さくら |
で、いよいよマハラジャが
登場してくる寸前くらいに、
「みんなで踊れ」って
言われたんですよ。
そのインド人に混じって。
で、私、嫌で。
絶対そんなインド人に混じって、
踊るなんて‥‥。
普通、日本でも
踊らないのに‥‥。 |
糸井 |
盆踊りだってしないんだよね。 |
さくら |
しない、しない、
それをそんな言われても、
嫌だって言って、
私は踊らなかったんですよ。
いっしょに行った
イノシタさんは踊ったっけ? |
イノシタ |
(冷静に)あ、踊りました。 |
糸井 |
そういう服は着てるわけ? |
さくら |
服は大丈夫だったよね。 |
イノシタ |
(クールに)はい、普通の格好でした。 |
さくら |
で、いよいよマハラジャ登場になったら、
マフィアのボスみたいな感じなの。
目の下クマみたいになっちゃってて。
紫と茶色みたいなの
混ぜた色みたいなクマなの。 |
糸井 |
そんなやつぁいねぇよ(笑)! |
さくら |
クマでボスみたいなの。
でも花火まで上げてくれたんですよ。
花火って、1発高いですよね、
やっぱインドでも高いと思うのね。
それがパーンって上がったときには、
ちょっと感動だったんですけど。 |
糸井 |
いっぱい上がったの? 2発ぐらい? |
さくら |
あ、それはね、30発くらい!
うん、30発上がるとね、
ああ、なんか私たちのために、
みたいなね。 |
糸井 |
うん、それなりに。 |
さくら |
それで、いよいよ食事になりますから、
食事の部屋に行ってくださいって言われて。
で、マハラジャのテラス、
ちょっと覗いたら、なんかぜんぶね、
金みたいな部屋だったです。 |
糸井 |
金みたいな(笑)? |
さくら |
うん、わかんないけど、
赤とか緑みたいな玉みたいな。 |
糸井 |
とにかく派手な。 |
さくら |
うん。それでまた、
ご飯食べるところが、
ここはもうすごいんです、
って言うんですよ。
ここに来た人は、
死んだダイアナとか、
イギリスの王妃様たちですって。
写真があったりして。
で、イギリスの王室と同じレベルの、
10メートルぐらいのガラスのテーブルは、
200年前にラリックに作らせたって
言ってるんですよ。
世界に2枚しかないって。
あとの1枚は、ここのマハラジャの
親戚の家にあるって言うんですよ。
そんなこと言われても。
自慢‥‥? |
糸井 |
奥ゆかしくないよね(笑)。 |
さくら |
奥ゆかしくない。だって、
見りゃラリックだって
わかるくらいすごいのに。
今からそこで食事までしなきゃいけないのに、
緊張するじゃないですかね、やっぱ。
それで、座って、
マハラジャが目の前とかいて、
コースが出るんですよ。
たぶん日本でいったら
懐石みたいな感じなんだけど、
ぜんぶカレーなんですよ。 |
糸井 |
そりゃあそうだ。インドだからね。 |
さくら |
わたし、つらいんですよ。
からいのすごい苦手で、
もう泣いちゃうっていう感じ。 |
糸井 |
ほんとにからいの? |
さくら |
うん、からいの。
もう、もぉ〜ってなるの、
食べたら。つらくて。
私なんかもう、
マハラジャに声掛けられないようにって、
もう、下向いて‥‥。 |
糸井 |
目を合わせないように。 |
さくら |
そう。それが精一杯ですよ。
あと、カレーがからいから、
食べてるふりしてたんですよ、
かき混ぜたりして。
で、私たち、食べるものがなくて
インド旅行で痩せちゃって。
もう悲しいよね(笑)。
朝ごはんのバナナとか、
夜のために取っといて、
夜、お腹空いたね、って
バナナ食べて(笑)。
そこはいいホテルだったんですけど、
リゾートの新婚さん向け、
みたいなとこだったんで、
イノシタさんと一緒のベットで
寝るしかなくって(笑)。 |
糸井 |
あー、ダブルベッドだ。 |
さくら |
ダブルベッド!(笑)
バナナ食べたあと、
じゃ、おやすみ、
オナラしたらごめん、
みたいに言って(笑)。 |
糸井 |
はっはっはっはっは!
バナナ食っちゃ2人で。
くっくっくっくっく‥‥。 |
さくら |
インド、からいし、ホコリだし、
インド人だし、暑いし。 |
糸井 |
なんていうの、金持ちの人たちってさ、
ありゃ、何なんだろうね。
何考えてるんだろうねぇ。
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