虚実1:99 総武線猿紀行 |
総武線猿紀行第191回 「角煮きのこ丼 吉野家・世紀の珍品!シリーズ4」 サエキけんぞう公式ホームページ (正式名称が「サエキけんぞう公式ホームページ」と シンプルなものになりました) 新装開店してます(アドレス変更!)www.saekingdom.com プレゼントも約週1回で行っております! さて、いきなり3月11日に豚丼値下げセールで、 メニューが一瞬消えることになることになり、 あせって「角煮きのこ丼」(380円)を 食べに行きましたよ。 3月9日、新小岩店へ。 ものすごくレアになりそうですからね。 この角煮きのこ丼、いろいろな意味で、 いままでのファーストフード丼の常識を破っています。 だって、角煮(豚)ですよ? 今まで角煮の丼なんて見たことあります? 突き出し、オカズでは良くありますが、 これを丼にする、というアイデア。 そして付け合せが揚げ豆腐とかにんじんではなく、きのこ。 まいたけ、ひらたけ、エリンギの3種類ですと。 きのこの丼って見たことありますか? 観光地行かないと、なかなか無いんじゃないでしょうか? まさしく、マニアック、レア。 丼マニアにも注目の一品じゃないでしょうか? こうした物が出てきた背景として、ブレーンや社員から、 短い期間に徹底的に「丼」のアイデアを出し、 そして、試食を繰り返したのではないでしょうか? 親子丼やマーボー丼という、既成メニューはいいでしょう。 比較的、短期に追い込み可能だったでしょう。 いくら鮭丼という、海鮮を入れるというのも、 驚きましたが、まあ、いいでしょう。 しかし、角煮きのこ丼とは? これが入るということは、 相当いろいろなメニューを検討したと思われます。 みなさん、丼って何を思いつきます? ざっと思い出したり、雑誌で拾ったりして、 丼の種類を挙げてみましょう。 カツ丼(デミor卵とじ) 深川めし(アサリの丼) 天丼(たれ、塩) 鉄火丼 うな丼 中華丼 焼き肉丼 うに丼 さざえ丼 ネギとろ丼 明太とろろ丼 湯葉丼 カツオ丼 カニトロ丼 焼魚丼 しらす丼 あなごぼう丼 ビビンバ 高菜丼 かやく丼 柳川丼 ひじき丼 三色ご飯丼(そぼろ、卵、など) さくら丼(馬肉の丼) これらは実際に売られているものですが、 ちょっと考えても、あっという間にこれだけ集まります。 おそらくこれくらいはあっという間に検討、 試食されたのでは? でも、角煮きのこ丼ほどのものがあるということは、 サラダ丼(どっかにあったな?) ロールキャベツ丼 ハヤシ丼 フカヒレあんかけ丼 グラタン丼(ドリアか?) コロッケ・デリシャスソース丼 ホルモン丼 キャベツコンビーフいため丼 たこ焼き丼 ピザ丼 スパゲッティ丼 マヨ丼 チーズ丼 この10倍くらいは「創作丼」を考えたのでは? しかし、こうして並べてみても、 角煮きのこ丼の特殊性がわかると思います。 角煮ですから、甘いんです。甘味なんですよ。 この中で強いて近い甘さの丼は、 うな丼ぐらいでしょうかね。 丼は辛、甘辛が通常の味。 牛丼は、さっぱりとした辛さが定番に 食欲をそそるのではないでしょうか? 牛皿・豚皿は酒の肴になります。 酒飲みにもアピールする牛・豚丼。 角煮も酒のつまみになりますが、甘味ですから、 時を選びますよね? 丼にするということは、 よっぽどの検証がなければ無理とみた。 だから自信作に違いないと。 だから気乗りしないけど食べに言ったのです。 結果、かなりうまかったんですよ。 一杯食べるのに食欲が減らないような 程よい甘みときのこの噛み応え。 これはなかなか絶妙。 甘味で、食べ続けさせるだけの加減には、 かなり絶妙なものがある。 キノコもおいしくできてます!! ちょっと角煮を食べることはあっても、 一杯の丼を食べるまでのことはなかなかない。 いや、ウホウホと食べ終えました。 やはり生半可な導入ではなかった。 しかし、牛丼の代替ということになると、??ですよね。 甘味だから。 これは吉野家としては、 こういう機会だからこそ「つい」導入してしまった 稀代の珍品なのではないでしょうか? ここからは推測の物語。 まず、鉄火丼、焼き魚丼など色々な候補が入り乱れる中で、 きのこ好きな丼料理マニアの社員のアイデアで 「角煮きのこ丼」が偶然生まれてしまった。 他の候補は「焼き鳥きのこ丼」「きのこ豆腐ハンバーグ丼」 「きのこ海鮮丼」「きのこざあさい丼」「山菜きのこ丼」 「きのこ卵とじ丼」など。 判定員たちは他の候補に比べ、 僥倖とも思える「角煮きのこ丼」のおいしさに 「こりゃ、うまいじゃないか?いけるよ!」 と現場はオオノリ! しかし 「この甘くて、若者へのアピールが地味そうな 角煮きのこ丼の安易な導入は、いかにも遺憾ですな!」 と福田官房長官のような眼光の番頭さんの牽制球! 場内、険悪なムードが流れる。 そこに 「これは丼の頂点を作り出す吉野家の使命感が、 危機をきっかけに生んだ芸術だ! 今、試さずしてどうする?」 との社長のツルの一声。 ひょんな風向きから、責任感の重大さに ズッシリと両肩が重くなる、「角煮きのこ丼」発明者。 冷や汗タラ〜リ。 以後、日々徹夜で角煮の甘さときのこの 入手ルートを検討し続ける。 キノコの山に入ったことも‥‥。 かくして生まれたのが「角煮きのこ丼」‥‥では? あくまで推測です。 今回の騒ぎ以来、 ほんの数ヶ月の期間にこれだけの丼を開発、 メニューに導入また、約1ヶ月の間にメニュー出し入れ、 地方によるマーケッティングの差、セール、一時休止など、 というすさまじい販売状況のめまぐるしい展開、 その企業努力たるや、もうすさまじいものがありますね。 そういう組織的な取り組みができない街の焼肉屋さんや、 定食屋さんが本当に本当に心配になります。 それを憂えた上でも、吉野家のドメスティックな奮闘は、 記憶するに足ると思います。 (つづく)
|
サエキさんへの激励や感想などは、
メールの表題に「サエキさんへ」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。
2004-03-19-FRI
戻る |