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そろそろ夏休みも終盤にさしかかり、 さみしさシーズンの足音が近づいて来ていますね。 やっぱり、いつもさみしいですか? みなさんからいただくメールに目を通していると、 どれもこれも詩を読んでいるような気分になります。
ポエム満載の「いつもさみしい問題」であります。 『いつもさみしい』にとんちんかんな、 O型のわたくしですが、 いただいたメールを ざっくり目分量で大別してご紹介する 『いつもさみしい』を知ろうシリーズその3は、 「『いつもさみしい』は、 さみしさを人に見せないように がんばっているほうが感じやすい。」です。 では、さっそくご紹介していきましょう。
どうですか、このややこしさ! いきなり精神的な複雑骨折みたいな ご意見でありますが、 好きな女の子には、 つい意地悪なちょっかいをしてしまう 小学生というような、 「ザ・人間の二面性」が見えてきますね。
シャツを裏返しに着ながらも、 これはお洒落で、わざとやってるんだけども、 だれもわかってくれやしない。 そんなさみしさが、ここにあるわけです。 さらには、 「他人の知らないもう一人のわたし」、 でも、そのさみしさは隠してるぜ、みたいな 武士並みの意気込みにもかかわらず、 あっけなく腰砕けになってしまうメールがありました。
はい、よかったと思います! また、さみしさを見せないようにするほど さみしいをメール上で 実践された方がいらしゃいました。
ぜひその「具体例」をお聞かせいただきたかった! 「私も、『いつもさみしかったのか?!』と 驚かれるタイプ」と、 はっきり自己認識をもたれているところが、 自分ブランド管理に たけていらっしゃる感じがします。 続いて、B型の方から、 血液型をもとにした分析メール。
世の中の血液型観を総まくりしつつ、 他者の期待にこたえようと 悶えるO型像を提示していただきました。 『いつもさみしい』は、 他人に対するサービス疲れなんでしょうかね。 次のメールは、 「さみしい」の自己表現をめぐるお悩みです。
そうですね。 『いつもさみしい』って、 素直に言っていいんだと思いますよ。 「『いつもさみしい』は、 さみしさを人に見せないように がんばっているほうが感じやすい。」 この傾向を、 わたくしが慣れ親しんでいる ビジネスシーンに置き換えて解説をするならば、 「さみしさを人に見せないように がんばっている」は、 マーケティング努力なわけです。 「さみしさ」を孤独感として、 人間が生活を送る上で 必要なコストとしますと、 そのコストを 消費者(というか他人)にわかられないように、 消費者の好感を上げ、 より消費者に選ばれる行いをするというのは、 まさにマーケティングであります。 で、規制緩和と自由化が進展して以来、 企業活動に対して問われるようになったのは、 顧客価値を上げること、 つまり、お客さんにとって、 どれだけ喜ばれるものを提供するかであって、 途中の流通的なしがらみへの配慮や 企業内論理の優先は、 すっかり流行らなくなってきました。 こういう企業のマーケティング文脈でいくと、 「人に見せないようにがんばっている」は、 顧客価値ではなく、 自己都合の価値となりがちです。 たとえば、広告宣伝費の多い企業というのが、 そのがんばりだけで 評価されるわけでないのに似ています。 がんばってるをがんばっても、 お客さんには拍手されず、 時代から取り残された企業になってしまうように、 「『いつもさみしい』は、 さみしさを人に見せないように がんばっているほうが感じやすい。」 のかもしれぬと考えてみたわけです。 また、「さみしさを見せないでおく」というのが、 コストや努力を表に出さないように見せつつ、 実は、さみしさを他者にわかって欲しいという 本音の裏返しの態度ような気もします。 これも、「オープン」という 大きな価値の流れに 今の企業が乗っていることを思えば、 はなから“いつもさみしい”を垂れ流すような、 透明性の高い「さみしい」アピールをするか、 または、『プロジェクトX』のように、 第3者の口から 「さみしい人」と紹介されたほうが、 その人の評判があがるのは、 さみしい業界でも同じかもしれません。 どうも、 「さみしさを人に見せないように がんばっている」は、 時代の逆風をまともに受けてる感じがするんです。 ということで、 もし、現在主流の企業活動のように、 『いつもさみしい』に対するならば、 他人に評価されるマーケティング努力をして さみしさを解消するか、 「さみしい」を素直に表明しつづけて 他人からかわいいと思ってもらうか、 第3者から 「実は、あの人、さみしいらしい」と PRしてもらって 仲間意識を持てる人を増やすか、でしょうか。 『いつもさみしい』は、 他人から認められたい 欲求のあらわれなんでしょうか。 |
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2004-08-24-TUE
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