虚実1:99 総武線猿紀行 |
総武線猿紀行第185回 「ブリトニーと至近距離で踊った夜」 ブリトニー・スピアーズ好きですか? 僕は好き。東京ドームも見に行きました。 ジャネット・ジャクソンの後継者ともいうべき、 キャッチーなR&Bサウンドを 白人娘がやっているところが好き。 ジャネットのような超絶技巧の歌を 白人は歌いこなせないと思われていたのですが、 あちらのプロの芸能レコード会社(ゾンバ)は違ったね。 バックストリート・ボーイズは ニューエディション (ボビーブラウン、ジョニーギルのいたコーラスグループ) のような黒人っぽいボーカルを白人男子で、 そしてブリトニーはジャネットをティーン白小娘が、 やっちまったわけです。 結果、両者とも特大ヒット。 そのとてつもない世界お茶の間浸透度たるや、 やはり黒人音楽とはスケールが違うな、と思うほどです (でもゾンバの社長は英国の黒人ですが)。 そんなブリトニーの音楽が好きなわけで、 ルックスも良いですけど、 机の上にピンナップ飾るほどではないな。 というか、いまどき、飾るような人いませんけど。 新曲のマドンナと作った曲はとてもカッコいいぞ! で、ブリちゃん登場のレコード会社主催パーティが 六本木タトゥーというクラブであったので いってきましたです。 スーパースターのオーラとは何か?を見に。 主催の人から内々で 「一瞬ですよ、一瞬。すぐ帰ります。 というか、機嫌が悪かったら来ないかもしれません」 といわれていたので、何も期待しないで。 8時開始でしたが、所用で遅れに遅れ、 9時35分に着くと、物々しいクラブ前。 かなりチェックありきで、超満員のクラブに入ると、 まだ出てきていない様子。 2Fフロアでは 元プラスチックスの中西トシさんが回している。 サディスティック・ミカ・バンドの小原礼さんと しばし雑談。 昔の話を聞かせていただく。 小原さんはストーンズの準メンバーでもあり、 ロッドスチュワート&フェイセスの 「イアン・マクラガン」バンドのメンバーだった。 ストーンズファミリーに入れた日本人は、 同じくベースの山内テツさんと小原さんの二人だけ。 「山内さんどうしてるか知らない?」 知らないです。 読者でだれか知っている人がいたら教えてください。 しかし、そういった外国のVIPバンドに入る生活は、 大変なストレスじゃないんだろうか?と思います。 「そんなことない、凄く楽だったよ!」 ふ〜ん、楽なのか。 10時過ぎて、やっとブリちゃん登場の噂。 下のフロアに降りると、 1,000人近い人がステージに向かっていく。 日本人社長さんが何か話しだすが、よく聞き取れない。 「キャア!」という歓声が起きると、ブリちゃん突然登場! あまりにも唐突。 しかも、ステージ上ではなく、下で現れたため、 顔がチョコっとしか見えない。 うぬぬぬぬぬ。間違いなく本人だが、 ダイアナ系というか、肉食系というか、 本物はコワい顔ですね。 1分ほど見てたら、妊娠発表のあったばかりの 広末涼子さんの顔が見たくなった。 牛肉たっぷりの食事で、お刺身を食べたくなった風情。 と思ったら、顔が見えなくなった。 元SONYの矢沢栄吉を育てたことで有名なT氏が 「終わった終わった!」と叫びながら戻ってくる。 本当に挨拶1分で終わりだったのだ。 ふ〜〜ん、でも僕は野宮真貴ちゃんや 本当に久しぶりの朝本浩文君と談笑できるので、 何もガッカリはしていない。 「もう終わったのかよ〜」みんなブツブツいいながら ドンドン、ガンガン、ドシドシ帰る。 15分後、フロアには100人ぐらいしか残っていない。 と、ふとステージ前を見ると、 ブリちゃんが踊っているではないか? 一瞬目を疑ったが、周りには5人くらいしかいない。 急いで、野宮真貴ちゃんに 「いるぞ、ブリトニー」と呼びにいくと、 「本当?」といいながらやってくる。 なんといっても、とんでもないスーパースターだ。 世界的なスターというものは、 取り巻く周囲の緊張レベルというか仕組みというか、 メディア集中力がケタはずれに大きい。 日本のどんなスターよりも巨大な 警備力やシステムが張り巡らされている。 そんなお人に間近でお目にかかれることは 一生のうちでもほとんどないのだ。 ジ〜。 約3メートル先で踊っているブリちゃんは ステージ上の神がかったダンスとは違い、 普通ううう、のお姉ちゃんの踊り。 ホントに本人なのだろうか?と思うぐらいのイナたい動き。 それに合わせてファンの男の子が ハチャメチャな動きで一緒に踊っている。 なんだかグアムの場末のディスコで、 親戚ご一行のアメリカ人と一緒に踊っているみたいだ。 「サエキクン、男なんだったら、 一緒に踊って来なさいよ!」 と真貴ちゃんがけしかける。 う〜〜ん、気後れがす〜る〜〜。肉食イメージが〜。 それにしても、なんでみんな気がつかないんだろう? 相変わらず周囲には30人ぐらいしかいない。 プレゼンテーションされて、 与えられた場所で「有名な人」だと教えられて、 見世物として見る。 有名なんだから、と説明されて接する。 聞いたこともないのにサインをねだる。 人からいわれて、認識する。 へ〜っとヌボーっと見る。 しょうがない面もあるが、ちょっと怖い。 それは、中世で、処刑される人を見る 下世話でボーっとした好奇心の視線と似てるかもしれない。 また「上の人間がいうんだからしょうがない」と なんでも命令に追従する態度と、似てるかもしれない。 そういう視線の上には、 どんな策略が浴びせられるかわからない。 内容をきちんと認識した賞賛、追従こそが、 良い状況、我慢できる明日を生む。 あまりに普通の娘、ブリちゃんがそこにいる。 ジ〜。 日本で普通人としてクラブで紹介されたら、引くかも。 でも、音楽は素晴らしいし、 きっとしばらく話すと、恋してしまうだろう。 メインフロアDJはニューヨークで大成功した 女性ヒップホップDJ、KAORI。 NYで女の子の身一つで成功することが どんなに凄いことか! 今夜もう一人の本当のヒーロー、 日本人の真の誇りがここにある。 彼女のDJはNYで拝見し、 黒人のティーンだらけのフロアを 完璧にあやつるそのプレイは圧巻であった。 美人。上半身ビキニの露出度の高い服で、 挑発するようにあおる。 しかし、ヒューマン・リーグや ストーンズ「ミス・ユー」といった 80年直前テイストの選曲には驚いた。 向こうでもそんな感じなのだろうか? VIPを囲む会には、 色々なインターナショナルが交錯する。 踊る、踊る、数十人でひたすら踊る。 僕らの歌を取り巻く人生、常に、 こうした無言のダンスをみんなで共有することによって、 始まってきた。今までも。 そして、今夜も‥‥。
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2004-01-05-MON
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