー」を熱演、
これは意表を突かれた。

幕間にはリンゴ・スターと
プロデューサーのジョージ・マーティンがビデオで登場。
なんて豪華なんだ!
リンゴ・スターが映画「KNACK」
(60年代のイギリス映画)のTシャツを着ていたのが
印象的。

そして、
最後にオノヨーコさんがインターネット中継で登場した。
日本の登場人物ひとりひとりに
「ああ、小林さんね!ハイ」
てなぐあいに親戚のイイおばさんが
我が子たちに声をかけているように
暖かい声をかけたのでした…。
(この項終わり)



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新宿歌舞伎町1-14-7林ビルB2F
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2001-11-16-FRI

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