さくら |
今描いてるもの(神のちからっ子新聞)も、
マンガっていうジャンルとも
ちがうんですよ、ちょっと。 |
糸井 |
だからやっぱりね、
マッチを擦ってるんですよ(笑)。
どれだけバカバカしい話を、
親しい人とできるか、
みたいなことでしょ?(笑) |
さくら |
そうそうそうそう(笑)。 |
糸井 |
それ、やっぱりね、
大変なことなんですよ。 |
さくら |
うん、じつはそうかも。
やろうとすると
大変なことかもしんないけど‥‥。 |
糸井 |
運命かも。
素質なら枯れてると思う。
もう出切ってると思う。 |
さくら |
運命かも!(笑) |
糸井 |
だって、何万語しゃべった?
何億語しゃべった?
あるもの出してる限りじゃ、
尽きてると思うよ。 |
さくら |
そうですね、そうかも。うん。 |
糸井 |
難しいことをやってたほうが、
自分が楽になるからやってるっていう時期が、
けっこう長いんですよね、人って。 |
さくら |
うん、そうかもね。 |
糸井 |
難しいことをやってるぞ、っていうと、
その、なんていうんだろう、
自分が成仏していられるんですよ。
自分の力の3分の1で済んだな、
ってことをやってると、
いいのかな? って思うんですよ。 |
さくら |
仕事癖がついてるんですよね、それって。 |
糸井 |
なっちゃうよね。うん、うん。 |
さくら |
だから、仕事減らしたときに、
こんなことじゃないだろう、みたいに思って、
『富士山』やったんですけど。
でもやっぱり私、
もっと楽しいことが多いほうが、
向いてるんですよ、基本的には。 |
糸井 |
うん‥‥だから、ものすごく極端に言うと、
ももちゃんなんかはさ、
俺もその中に入れられるかもしれないけど、
“遊びを金にする”人間じゃないですか。 |
さくら |
アッハッハッハッハ。
やな言い方だなぁ、
遊びを金にする人間(笑)。 |
糸井 |
悪口として言われると、
すごい腹が立つんだけど(笑)、
それこそが、じつはものすごく難しいというか。 |
さくら |
そうそうそうそう。 |
糸井 |
できるもんならやってみろ(笑)。 |
さくら |
やってみろ、っていうねぇ(笑)。 |
糸井 |
マハラジャの話に戻るんだけど、
マハラジャ、アイデアねぇじゃねぇか。 |
さくら |
うん、そうなの。マハラジャ、
アイデアねぇじゃねぇか!(笑) |
糸井 |
マハラジャさ、そんだけ金持っててね、
マハラジャ様の言うことなら
何でもききますっていう人員を抱えてて、
やってることは、
小っちゃいジェット機かよ、と。
それだったら菩提樹の下でね、
ウットリしてる人のほうが、
アイデアありますよね。 |
さくら |
アイデア、あるあるある!
アイデアあるよ!(笑) |
糸井 |
どういうことかなぁ? みたいなことをね、
いろいろ考えて、
あとで、その人が考えたことをもとにして、
いろんなものがやってくる(笑)。
それって、“超アイデア”ですよね。 |
さくら |
もう、アイデアの爆弾って感じですよね。 |
糸井 |
それに比べたら、
ただ金持ってるやつが、
あんまりみんなから尊敬されない
理由っていうのは、
ノーアイデアだからですよ。
ペントハウスのいちばん高い広い部屋は
私が買うみたいな、そんなの、
お金があれば誰でも買えるじゃん。 |
さくら |
お金があればね。 |
糸井 |
ノーアイデアだと思うんですよ。
それよりはさ、変なこと、つまり、
『富士山』を作ろうっていうのは、
ノーアイデアじゃないですよね(笑)。 |
さくら |
そうなんですよ、
ノーアイデアじゃないですよ、
アイデア満載?(笑) |
糸井 |
僕らだって。
だって、僕が考えたことは、
自分と社員とお客さんを
飽きさせないってことだけですよ。
で、いちばん重要なのは
自分を飽きさせないってことでさ。
アイデアいるんですよ、やっぱり。
それは、百億万円もらっても、
できないですよ。 |
さくら |
うん、できないですよ、そんなの。
ねぇ? でも、もしかしたら、
他にあんまりいないですよね、
こういうスタイルって。 |
糸井 |
みうら。 |
さくら |
あ、みうらじゅん、そうだ!
みうらじゅんさんはそうですね!(笑) |
糸井 |
ただ、みうらじゅんのほうが、
もっと世知辛く働いてる(笑)。
あいつほんっとに、
身を粉にしてバカなことを考えてる。
男の子は、そういう時期があっても
いいと思うんですよ。
ただ、ま、こうやるんだよって
言ったのは俺だからね、
申し訳ないなと思うんですけど。 |
さくら |
たまたま、私もマンガ家なんだけど、
やってることがマンガの部分って、
そんなたくさんないんですよね。 |
糸井 |
あ、そっか。 |