総武線猿紀行第141回
36年目の青春ガチンコ勝負とは?(その1)
いや、急に寒くなったのには参りましたね。
日本(東京)にはイージーな季節はないのか?
と思わず叫びたくなります。
数日後、9月22日には久しぶりに京都に
ちょっとだけ行きます。
メトロというところでいつも東京でやっているイベント、
MIDSをやるのです。歌います。
ブルードレスというMODSグループとやっているもので、
彼らの経営するブティックも出張出店します。
彼らの作る服はMODSの枠をはみでていて、
とてもカッコいいもので、今年に入ってから、
すべてソールドアウトにしてきています。
僕のデザインしたTシャツもありますよ。
フランス(フレンチポップ)とイギリス(モッズ)の音楽が
交互にDJ,ライブされ、
ブルードレスのファッションショウや、
ベストドレッサー賞(豪華賞品有)も選ばれます。
ファッションなんか興味ないや〜という人もOK!
音楽だけでバッチリ楽しめます。
東京から、戸川昌子
(withアコーディオンかとうかなこ
〜cobaの新オムニバスに収録予定)、
キップソーンなど大挙して押しかけますので関西の方、
ふるって御参加ください。
そして、イトイ新聞を御覧の方に抽選(ほぼ先着)で
3組6名様、御招待しちゃいます!詳しくは巻末!
さて、青春後36年目に
青春をもう一度完璧な形で再現する、
そんなことは普通の人生では不可能でしょう。
ところがそれが実現した事件が9月1日にありました。
それは音楽だからできたのかもしれません。
ザ・ワイルドワンズの加瀬邦彦さんと
イベント「コアトーク」をやったのが今年の2月。
60年代のグループサウンズのイベントです。
ワイルドワンズは後世から見れば地味めな人気バンド
(人気投票ではベスト3に常に入っていた)ですが、
加瀬さんはその前に寺内タケシとブルージーンズに在籍中、
グループサウンズ(的なバンド)としては
スパイダースの「モンキーで踊ろうフリフリ」
65年5月に次ぐ8月に加瀬さんのオリジナル
「ユア・ベイビー」を出しています。
「フリフリ」はかまやつひろしさんの作品だけど
おそらくGS最初のオリジナル曲になります。
そんな先物取りのコンビ、
かまやつさんと加瀬さんは63年ごろ、
キャノンボールというバンドを一緒にやっていて
仲よしだった仲なのですが、その先、
常にGSの世界において、ブルーコメッツとともに、
ナンバー1、2、3を競うようになるのです。
(その時代のかまやつさんと加瀬さんの話は
日経BP社「ムッシュ!」ムッシュかまやつ著
えい出版社「ビートルズのおかげです」加瀬邦彦著
に詳しい)
60年代前半の日本ポップスは、
それまでのロカビリーブームが収まり、
景気が悪かったそうです。
日本のポップスに興味のない若者は、洋楽を聴きます。
そんな当時のロックの先端を極めた洋楽野郎が読んだ雑誌が
ティーンビートやミュージックライフ。
そうした耳の肥えた洋楽ファンをクリアーしたのが
グループサウンズ=GSなのです。
当時の雑誌ティーンビート
http://www1.sphere.ne.jp/i-chan/index.htm
を見ると、「フリフリ」の1年後、
66年5月ごろのマイク真木の「バラが咲いた」が
チャートで2位を記録します。
ビートルズ、ストーンズ、ビーチボーイズ、
など洋楽一辺倒マニアの「ティーンビート」誌は
そのように日本の音楽なんか認めなかったわけですが、
マイク真木は例外的にヒットするわけですね。
フォークのマイク真木が
こうしたGSブームの直前にあらわれ、
GSの呼び水になったヒットになっているようです。
なんか当時が偲ばれます。
GSとは、こうして洋楽ポップスファンに認められる
邦楽グループポップスのことなのです。
つまり、今でいえばデ・ラ・ソウルのような
洋楽ヒップホップファンが認める
Jヒップホップのようなもの。
しかしJヒップホップの前に、
日本のネオ・アコースティックの人をまず評価したよ、
みたいなそういう感じでしょう。
今から聴けば、「バラが咲いた」より洋楽っぽい曲は
当時の日本にたくさんあったのに、面白いですね。
(その時には強烈にハイカラなイメージが
「バラが咲いた」にあったのでしょうか?)
「バラが咲いた」に続き、
GSの基礎ヒットが作られていきます。
スパイダースの「ノーノーボーイ」「夕陽が泣いている」
ブルーコメッツ「青い瞳」「青い渚」、
ちょっと遅れてワイルドワンズの66年11月
「想い出の渚」が登場します。
これはチャートをかなり登ったらしく、
この後、これらのグループの乱戦が半年続きます。
そして翌年67年春には沢田研二の率いる
タイガースの登場となります。
あっという間にタイガースが王者になり、
スパイダースやワイルドワンズは
2位、3位となっていくわけですが、しかし、
彼らの人気も71年まで続きます。
そのタイガースの最大級のヒット「シーシーシー」の曲を
加瀬さんが作ったのです。
その流れもあり、加瀬さんは70〜80年代前半には
沢田研二のヒットを手がけるプロデューサーになります。
ダーリン糸井重里作詩の「TOKIO」も
加瀬さん曲なのです。
一方、かまやつひろしさんの70年代は
吉田拓郎さんと組んで
「我が良き友よ」「シンシア」のヒットを飛ばしたり、
「ゴロワーズを吸ったことがあるかい?」など、
マニアックなヒット曲を作ったり、やはり大活躍です。
これでお分かりと思いますが、
グループサウンズの66年〜71年、
そして70年代以降の
ポスト・グループサウンズ的な動きで、
かまやつさんと加瀬さんは
常に裏表をなすトップランナー的存在なのですが、
その二人がかつて仲良しであったとは。
狭いところからムーブメントが始まるのだな、
と思わせます。
「コアトーク」では昨年2月にかまやつさん、堺正章さん、
井上尭之さんのスパイダース的ユニット、
ソンフィルトルを招いてイベントを行いましたが、
予想通り、入りきれないお客さんが集まりました。
そして今度は
今年2月に加瀬邦彦さんを招いて行ったわけですが、
またまたお客さんがたくさん集まりました。
今回の特徴は若い客が目立ったことです。
どうやらグループサウンズファンの若者が
増えているようなのです。
加瀬邦彦さんを招いたコアトークも
大成功に終わりましたが、
そんなたくさんの若い客を見てたまげたのが、
加瀬さん本人。
「どうして30年以上前の音楽を聴きに若い子が
こんなに集まるのか?」
イベントが成功に終わった後、
加瀬さんに再び事務所に呼ばれました。
「なんだろう?」と思って要件を聞くと・・なんと
「お客を25歳以下限定にしてライブをやりたいんだ」
とおっしゃるのです。
「無茶だ・・・」と内心思いましたが、
「とてもいいアイデアですね」
と調子良く答えている自分がいました。
(この項続く)
京都MIDS 9月22日(日)オールナイト
at 京都METROhttp://www.metro.ne.jp/
075−752−4765
WISKY A GO GO" PRESENTS MIDS (MOD & FRENCH)
22:00open 5:00close
前売¥2500当日¥3000(各1D)
QYPTHONE、 LA☆SKALS 戸川昌子
バンヒロシ サエキけんぞう (他)
DJ/中塚武(QYPTHONE)、blues dress、CAVABIEN、POOKY
FASHION SHOW by blues dress
produced by KENZO SAEKI, blues dress & POOKY
後援 Lmagazine、Super!SSuper! uper!
60年代ロンドンとパリの音楽とファッションが
21世紀の今,融合したイベントMIDS。
サエキけんぞう監修のもと、
モッズグループでありアパレルブランドのブルードレスと
フレンチDJのPOOKYが出会って
月イチレギュラーを行っています。
東京で好評のモッズダンス講習会も予定していますし、
オシャレしてベストドレッサー賞に選ばれれば
プレゼントももらえます
ブルードレスによるファッションショウもあります。
本ページ読者特典!「総武線猿紀行」読者
抽選(ほぼ先着)3ペア6人御招待!
あて先は
pearlnet: pearlnet@kt.rim.or.jpまで、
住所名前電話番号を書いてメールで
「MIDS招待よろしく」
当選はメール発送を持ってかえさせていただきます。
サエキけんぞうのコアトーク69回
「GS最前線 第一回トーク・ウェスタン・カーニバル!!」
ついにGS界のスターダムイベント
「ウェスタンカーニバル」をトークで再現!
正真正銘のGSスーパースター達の爆発する
GS裏話のバトルロイヤル!
※18:00開場19:00開演〜いつもより30分速く始まります
【Guest】アイ高野(カーナビーツ)、
デイブ平尾(ゴールデンカップス)、
加瀬邦彦、植田芳暁(以上ワイルドワンズ)、
黒沢進、大森眸(以上GS評論家)
【司会】サエキけんぞう
【チャージ】¥2000(1D込)
at新宿ロフトプラスワン
http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/plusone.html
新宿歌舞伎町1-14-7林ビルB2F
(コマ劇場前のサンクス右隣)TEL3205-6864
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