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虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第114回
「ある朝、銀行のディスペンサーがボックスごと消滅!」


今回も御便りから。
pccreateさんより

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銀行の合併・名前変更には利用者の事を
まったく考えていない!と身の回りに
その話題がやってくる度に思います。
だって、私の行ってる会社は
「東海、三和、第一、あさひ」を利用していたんです。
振込銀行のハンコを、いつ作り直すか。
と考える今日、この頃です。
まったく、判りにくい世の中になって行きます・・・
私の友人は昨年、
東海銀行を辞めたのですが
もし、子供が生まれたら
「昔オトーサンは銀行員だったんだよ。
 ン?今はUFO銀行。もうなくなったんだ」
と説明するんだ。と笑っていました・・・
合併で、内部も戦々恐々なんでしょうね。大変です。

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なるほど・・・。
僕は同年代の銀行員が
きっと大変な苦労をしているだろうと考えられ
「今はUFO銀行。もうなくなったんだ」
のくだりで不覚にも涙しそうになりました。
UFOとUFJ・・、確かに似てますね。

銀行員は給料高いけど、ホントに大変な商売。
もう10数年前の話しですが、地元の某銀行で、
若い男女の行員同志(もちろん未婚同志)が
手をつないで出社したところを見られ、
男性社員が地方にトバされた、という事件がありました。
(こういう場合男だけが責任をとるらしい)
社員同志の内部の婚前交際禁止、
というかそれをあからさまにすることが
禁止だったらしいですね!
なんか戦前の小学校みたい。

窓口から銀行員達の行状を眺めておりますと、
上目使いにお互いの行動を注視し合っている様は
もうなんともいえない緊張感です。
若い女性窓口員に対する奥からの
お局さん的な先輩行員の視線があったら
特に注目ですね。
「ヘマすんなよ」張り詰め
た監視構造が窓口を作っていた。
しかしそんな関係も、
合併銀行内ではズタズタかもしれません。
 
さて、原宿でいつも使っていた、
京セラビルの三和のキャッシュ・ディスペンサーが、
合併したUFJ銀行
(プロレスの団体UWFみたいにも思える)
発足当日の15日にいってみたら、
ボックスごと消滅してました。
これにはショック!一番近所で慣れていた場所が、
見事に何もなく、ボックスの跡の地面には、
ボックスをうちつけていた
悲しい線跡が残っていました。

スゴイ変化!これは油断ができない。
東京の何箇所かであてにしていた
ディスペンサーがなくなっている可能性がある。

しょうがないので一キロぐらい先にある
ディスペンサーにトボトボ歩いていきました。

僕の通帳は記帳スペースが一杯になる寸前でした。
「また窓口に並ぶのヤだなあ、合併後で混んでそうだし」
と思いながら、緑色の三和銀行通帳を
ディスペンサーに入れました。
窓口業務は通帳作成でもやたら時間がかかるからです。

ディスペンサーも一新され、
あの重厚な光沢海老茶赤色の
インターフェイスに変わっています。

預金を下ろすと
「通帳を新しいものに書き換えています。
 しばらくお待ち下さい」
の表示。

「ハテ?通帳を繰り越すのにこんな表示でたっけ?」
と想いながら、「電車がきます」と
「前々の駅」「前の駅」と移っていくような
矢印表示が出てくるのを、3分ぐらい待つ。

「ジーコジーコ・・・・・・ガーーーー」
すると、なんと新しい光沢海老茶赤色の
UFJ銀行の通帳が出て来たではないですか?
スゴイ!通帳書き換えがディスペンサーでできる!
お届け印の繰越はどうやらいらなくなったらしい。

一部銀行ではもう採用していたシステムらしいですが、
僕は初めて。
何より緑の通帳が吸い込まれて、
そこから新しい海老茶赤色の通帳が出てきたことに
タマゲました。
「こ・ん・に・ち・わ!」

オズオズと新しい銀行の顔が僕に挨拶したように
思いました。
この銀行が作り出す世紀はどんな時代なのだろう?

あまりにもよくいわれている昭和恐慌の起きた
昭和4年頃との類似。公債増発による多額の借金に
新しいリーダーの出現を期待していた当時の国民、
現れたのが改革を唱えた浜口雄幸首相。
彼はイタみを伴う改革を
「忍耐強い国民性を信頼している」と断行。
しかも、この人は「ライオン首相」と
アダ名されてたそうですから、
小泉首相と今の時代にコワいぐらいの類似点ですね。
でももし全く同じことが続くなら、
なんか日本って、
人類ってバカってかんじもしちゃいます。

2002-01-24-THU

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