MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第107回
「俺のフランス、君のフランス」その1


じゃ〜ん、ついにフランスデビュー、無事できました。
「ビストロラウンジ」


「御仏蘭西は巴里発、音楽で巡る脱力世界への旅を貴方に。
 ヒネクレタ笑いや人間の発する様々な音の中で
 ごゆるりとお過ごし下さい。」
(クレージーケンバンド ライナーより)

というオムニバスに
僕のセルジュ・ゲンスブールのデビュー曲のカバー
「リラの門の切符きり」が収録されたのです。
前の項で、述べましたが、もともと「ブーダンバー」



といういかがわしいタイトルだったこのアルバム、
「ブッダバー」という今フランスではやっている
カフェバーのコンピレーション
「ブッダバー」のパロディで作られたんですが、
「ブッダバー」のコンピCDがバカ売れし、
同じ販売元である仏EMIとしては、
「ブーダンバーを出したら、ブッダバーに失礼だろう?」
と後の祭でヘンな気を回して、
なんと「ブーダンバー」は
1万枚も廃棄処分になったんだそうです。
まあ、その仕様は
日本ではマッドフレンチ・レーベルで発売されているので、
そちらも御注目を。
原発やデブオカマが写る
「ブーダンバー」のジャケットから、
オシャレなビストロへと、変貌を遂げたかと思いきや、
この「ビストロラウンジ」のオヤジ、
けっこうイイ味出してるでしょう?
ひょっとすると、この「ブーダンバー」のオヤジと
「ビストロラウンジ」のオヤジ、
同一人物じゃないの?とも思えます。



それからなんとジャケットに
「フューチャリング・ケンゾーサエキ」
の文字が入ったんですよ!



うれしい!

というわけで、ゲンスブール委員会という、
フランスポップの巨星セルジュ・ゲンスブールの研究会の
幹事役になって7年目。
開いたり、出たりしたイベント70回以上!!!
僕も本格フランスカブレ人間になってきました。

そうすると、だんだん、気になってくるのが、
フランスという国の正体。
みなさん、フランスってオシャレな国だと思ってませんか?
確かにフランスにはオシャレがありますよ。
でも、フレンチはオシャレだけじゃない。

まず、音楽です。
僕はこのたび、
【chez elle, hiver (シェゼル,イベール)
 〜 La musique des quatre saison
 彼女の部屋、冬〜キャトルセゾンの音楽〜】
(2001年 12/7発売、
 パリ生まれの生活雑貨店キャトル・セゾン
 http://www.quatresaisons.co.jp/
 が贈るフレンチポップ・コンピレーション第1弾)
なるものをプロデュースしました。
これは、僕も含めた日本人が好きなフランスのイメージで
作ったものです。



もちろん、ピエールバルーや
ジャンゴ・ラインハルトの息子のバンドをはじめとする、
本格フレンチサウンドがたくさん入っているのですが、
実はいくつかのグループは
アメリカやカナダそして**のグループだったりします。
(どれかはいわないけど)。
それは日本人である僕らあるいは、
アメリカ人の求めるフランス像が
勝手にオシャレなものになりすぎていて、
本国フランスで本当に流行っている音楽とズレている、
という現実があるからなのです。
本当のフランスの音楽は90%フランスの「演歌」。
こぶしが利いていて、クラくて、
一本調子なツマらないフランスのポップス。
フランス人はいくらロックが流行っても、
ナニワ節のような音楽を好んできたのです。
どうです?少しはピンと来ましたか?

そんな中でオシャレなセルジュ・ゲンスブールは
全く異端だったのです。
だから、ゲンスブールの立ち位置から
さらに英米よりのかっこよい音楽を好きな我々としては、
フランスでは少数派のオシャレなポップスや、
海外のフランスかぶれの音楽に
「フランス」を見出すしかないのです。

だから、ポップスにオシャレなフランス像を求めたければ、
外国にあるフランス物を選ばなければならない、
という恐るべき現実があるのです。

これは果たして本当の日本を探すなら、
欧米の博物館を探すしかない
(多くの歴史的遺産は欧米に流出しているから)とか、
ピーター・バラカンさんのほうが、
家のお父さんより昔の日本人くさいよ、
とかいう問題と似ているのでしょうか?
それとも似ていないのでしょうか?
(この項続く)



第五回 緊急牛肉スキスキ・キャンペーン!

御茶ノ水洋食「キッチンカロリー」
03−3291−3266
(駿河台坂下、三省堂の道はさんで向かいちょっと)

御茶ノ水で学生をやったことがある人なら、
間違いなく食べているであろうのが
「キッチンカロリー」の「カロリー焼き」だ!
スパゲッティの上に、牛丼の肉状の焼肉が乗っている
この「カロリー焼き」は僕の青春です。
ハンバーグも美味しい(店によって味の差があり)
駿河台坂下が本店っぽいが、
駅の側のスタンドも捨てきれない。

とにかく昭和の味がするんですよ〜!

2001-12-19-WED

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