さくら |
どうやってそんな動物を、
気配を消して触るのかなぁ?
って、思ってたんですよ。 |
糸井 |
ああ。 |
さくら |
すごいですよ、その訓練が。
500メートルくらい先に、
たとえば鹿みたいなのが見えたとしたら、
(超スローモーションで動いて)
まだこのくらいの動きでいいらしいんですよ。
気配を消してるのであれば。 |
糸井 |
500メートルぐらいまでは抜き足差し足で。 |
さくら |
うん、たんなる慎重でいいけど、
でも、200メートルくらいに近寄ったら、
(パントマイムで静止している人みたいに)
‥‥こういう感じなんですよ。
3分間かけて1歩みたいな。
どうやって気配消すのかなと思ったら、
ほんとに消さなきゃいけないんですよ。
もう、自分が、木とかになったくらいの
感じで動くんですって。でもねえ、
敏感じゃなさそうな動物にだって、
絶対に気づかれちゃうじゃないですか。
だって、触るんですよ?
触って、触ったあとに、
また気がつかれないで去るわけですから、
その忍耐と集中力と根性っつったら(笑)。 |
糸井 |
‥‥最高(笑)。 |
さくら |
それをジャガーでできたっていうから、
ものすごい忍耐と集中力と、
“何か”なんですよ、
そのグランドファーザーは。 |
糸井 |
グランドファーザー、いいなぁ。
私は風‥‥。 |
さくら |
そうそうそう! 私は風! |
糸井 |
私は空。私は大地。
そして私は、‥‥人間? |
さくら |
みたいなね!! |
糸井 |
ああ、ほんとに危ないとこだった!
俺、そのとき聴いてたらね、
ももちゃんと一緒に行ってたよ! |
さくら |
ねぇ! 糸井さん、
行ったかもしんない、ほんっとに。
それで後悔するんですよ(笑)。 |
糸井 |
で、何日かのうち1日くらい、
男の子だからっていう気持ちがあるから、
今日1日、フルで授業出る!
なんて言ったりして。
好きで行くことだから、
べつに我慢じゃないから、
まあ、まず行ってくるよ、
なんてね。 |
さくら |
行ってらっしゃい(笑)。 |
糸井 |
もし面白かったら、明日誘うよ、
みたいなね。
だって俺、北極圏とかも
行ってるんだもん。 |
さくら |
あ、そうなんだ! |
糸井 |
零下35度のところに
1週間いたんだもん。 |
さくら |
なんで? |
糸井 |
なんか間違えて。 |
さくら |
なんか間違えて(笑)。寒〜い(笑)。 |
糸井 |
北極圏人会っていうのを作りましょう、
みたいなことをね、
ちょっと文化人みたいな人たちが、
パイプなんかくわえて、
それはけっこうですなぁ、って。
名前つけたの俺なんですよ、北極圏人会。
で、行きましょう、
みたいな話が盛り上がってね、
歌を作りましょう!
マークを作りましょう!
さあ行きましょう! ってことになったら、
誰も行かないんだよ。 |
さくら |
いやぁ!(笑) |
糸井 |
結局、3人だけだった。 |
さくら |
つらいですね。オーロラ、見ました? |
糸井 |
見ませんでした。 |
さくら |
見なかったの!?
じゃ、何のために(笑)。
いつごろですか? それ。 |
糸井 |
1970年代の終わりぐらい。 |
さくら |
そんな前に? |
糸井 |
もう金なんかないんですよ、
そんなとこに行くほど。 |
さくら |
大丈夫?(笑) |
糸井 |
貯金はたいてね。 |
さくら |
貯金はたいて(笑)。 |
糸井 |
でもね、俺、褒められたんだよ。
風に向かって、真っ直ぐ進んだ人は、
真っ直ぐ凍傷になったんですよ。
で、横向いて斜めに行った人は、
斜めに凍傷になったんです(笑)。
で、俺は、自転しながら歩いたんで、
どこも凍傷になんなかった。 |
さくら |
ああ、そうですか! |
糸井 |
クルクル回りながらね。
で、糸井は偉いって、
3人の中では言われた。 |
さくら |
はははははは。嫌な体験ですねー。 |
糸井 |
ももちゃんのサバイバルスクールと
同じようなもんだよ。 |
さくら |
はははははははは。
ほんと虚しかったですよ。
1週間も苦労して(笑)。 |
糸井 |
いやー、いい、すごい体験だねぇー。
インド以上だったなー。 |
さくら |
インドのほうがどれだけいいか。 |
糸井 |
だんだんインドのことが楽になってきた(笑)。 |
さくら |
インドいいと思ったよ、あのときは(笑)。
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