| 糸井 |
英語もなにもできなくて
エジプトからひとりで帰るのに、
ロンドンで乗り換えがあるんですよ。 |
| さくら |
いやだー！！
できない、できない‥‥。 |
| 糸井 |
で、エジプトの空港は、
ＪＡＬのカウンターなんか
ないんですよ、当時。
なんだったか忘れたけど、
ロンドンに行く飛行機に乗るわけですよ！ |
| さくら |
そうですよね。 |
| 糸井 |
で、しかも、銃とか持ってる人が
いっぱいる時期だったんですよ！ |
| さくら |
うぅ、こわい。 |
| 糸井 |
何が何だかぜんっぜんわかんないのに、
でも、帰ってこれたんですよ！
なんかね、力を抜いて
風が向くままに‥‥（笑）。 |
| さくら |
ははははははははは！ |
| 糸井 |
しかも、ロンドンに降りたときに
使えるお金とかも持ってなくてね。
確かそのときね、
堤清二さんに会ったんで、
確かちょっと借金したんですよ（笑）。
何も買えないんだもの。 |
| さくら |
はっはっはっはっはっはっはっは！ |
| 糸井 |
とにかく僕ね、外国に行くと
早く帰りたいってことを
絶えず思ってる時期でね。
ロス１泊で帰ってきてたりしたの。
そうすると、
誰も僕に付き合う人はいないから、
ひとりで自然に動いてたんですよ。 |
| さくら |
偉いじゃないですか。 |
| 糸井 |
で、でもしゃべれないんですよ？ |
| さくら |
ぶっ！ でもね、私、あの、
アメリカのサバイバルスクールに
行くときに‥‥。 |
| 糸井 |
サバイバルスクール！（笑） |
| さくら |
サバイバルスクール行ったんですよ？ |
| 糸井 |
行くなよって言いたいね（笑）。 |
| さくら |
でしょう？ ほんっと止めたいよね（笑）。 |
| 糸井 |
それはいちばん向いてないよ。 |
| さくら |
向いてないでしょ？ そのときには、
サバイバルの本にすごい感動して。 |
| 糸井 |
ぶっ。 |
| さくら |
人間はね、なんか、
こういうことを考えないといけないと思って。
参加しようと思ったんですよ。
その本をかいた人が先生で来るっていうし。
徳間書店の私の担当の石井さんって、
ちょっと情けない人なんですけど、
行くんで、って言ったら、
えーっ！？ って、
行きたがってないんですよ、ぜんぜん。 |
| 糸井 |
ほんとは止めたかった（笑）。 |
| さくら |
そう（笑）。
寒いし、やめたほうがいいって。 |
| 糸井 |
寒いし（笑）？ |
| さくら |
うん、寒いんですよ、
もう11月のニューアークだったんですよ。
もう絶対寒い。でも、そういうことはね、
サバイバルだったら
寒いに決まってるんだから、
って私が言って。 |
| 糸井 |
そういうときは強気なんだね（笑）。 |
| さくら |
そうそうそう（笑）。
なんか張り切ってるんでね、そのときは。
石井さんが行かなかったら、
ひとりでも行くから、
って言っちゃったんですよ。
そしたら、いや、
そんなことはとんでもない、
行きます行きます、
ゴアテックスとか、
さくらさんのぶんも買いましょうか？
っていうんで、
そういうことを言ってたら
サバイバルじゃないじゃない！
って言って（笑）。 |
| 糸井 |
止めたりして（笑）。おお。
バカですね（笑）。 |
| さくら |
バカですよ（笑）。
そんで、行くことになって。
石井さん、まったく英語が
しゃべれなかったんですね、
ほとんど私と同じレベルで。 |
| 糸井 |
そういう組み合わせ。 |
| さくら |
そういう組み合わせ（笑）。 |
| 糸井 |
いいねぇ。 |
| さくら |
もうね、すごいつらかったですよ。 |
| 糸井 |
何日間くらい？ |
| さくら |
１週間。
で、行ったとたん、すごい寒かったんです。
ゴアテックス、やっぱり買ってもらえば
良かったなと思って（笑）。 |
| 糸井 |
そっち行ってからね（笑）。 |
| さくら |
替えの下着とか持ってたんですけど、
もう替えるとかいうんじゃなくて、
ぜんぶ着たんですよ、
持ってるものぜんぶぜんぶ。 |
| 糸井 |
それでも寒い。 |
| さくら |
寒いんですよ。寒いなーと思って。
石井さんは
「すいません、ほんとにもう、
やっぱり自分が買ってこなかったので
悪かったです」とかって、そんな、
石井さんのせいじゃないのに。 |
| 糸井 |
止めたの、ももちゃんだよ（笑）。 |
| さくら |
そうそうそう（笑）。すいません、
火焚きます、とか勝手に
焚いちゃったりとかして。
毎日で、周り外人じゃないですか。
やっぱサバイバルな感じなんですよね。 |
| 糸井 |
じゃあ、寝袋？ |
| さくら |
寝袋と、あとテントみたいなので。
で、もうひとりすごい
サバイバルの達人の女の人が、
現地で待っててくれたんですけど。 |
| 糸井 |
それは日本人？ |
| さくら |
日本人で、うん。 |
| 糸井 |
あー、良かった。 |
| さくら |
良かったんですけど、でもその人は
すごいサバイバルに真剣だったんで、
ちゃんと授業出てるんですよ。
私と石井さん、授業英語なんで
わかんないし出たくなかったんで、
出ないことにしたんですよ。 |
| 糸井 |
ふははははは。 |
| さくら |
ははははははは。
それで外で待ってたんですけど、
寒いんですよ、すんごい寒くって。 |
| 糸井 |
ぶっ。ああ。 |
| さくら |
それで石井さんとも、
そんなに毎日たくさん
しゃべることがないじゃないですか。 |
| 糸井 |
ふふははは。 |
| さくら |
寒いなーって言いながら‥‥。 |
| 糸井 |
ただ寒いな（笑）。 |
| さくら |
１週間中、時々火を燃やしたり、
ラーメン食べたいですね、
とかっていう話だけ。
すごいサバイバルでしたよ、
私、そのとき（笑）。
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