「人の世に触れるがよい
お前がこれから向かう世界はな
人間でできている──」
父とふたり無人島で暮らしてきた少年・グンは、
父の遺言に従い、その遺体とともに小舟に揺られ、
とある島に漂着した。
父の言葉どおり、そこにはたくさんの人間がいた。
初めて見る世界に好奇心いっぱいのグンは、
一瞬にして海女の少女・岬に恋をする。
グンは「この島で暮らしていく」と決意するが、
島民から「不吉な兆し」と疎まれ、
なかなか受け入れてはもらえなかった。
どうやら島の大人たちには、
15年前、グンの父と住民とのあいだに起きた
“ある悲しい事件”の記憶が根深くあるらしく‥‥。
それでもグンは臆することなく島の人々にかかわり合い、
ひとり、またひとりと心の扉を開き、
徐々に島の人々と馴染んでいくようになる。
しかし、彼を忌み嫌う大人たちによって、
グンは島から追放されようとしていた──。
15年前に起きた“ある悲しい事件”とは何なのか?
グンが初めて抱いた、恋の行方は?
自然と人間の美しさを無垢な少年の瞳を通して描き出す、
真っ直ぐであたたかい青春ドラマ。
完結に向けての新展開が、
「ほぼ日刊イトイ新聞」上ではじまります。 |