オトナな会話(仮)
さくらももこ×糸井重里の対談です。

その19
欽ちゃんのめざす「天国」。

糸井 で、ももちゃんの
『神のちからっ子新聞』は
天国じゃないですか!
さくら これはね、天国なんですよ、もろ(笑)。
糸井 これね、よその人にね、
出版してくださいっていったら‥‥。
さくら 言えないですよね(笑)。ふつうは。
よく小学館がOKしてくれたと思うよ。
糸井 「じゃ、さくらさんのエッセイを
 活字でくっつけて、
 そっちを付録ってことにしましょう」
さくら そうなっちゃいますよね(笑)。
糸井 なっちゃいますよ。
さくら それはね。
糸井 いわゆる、
緩いっていわれるやつですよね。
さくら そうです。緩いっていわれるんですけど、
でもね、アイデア満載なんですよ、これ(笑)。
糸井 バカですよねぇ! 天国なんですよね。
さくら 天国なんですよ(笑)。
比べようもないんですよ、
今回やってることは。
糸井 絵もそうですよね。
絵もちがうんですよね。
さくら 絵もね。
字もね(笑)。
糸井 これが、僕が今、
一生懸命応援してる
欽ちゃん球団なんですよ。
あの、ま、野球詳しくないと思うけど。
さくら いや、まあまあ詳しいですよ。
糸井 そうですか?
勝つこと以外の価値っていうのが、
絶対あるはずなんですよ。
で、勝つための野球だけを
あんなに一生懸命やってきて、
お客が入んなかったわけですよね?
さくら うん。野球ばなれしてますよね。
糸井 で、としたら野球の面白さって
なんだろう? って考えて。
で、野球がやりたくてしょうがない人を
集めて野球をやるっていうことをやれば、
なんかなるかな、って思うのは、
みんな思うんですけど、
ふつう、それはそれで
維持費がいるじゃないですか。
さくら いりますよね。たくさんいります。
糸井 で、どうやって食ってくんだろう?
ってソロバン勘定が、
ある程度の目算があって
始めるものじゃないですか。
なくて始めたんですよ、あれ。
さくら 欽ちゃん?(笑)
糸井 面白そうだったら、
絶対スポンサーは来るっていうんですよ。
それでアシックスがついちゃったんですよ。
だからユニフォームとかなんかは、
ぜんぶアシックスが作ってくれる。
さくら すごいですね。
糸井 つまりね、みんな怖れてるようなことを、
始めちゃうと、ついてくるんです。
面白そうに一生懸命やってることから、
もうゲームは始まってるんですよ。
人が楽しみをつくるってことは
どういうことなのかっていうのは、
野球だけ掘り下げて考えてても答えは出ないし、
どうやって儲けるかっていうのは、
儲けることばっかり考えてても、
答えは出ないし。
欽ちゃんはそれをね、わかってたみたい。
さくら 欽ちゃん、すごいですねぇ!(笑)
糸井 いっぱい弟子がいるじゃないですか、
欽ちゃんの。あの弟子たちが
欽ちゃんを待ってるってことが
わかったんじゃないかな。
そして、テレビに出て番組の視聴率を
上げることだけが勝負じゃないっていうことを、
ほんっとにわかったんだと思う。
だから、野球チームが媒体だったんだよ。
で、そこに面白いことから何から、
ぜんぶのっけちゃえば。
欽ちゃんは劇場をつくりつつ
球場をつくるとかって、
俺、やってほしいんですよ。
試合が終わってから、
劇場に行けばいいじゃないですか。
さくら うんうん、そうですねぇ。
見たくなりますよね。
糸井 倍努力すれば、
誰だってお金払ってくれますよね。
そういうようなことを、
1コずつ実現してったら、
たぶんね、ある意味、
プロ野球の球団よりも、
人気出ると思う(笑)。
さくら すごい! 欽ちゃん、
トントン拍子ですね。すごい。
糸井 でも、ずっと、
誰も自分を必要としてないって、
本気で言ってたらしいの。
その時代にやることはないって、
言ってたらしい。
さくら へぇー。
糸井 もうひっくり返っちゃったんですよ、
ぜんぶが。
そんなことばっかりで、
やりたいことがあったら、
それに合わせて道具が進む、
やりたいことがあったら、
それで儲けたいって人がついてくる。
たとえばの話、選手ひとりずつに
スポンサーがついたら、
もう選手は食ってけるっていうわけ。
で、そのスポンサー料は、
30万円だっていうわけ。
だから、○山○男っていう選手に
さくらももこっていう
スポンサーがついたら、
さくらももこ・○山○男という選手として。
面白いだろう?
さくら おもしろい!
すごいね、欽ちゃん(笑)。
糸井 すごいだろ? で、誰も今、
儲かってないんですよ。
だけど、集まってはいるんです(笑)。
さくら ウチの会社でも参加できるよね(笑)。
糸井 できるでしょ? 今度、参加してくんない?
いや、何ができるか、でいいですよ。
さくら 何ができるかな(笑)。
糸井 つまり、何にもできないんだけど
これができるっていうのが
あるじゃないですか。
おむつカバーのデザインとか。
つまり、何でもあるんですよ。
やればいいんだから。
で、大変そうなことを
無理矢理やるんだったらよしたほうがいい。
金だけ出す人は出せばいいんですよ。
で、それね、これだけみんなに伝わってくと、
ほんとにできちゃうんですよ。
あ、今度1回、見に行こうよ。
欽ちゃん、見たいだろ?
さくら 欽ちゃん、見たい、見たい(笑)!

いよいよ明日が最終回!
話は欽ちゃんに向かいつつ、
楽しく収束していきますよ〜。
2005-06-02-THU
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