MUSIC
虚実1:99
総武線猿紀行

総武線猿紀行第136回
「LA郊外のフレンチかぶれとは?」その2
エルトン・ジョンやキース・リチャーズの
太っ腹さ・・とは?


え〜暑いですね。
梅雨は本当に終わったんでしょうかね?
ヘンな雨も降りますね。

さて、前回間違いがいくつかありました。
ひとつは例の「ホテル・カリフォルニア」の建物ですが、
あれは「The Beverly Hills Hotel」でした。
ホテルの建物の一部のようで、公館ではないです。



しかし、黒塗りの車が長蛇の列を成しており、
料亭状の状況にはなっているようです。
なるべく調査してみます。
ホテルのHPも見つけました。
http://www.thebeverlyhillshotel.com/newsletter/index.html
ジャケットどおりのばっちり、威容が出ています。
お部屋は4万からぐらいの高級ホテルでした。

もうひとつは、オーハイはLA〜サンフランシスコの
ちょうど中間なのですが、東京〜岐阜ではなく、
東京〜静岡(あるいは浜松)程度の距離と思われます。
ノー信号で120kmぐらいですっとばして
2時間とはだいたいそんなものですか?
岐阜とはオーバーでした。

さて、オーハイの街に到着した我々は
街をしばらく散策の後、
アメリカ生まれのフレンチユニット
「ポペレッタ」のプロデューサーグレッグの家を、
いよいよ尋ねることにしました。
店が30軒ほど立ち並んでるだけの中心街から
さらに4〜5kmオレンジ畑をひたすら走った後に
グレッグの家が現れました。
その辺いったいは、ほとんどオレンジ畑で、
その中に民家があります。
それが何を意味しているかというと、
家の周りのオレンジ畑はその家のものなのだそうです
(小山ひとつ分とか)。
グレッグの家も
100本近いオレンジの木を所有しているわけですが、
かといってグレッグの家族が
農作業をするわけではありません。
世話は専門の業者がやります。
そして収穫期になると、取り入れ専門の業者が来て、
採っていくのだそうです。
その手間賃はオレンジの売り上げから払われるそう。
それで、お金(そんなには残らないでしょうが)と
オレンジが家主に残るというシステムなのです。
う〜〜ん、こういうのをリッチというんでしょうか!
庭と家を取り囲むオレンジ群がぜいたく!
それらはほっといてもお金になるのです。

「PENNY LANE」というビートルズの曲名と
グレッグ・ペニーの名前をかけた、
音楽マニアらしい矢印が現れ、
おとぎ話の世界に入っていくような小道をたどり、
グレッグ家に着きました。
噂にたがわぬ可愛いお家です。



現れたグレッグはジャケットの写真どおりの
エルトンジョン系の気さくなお方。
ハリウッドで音楽プロデューサーの父と、
ポップス歌手の母の間に生まれ、
ラスヴェガスで育った彼は生粋の音楽野郎です。

「16歳くらいのとき、
 私はエルトン・ジョンがラスベガスに来るたびに
 コンサートを見に行ってたんだ。
 しかも、バックステージに入り込む努力をして、
 あるときついに彼と会うことができた。
 その後も2〜3回、バックステージに入ることができて、
 私のことを覚えてくれるようになった。
 彼は私の母のレコードのファンで、
 母も連れて彼に会いにいったりしたんだ。
 それで17歳のころには私たちは友だちになっていた。」
という経歴を持つグレッグは、
そのままエルトン・ジョンの名盤、
ダイアナ妃の追悼ソングで有名な
「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」が入っている
「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」の
レコーディングに10日間ほど滞在させてもらい、
さらにその後、エルトンとともにロンドンへも行き
6週間滞在したといいます。
当時のエルトンといえば
今日はストーンズ明日はビートルズのメンバー、
といったように華やかな交流関係だった時期ですので
大層刺激になったようです。

すっかり英国のロックシーンに
どっぷりとひたったグレッグは、
英国のレコード出版社に就職しますが、
エルトンジョンの
「君はLAの人間だからLAらしい音を作ったほうがいい、
 このまま英国臭くなるのはもったいない」
というようなアドバイスで
最終的にはLAに戻ることになります。

それにしても面倒見がいいですね。
自分に憧れている少年を、面白いと思って、
育ててしまうわけですから。
向こうの有名ミュージッシャンはスケールが違います。
その15年後、エルトンは
自分が育てたグレッグにプロデュースされて
「メイド・イン・イングランド」というアルバムを作り、
後期最大の売り上げを示すわけですから、
元をとることにもなるのです。

そういう、有名ミュージッシャンが、
若い子をよびつけるというような話については、
サエキの出た映画の音楽をやった
サイモン・ターナーという英ミュージッシャンも、
似たようなことをいってました。
彼はデヴィット・ボウイ似の
なかなか美形ミュージッシャンなのですが、
ある日突然ローリング・ストーンズの
キース・リチャーズから電話がかかってきたそうです。
「南仏の海岸にいるよ、
 2〜3日一緒に遊びに来ないかい?」
といわれたのです。
もちろんサイモンは喜び勇んで南仏に向かったそうです。

そして、特に「襲われる」こともなく、
ただけだるく数日を共に過ごしたそうです。
ようするにそうやって若い者と時間を過ごし、
無駄話をして、何かを吸収しようとするんだそうです。
ダメならダメで別にいいや、何かあれば拾いもの、
って感じで。

優雅ですね〜。
日本のスターでもそういう人いるんでしょうか?
その時間感覚、
空間のシェア感覚が往年のロックスターっぽい。

さて、英国にいたときのグレッグは
ヨーロッパを広く動いたようです。
そして南仏のある海岸で出会ったのが、
ベルギー人の現・奥さんのカティア・ペニー。
彼女はやはり歌手。
つまりプロデューサーのお父さんと
歌手のお母さんの間に生まれたグレッグは
またしてもカエルの子はカエル、
全く同じ形態の夫婦になってしまうのです。

二人のロマンチックな出会いの実際の物語を
詩に描いたのが7月28日発売のアルバム
「サントロペのポペレッタ」です。



細かいセリフまですべて完璧に邦訳した対訳をつけました。
とてもムーディーなので是非買ってください。
女の子を口説くには絶好、
また、カップルに最適!結婚できますよ!

え〜それにしてもなぜ、そんな二人がフレンチなのか?
それは二人の愛の舞台が南仏だったのと、
カティアはベルギー人なのですが、
ベルギー語はフランス語とどうやらかなり近いのですね。
そのせいでしょうか?
ベルギーからはミカドなど、
たくさんの重要なフレンチポップが出てきているのです。

英国のロック事情にどっぷりひたったグレッグは、
恋のせいもあり?フランス文化にもどっぷりひたり、
中年になってからフレンチポップユニット
「ポペレッタ」を結成するのですが、
アメリカ人の作ったフレンチポップユニットが
フランスで成功
(ポペレッタは2万枚ほどフランスで売り上げた)
するというのは
歴史的に初めてのことだったかもしれません。
(この項続く)



久々のコアトーク!!
クレイジーケンバンドの剣さんの登場です!
クールズ時代の話!(クールズにいたんですよ!)
など、音楽ファンならだれでも楽しめるプログラム!
ソロアルバムを発表したばかりの
渚ようこさんもライブしてくれます!
みんな来てね!!!

7月31日水曜日
午後7時30分開演!

サエキけんぞうのコアトークvol.68
「クレイジーケンバンド横山剣〜男の履歴書〜」
コアトークにCKBの横山剣待望の登場!!
あまりにも粋でカッコイイ横山剣ワールドを
タップリ堪能出来る貴重なチャンス!!絶対必見!!

【出演】
横山剣(クレイジーケンバンド)、渚ようこ、
コモエスタ八重樫、川勝正幸、他、ゲスト、DJあり

【司会】
サエキけんぞう
【チャージ】¥2000(1D込)
新宿ロフトプラスワン (TEL 03-3205-6864)
http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/plusone.html


というわけで、POPERETTAのCDが
ついに発売になります!

(詳しくはこちら)
http://www.jla.co.jp/amusement/

プロデュースは、前記の通り、
エルトン・ジョンやk.d.ラング、シェールなど
そうそうたる大物アーティストたちを手がけてきた
敏腕プロデューサー、グレッグ・ペニーです。
キャトル・セゾン コンピレーションCDシリーズで
人気を博しているユニットとしてもおなじみです。

大貫妙子さんもコメントを寄せてます。

 POPERETTAの音楽は
 まさに香り高い絶好の美味しいワインなんです。
 ミュージシャン魂を揺さぶる「おいしい」が
 いっぱい詰まった代物で、
 ちょっと、ちょっと、ちょっとー!!
 これ、知らないとマズイでしょ!なんです。
[大貫妙子]



<初回特典>
特製オリジナルポストカード付
7月28日に発売されますこのCD。
このページの愛読者のみなさんのみ!
に、なんと素敵な特典
「サエキ特製CD−R
 (お楽しみトラック入り〜内容は秘密)」
がついたこの新作CDを限定予約にてオーダーを承ります。
(限定10枚)

お申し込みはメールで。
あて先はこちら!
pearlnet@kt.rim.or.jp

振り込み確認後、すぐにお送りします。
(発売日とほとんど同時に送付作業を開始しますので
 今申し込めば、すぐ届きます)

なお、郵送、郵便書留等でもお申し込みいただけます。
(有)パールネット
〒150-0001
渋谷区神宮前6-28-5宮崎ビル402
(TEL)03-3486-8045
(FAX)03-3486-8945

2002-07-30-TUE

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