オトナな会話(仮)
さくらももこ×糸井重里の対談です。

その3
インドで私は痩せてきた。


さくら で、いよいよマハラジャが
登場してくる寸前くらいに、
「みんなで踊れ」って
言われたんですよ。
そのインド人に混じって。
で、私、嫌で。
絶対そんなインド人に混じって、
踊るなんて‥‥。
普通、日本でも
踊らないのに‥‥。
糸井 盆踊りだってしないんだよね。
さくら しない、しない、
それをそんな言われても、
嫌だって言って、
私は踊らなかったんですよ。
いっしょに行った
イノシタさんは踊ったっけ?
イノシタ (冷静に)あ、踊りました。
糸井 そういう服は着てるわけ?
さくら 服は大丈夫だったよね。
イノシタ (クールに)はい、普通の格好でした。
さくら で、いよいよマハラジャ登場になったら、
マフィアのボスみたいな感じなの。
目の下クマみたいになっちゃってて。
紫と茶色みたいなの
混ぜた色みたいなクマなの。
糸井 そんなやつぁいねぇよ(笑)!
さくら クマでボスみたいなの。
でも花火まで上げてくれたんですよ。
花火って、1発高いですよね、
やっぱインドでも高いと思うのね。
それがパーンって上がったときには、
ちょっと感動だったんですけど。
糸井 いっぱい上がったの? 2発ぐらい?
さくら あ、それはね、30発くらい!
うん、30発上がるとね、
ああ、なんか私たちのために、
みたいなね。
糸井 うん、それなりに。
さくら それで、いよいよ食事になりますから、
食事の部屋に行ってくださいって言われて。
で、マハラジャのテラス、
ちょっと覗いたら、なんかぜんぶね、
金みたいな部屋だったです。
糸井 金みたいな(笑)?
さくら うん、わかんないけど、
赤とか緑みたいな玉みたいな。
糸井 とにかく派手な。
さくら うん。それでまた、
ご飯食べるところが、
ここはもうすごいんです、
って言うんですよ。
ここに来た人は、
死んだダイアナとか、
イギリスの王妃様たちですって。
写真があったりして。
で、イギリスの王室と同じレベルの、
10メートルぐらいのガラスのテーブルは、
200年前にラリックに作らせたって
言ってるんですよ。
世界に2枚しかないって。
あとの1枚は、ここのマハラジャの
親戚の家にあるって言うんですよ。
そんなこと言われても。
自慢‥‥?
糸井 奥ゆかしくないよね(笑)。
さくら 奥ゆかしくない。だって、
見りゃラリックだって
わかるくらいすごいのに。
今からそこで食事までしなきゃいけないのに、
緊張するじゃないですかね、やっぱ。
それで、座って、
マハラジャが目の前とかいて、
コースが出るんですよ。
たぶん日本でいったら
懐石みたいな感じなんだけど、
ぜんぶカレーなんですよ。
糸井 そりゃあそうだ。インドだからね。
さくら わたし、つらいんですよ。
からいのすごい苦手で、
もう泣いちゃうっていう感じ。
糸井 ほんとにからいの?
さくら うん、からいの。
もう、もぉ〜ってなるの、
食べたら。つらくて。
私なんかもう、
マハラジャに声掛けられないようにって、
もう、下向いて‥‥。
糸井 目を合わせないように。
さくら そう。それが精一杯ですよ。
あと、カレーがからいから、
食べてるふりしてたんですよ、
かき混ぜたりして。
で、私たち、食べるものがなくて
インド旅行で痩せちゃって。
もう悲しいよね(笑)。
朝ごはんのバナナとか、
夜のために取っといて、
夜、お腹空いたね、って
バナナ食べて(笑)。
そこはいいホテルだったんですけど、
リゾートの新婚さん向け、
みたいなとこだったんで、
イノシタさんと一緒のベットで
寝るしかなくって(笑)。
糸井 あー、ダブルベッドだ。
さくら ダブルベッド!(笑)
バナナ食べたあと、
じゃ、おやすみ、
オナラしたらごめん、
みたいに言って(笑)。
糸井 はっはっはっはっは!
バナナ食っちゃ2人で。
くっくっくっくっく‥‥。
さくら インド、からいし、ホコリだし、
インド人だし、暑いし。
糸井 なんていうの、金持ちの人たちってさ、
ありゃ、何なんだろうね。
何考えてるんだろうねぇ。

インドがからいのはともかく、
金持ちの考えてることはすごいなあ。
そのようすはさらにたっぷり
明日につづきます!
2005-05-11-WED
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