今日の上役
総集編・その4

私の席の隣の
勤続おそらく20年ちょっとの
エリアマネージャー。
役職もちょっとあやしい感じですが、
上司もかなりあやしい感じです。
話をする時は絶対相手の目を見ません。
なぜか? 白目をむくからです。
そして毎朝の儀式は靴を磨く事。
毎朝机の下で大事に、丹念に、
リーガルの靴を磨いています。
それって光り過ぎ! っていうくらい、
靴はピカピカと光を放っています。
眩し過ぎるくらいの靴と、
寝癖頭がアンバランスだけど
私もあえて指摘しません。

上役との距離:席は隣、心は遠目

観察人
 (青森県八戸市・匿名のかた・32歳)



かっぷくのいい上役。
意外にも絶対音感を
お持ちなのだとか(?)。
近年、ご近所のピアノ教室に
通っているらしい。
けれど、発表目標の大忘年会が
今年はなしに。
若い女性の先生に真剣に教わる
大きな姿が想像できるだけに、
なんだか、やるせない。
でも、ピアノ教室通いは続いているらしく、
ちょっと安心。

上役との距離:
 WEB関係のみ頼られています?

観察人(東日本・じゃじゃ馬・甘ちゃん)



前いた会社の社長は、
お金に執着する人だった。
社員から報告をうける度、
「それ、もうかるんか?どや?」と言い、
経費削減のためと言って、
お茶の一杯も飲ませてもらえなかった。
でも、毎年年末になると
大きな買い物をする。
しかも、けっこうな額の賞与がでる。
鬼の目にも涙とはこのことだと
思っていたけれど、今気が付いた。
あんた、税金対策してたのね。

上役との距離:湯飲みぐらい

観察人(川崎・ルブラン・25歳)



スーパーの上司。
開店祭の時忙しすぎて
パニクってたのか、
冷蔵庫の扉を開けては
「 いらっしゃいませ〜〜!!」
という事が何度も。
‥‥誰がいるんだ、一体。

上役との距離:平安時代と平成くらい

観察人(みかんの産地・ぴゃ〜・28才)



前職の会社の社長は、
社員から相談話をきく時いつも、
「わかる」を連呼していました。

何を言っても
「わかるわかるわかる」。

話の途中に
「わかるわかるわかるわかる」。

終わってからも
「わかるわかるわかるわかるわかる」。

‥‥あんたに何がわかるんだよっ!

上役との距離:今わかった

観察人(函館・デンタル・29歳)



受付のところにクリスマス・ツリーを
飾りました。
いま、課長はいそいそと
願い事を書いていらっしゃいます。
完成するまで、
いえ、飾り付けるまで
つっこまないでいようと思います。
仕事はバリバリこなすのに、
思わぬところで天然ぶりを発揮する
愛すべき課長です。

上役との距離:七夕とクリスマスの間

観察人(山形・もえこ・28歳)



先日、社員旅行で西表島に
行った時のこと。
どう見てもカラスなのに、その鳥を
「これってヤンバルクイナ
 じゃないの???」
と言うお爺ちゃん上司。
あまりにも目をキラキラさせてたので、
「いえ、カ〜と鳴いているので
 カラスでしょう」とは言えませんでした。

上役との距離:くちばしくらい

観察人(福岡県・ぱーる・29才)



私の元上司は子供が
物心つく前に離婚して、
それ以来、女手一つで子供を
育てあげたシングルマザーです。
離婚した後も彼氏は常にいたらしく、
最近彼氏と別れたと聞いて
きっと落ち込んでいるだろうと
心配していたら、
お見合いパーティーで
一回り年下の彼氏をゲットした、
とのろけられた。負けた‥‥。

上役との距離:家族には内緒らしい

観察人(古都・アリス・三十路)



部長は10年ほど前、
中途採用で入ってきたヒトだ。
それは良いのだが、
芸能人が麻薬で逮捕、
というニュースにボソっと
「あんなもん、効かんのになあ」。

氷河でマンモスが発見されたという
ニュースに、やはりボソっと
「あれ、溶けてしまうと臭いんやで。
 鼻が折れるかと思うで」。

‥‥今までどういう人生
送ってきたのでしょうか?

上役との距離:謎のままでいいです

観察人(長崎・れい・30代)



ボスは、身長180センチを超え、
体重も百何十キロあるという
日本人なのですが、
よく日本語を間違えます。
先日も、近頃街で
いろいろ事件が起こり物騒だ、
という話をしていたら、

「こんなんじゃぁ、
 大の男でも よちよち 歩けないな」

上役との距離:見上げるくらい

観察人(東京都・おちおち・40歳)



3年前若くして奥様を亡くされた局長。
ある日の帰りにこんな話をしてくれた。

「こないだね、庭を片付けていたら
 10年位前に奥さんと
 キャッチボールしていたときの
 ボールが出てきたんだ。
 奥さんがラケットで打って、
 僕がグローブで受けるの。
 お墓にそなえて、
 奥さんと楽しかったねって話したよ」

子育てやら局長の単身赴任やらで
相当なストレスをためていた奥さんの
ストレス解消を手伝っていたそうです。

「いま自分がキャッチボールしたいときには
 相手はいなくなっちゃった。
 ボールを受けてくれる相手を探して
 大事にしなさいよ」

仕事でストレスをためている局長。
キャッチボールの相手になれなくって
すんません。
私もそんな相手を探します。

上役との距離:テニスと野球の差くらい

観察人(愛媛県・ありす)



前職の会社には
「心得」とつく役職がありました。
「係長心得」は係長の次にえらい人。
「課長心得」は係長よりえらいけど
課長よりは下。

でも呼ぶときは「心得」は
省略する決まりになっていたので
昇格が発表された直後というのは
渡部係長(心得)はいいけれども
新田係長(ほんもの)は
心持ち複雑な感じに
見えたものでした。

上役との距離:三歩進んで二歩下がる

観察人(宮城県・クリップ・33歳)



昼休みに課長が真剣な顔で
話しかけてきました。

「ねぇねぇ、年賀状に使う写真、
 これとこれだったら
 どっちがいいと思う?」

‥‥せっかく相談されたので
写真の入った年賀状をいただく側の
人間として選ばせていただきました。
申しわけありませんが
ご家族全員じゃなくて
かわいい赤ちゃんだけの写真に。

上役との距離:元旦まであと数日

観察人(埼玉県・アーモンド・28歳)



うちの上司は、
部下に対してよく小言を言うのですが、
なぜか、怒れば怒るほど、
敬語になります。
ふだん「おまえはダメだなー」とか
言ってるのに、怒るとなると、
「うん、そうですね。
 言ってることはわかりますよ。
 でも、それは違うじゃないですか。
 そうですよ。だってそうですよ。
 そのまえにやるべきでしょう?」
なんていうふうになって、
かえって怖いから不思議。

上役との距離:お茶をお出しするほど

観察人(東京都・あけがた・35歳)



藤井課長の
お得意さまへお使いに行くとき、
課長は必ず、先方の会社に行って、
担当の方がすぐわかるようにと
似顔絵を描いてくれるのですが、
これが、絶対に似ていない。
おぼえ間違いじゃないかと思うくらい、
痩せ型がぽっちゃりに、
しょうゆ系の顔がソース系に、
禿頭の方が密林になっています。
似顔絵を描きたいだけじゃないかと思う。

上役との距離:電車二駅分

観察人(岡山県・トースト・32歳)肩書きの話で思い出しました。
ある時、付き合いの長い会社に
組織変更があったことで
よく知っている方からも
新しい名刺をいただきました。
その名刺には“部長待遇”とあり、
“待遇”なんて肩書きがあることを
初めて知った私は、
上司を含め6〜7人がいたその場で
「部長待遇なんて肩書き
 初めて見ました〜、
 かっちょいいっすね〜」
と騒いでいました。
そこで上司がその場にいた全員に向かって
「うるさくてすみませんね、
 なにしろコイツの肩書きは
 “部長態度”なもんで」。

‥‥うひゃひゃひゃ、ウマイ。
って言ってる場合か!

上役との距離:本物の部長と部長態度ほど

観察人(N)うちの支店長はとにかく大食漢です。



食べる事への情熱はもう60歳なのに
育ち盛りの高校生並です!
今日も始業は9時だというのに
早々と7時半に出社して
コーヒーを沸かし
ポットのお湯を沸かし
お歳暮にいただいているお菓子を
全て開けて、ご丁寧に
缶の周りのシールまできれいに
はがしてありました。
配るまで待ちきれなかったようです。

上役との距離:お歳暮5個分

観察人(大阪府・ピグピグ・30歳)



私が銀座でOLをしていた頃、
同じ課に少々変わり者の男性がいました。
冬のボーナスの出たある土曜日、
いつもの人数の半分の人で
仕事をしていました。
すると、その方が
「ボーナスが出たから」と言って、
K屋のアンパンを
皆に買って来てくれたのです。
で、もらった一人がパンを割り
口に入れようとして
「何だ、栗餡か〜」といったところ、
ムキになり
「栗餡の方が高いんです!」
と言ったのでした。
ボーナスでアンパンを
ご馳走する感覚といい、
栗餡をけなされムキになることが
やはり、皆から違う意味で
一目置かれることとなっていたようです。

上役との距離:栗餡パン1個

観察人(東京都・いちゃもん・44歳)



保険会社の営業所で
事務員をしていた時のことです。
窓口に強面のお客様がみえ、
私は少しドキドキしながら
対応していました。
すると、所長が何気ないそぶりで
私のそばに来てうろうろしていたそうです。
私はまったくそのことに
気がつきませんでした。
お客様が帰ると同時に
所長も自分の席に戻ったそうで、
私は所長の行動を観察していた同僚から
この話を聞きました。
普段は何を考えているのか
分からない怖い所長でしたが、
思いがけない行動が
ちょっとうれしかったのを憶えています。

上役との距離:デスク1つぶん

観察人(m)



毎月月末に、
その月にお誕生日を迎えた人の
お祝い会をするウチの会社。
52歳になった上役が挨拶で
「As you like」と言ったのに、
誰も笑いませんでした。
私一人がウケたみたいで、
上役もちょっぴり嬉しそう。
そんなことも知らない他の人にも
ビビッたけど、知的な上役がいたことに、
「この会社も捨てたモンじゃない」
と安心できた出来事でした。

上役との距離:
 「ごじゅうに歳」だけに「ご自由に」

観察人(みゃう)



以前勤めていた会社の忘年会で
鍋料理を食らいに行きました。
その店は人気のない古い造りで、
個室壁からチューブでつながっている
コンロ鍋をかけるものでした。
よくよく見るとそのチューブには
ガムテープでツギアテがしてあったので
少々心配でした。
案の定、気が付けば異臭がします。
「ガス臭くありませんか?」と問えば
鼻の悪い上司は
「そうか?俺はわからないけど」
と言いながら
「火をつけてみりゃわかるじゃん」
とライターを取り出したのです。
その場で取り押さえ、
事なきを得ましたが少し遅れれば
このメールを送信
してはいなかったでしょう。

上役との距離:あぁ〜辞めてよかった。

観察人(徳左衛門)



大きな企業につとめている平社員です。
ある日、会社の取締役クラスの連中に
ランチに誘われました。
私は立ち上げられたばかりの
新しいプロジェクトのメンバーだったので、
その内容を知りたかったのかな、と
いまでは思うのですが、
誘われたときは正直ビビリました。
ハイヤーで向かったのは、
焼き肉屋さんでした。
私以外の5人は全員高級スーツを着た
小さくて白髪の初老人。
驚いたことに、全員
おい、いくらなんでも! というくらい
「生焼け」状態でどんどん食べるのです。
それ、ほぼ、生じゃん!
もうちょっとは焼けよ!
俺、ぜんぜん食えねえじゃん!
交わした会話は
「どうなの仕事は」
「はあ‥‥」くらい。
年を取っても肉を食うが、
びっくりするくらいせっかち、
現場のようすをひと言で察知する、
それが日本の会社の
トップクラスにいる人種なのだ、と
痛感いたしました。

上役との距離:煙の向こう

観察人(東京都・でぶりん・32歳)



会社のチーフ(男性)は
タバコとお酒が苦手で、
お菓子が大好き。
忘年会の店選びで、
カリスマパティシエが作る
一粒1,000円のチョコを
食べに行こうと 計画していた。
確かにつまみをつまんでお酒を飲むなんて、
当たり前すぎますが‥‥。
案の定、社長から却下されました。

上役との距離:会社から六本木ヒルズまで

観察人(千葉県・アッシュドショコラ)



24歳のとき勤めていた会社は
200人くらい社員がいました。
ある日、同期とわたしの女性2人が
本部長から焼き肉に誘われました。
本部長は50代半ばの男性で
部下からの信頼の厚い人でした。

焼き肉屋に着くなり、
「最近、女子はどう?」との質問が。
そのときは、
ざっくりした質問だなぁと
ちょっと笑ってしまったのですが
本部長はポケットマネーをはたいて
社内の雰囲気づくりに
努めていたんだと思います。

でも、入社2年目くらいの
わたしたちは、本部長の情報収集の
お役には立てなかったんですけど。

上役との距離:
 会社の壁から壁15mくらい

観察人(市ヶ谷・レタッチ・29歳)



なぜだかここのところ、
ファイルの背などに貼るための
「テプラ」にハマっている我が上司。

「ねぇねぇ、テプラいらない?
 テプラいらないー?」
と言いながら社内をウロウロ。
まるで「泣ぐ子はいねがー?」と聞く
なまはげのようです。

上役との距離:ファイル棚3つぶん

観察人(東京都・まぐ・33歳)



昔職場に、
「 社長」と呼ばれてる上司
(当時25才くらい)がいました。
もちろん社長ではありません。
遅刻が多く、
いわゆる“社長出勤”だからです。
でも本人は長い間
「 尊敬されてるからそう呼ばれてる」と
思っていたらしく、
事実を知った時
かなりショックを受けていました。
でも人気者だったので
社長出勤しても誰も文句は
言っていませんでした。

上役との距離:松茸の虫一匹分

観察人(柿の国・ぴゃ〜・38歳)



私はプロジェクトチームで
お仕事しているのですが、
他の方々は本来の業務との兼務のため、
プロジェクト室には
めったに来ることがありません。
私一人なのに2個の電話が
同時に鳴り出したりすることも時々あり、
たまにへこんでいます。

でも、先日、
プロジェクトチームの忘年会で
乾杯をしたときに
「誕生日おめでとう!!!」と
祝ってくれました
(2日後が私のバースデーなのを
 覚えていてくれたのです)。
しかも東京に出張していた主任たちが
「真っ赤なバラの花束」を
プレゼントしてくれたのです。
感激して、泣き出しそうでした。
渋谷で買って、山手線&新幹線で
持ち帰ってきた勇気にも感謝です。
しばらくは一人でも
がんばれそうな気がします。

上役との距離:真紅の薔薇10本分

観察人(るみ〜る)

BACK
戻る

ほぼ日刊イトイ新聞 - 今日の上役総集編

今日の上役
総集編・その4

私の席の隣の
勤続おそらく20年ちょっとの
エリアマネージャー。
役職もちょっとあやしい感じですが、
上司もかなりあやしい感じです。
話をする時は絶対相手の目を見ません。
なぜか? 白目をむくからです。
そして毎朝の儀式は靴を磨く事。
毎朝机の下で大事に、丹念に、
リーガルの靴を磨いています。
それって光り過ぎ! っていうくらい、
靴はピカピカと光を放っています。
眩し過ぎるくらいの靴と、
寝癖頭がアンバランスだけど
私もあえて指摘しません。

上役との距離:席は隣、心は遠目

観察人
 (青森県八戸市・匿名のかた・32歳)



かっぷくのいい上役。
意外にも絶対音感を
お持ちなのだとか(?)。
近年、ご近所のピアノ教室に
通っているらしい。
けれど、発表目標の大忘年会が
今年はなしに。
若い女性の先生に真剣に教わる
大きな姿が想像できるだけに、
なんだか、やるせない。
でも、ピアノ教室通いは続いているらしく、
ちょっと安心。

上役との距離:
 WEB関係のみ頼られています?

観察人(東日本・じゃじゃ馬・甘ちゃん)



前いた会社の社長は、
お金に執着する人だった。
社員から報告をうける度、
「それ、もうかるんか?どや?」と言い、
経費削減のためと言って、
お茶の一杯も飲ませてもらえなかった。
でも、毎年年末になると
大きな買い物をする。
しかも、けっこうな額の賞与がでる。
鬼の目にも涙とはこのことだと
思っていたけれど、今気が付いた。
あんた、税金対策してたのね。

上役との距離:湯飲みぐらい

観察人(川崎・ルブラン・25歳)



スーパーの上司。
開店祭の時忙しすぎて
パニクってたのか、
冷蔵庫の扉を開けては
「 いらっしゃいませ〜〜!!」
という事が何度も。
‥‥誰がいるんだ、一体。

上役との距離:平安時代と平成くらい

観察人(みかんの産地・ぴゃ〜・28才)



前職の会社の社長は、
社員から相談話をきく時いつも、
「わかる」を連呼していました。

何を言っても
「わかるわかるわかる」。

話の途中に
「わかるわかるわかるわかる」。

終わってからも
「わかるわかるわかるわかるわかる」。

‥‥あんたに何がわかるんだよっ!

上役との距離:今わかった

観察人(函館・デンタル・29歳)



受付のところにクリスマス・ツリーを
飾りました。
いま、課長はいそいそと
願い事を書いていらっしゃいます。
完成するまで、
いえ、飾り付けるまで
つっこまないでいようと思います。
仕事はバリバリこなすのに、
思わぬところで天然ぶりを発揮する
愛すべき課長です。

上役との距離:七夕とクリスマスの間

観察人(山形・もえこ・28歳)



先日、社員旅行で西表島に
行った時のこと。
どう見てもカラスなのに、その鳥を
「これってヤンバルクイナ
 じゃないの???」
と言うお爺ちゃん上司。
あまりにも目をキラキラさせてたので、
「いえ、カ〜と鳴いているので
 カラスでしょう」とは言えませんでした。

上役との距離:くちばしくらい

観察人(福岡県・ぱーる・29才)



私の元上司は子供が
物心つく前に離婚して、
それ以来、女手一つで子供を
育てあげたシングルマザーです。
離婚した後も彼氏は常にいたらしく、
最近彼氏と別れたと聞いて
きっと落ち込んでいるだろうと
心配していたら、
お見合いパーティーで
一回り年下の彼氏をゲットした、
とのろけられた。負けた‥‥。

上役との距離:家族には内緒らしい

観察人(古都・アリス・三十路)



部長は10年ほど前、
中途採用で入ってきたヒトだ。
それは良いのだが、
芸能人が麻薬で逮捕、
というニュースにボソっと
「あんなもん、効かんのになあ」。

氷河でマンモスが発見されたという
ニュースに、やはりボソっと
「あれ、溶けてしまうと臭いんやで。
 鼻が折れるかと思うで」。

‥‥今までどういう人生
送ってきたのでしょうか?

上役との距離:謎のままでいいです

観察人(長崎・れい・30代)



ボスは、身長180センチを超え、
体重も百何十キロあるという
日本人なのですが、
よく日本語を間違えます。
先日も、近頃街で
いろいろ事件が起こり物騒だ、
という話をしていたら、

「こんなんじゃぁ、
 大の男でも よちよち 歩けないな」

上役との距離:見上げるくらい

観察人(東京都・おちおち・40歳)



3年前若くして奥様を亡くされた局長。
ある日の帰りにこんな話をしてくれた。

「こないだね、庭を片付けていたら
 10年位前に奥さんと
 キャッチボールしていたときの
 ボールが出てきたんだ。
 奥さんがラケットで打って、
 僕がグローブで受けるの。
 お墓にそなえて、
 奥さんと楽しかったねって話したよ」

子育てやら局長の単身赴任やらで
相当なストレスをためていた奥さんの
ストレス解消を手伝っていたそうです。

「いま自分がキャッチボールしたいときには
 相手はいなくなっちゃった。
 ボールを受けてくれる相手を探して
 大事にしなさいよ」

仕事でストレスをためている局長。
キャッチボールの相手になれなくって
すんません。
私もそんな相手を探します。

上役との距離:テニスと野球の差くらい

観察人(愛媛県・ありす)



前職の会社には
「心得」とつく役職がありました。
「係長心得」は係長の次にえらい人。
「課長心得」は係長よりえらいけど
課長よりは下。

でも呼ぶときは「心得」は
省略する決まりになっていたので
昇格が発表された直後というのは
渡部係長(心得)はいいけれども
新田係長(ほんもの)は
心持ち複雑な感じに
見えたものでした。

上役との距離:三歩進んで二歩下がる

観察人(宮城県・クリップ・33歳)



昼休みに課長が真剣な顔で
話しかけてきました。

「ねぇねぇ、年賀状に使う写真、
 これとこれだったら
 どっちがいいと思う?」

‥‥せっかく相談されたので
写真の入った年賀状をいただく側の
人間として選ばせていただきました。
申しわけありませんが
ご家族全員じゃなくて
かわいい赤ちゃんだけの写真に。

上役との距離:元旦まであと数日

観察人(埼玉県・アーモンド・28歳)



うちの上司は、
部下に対してよく小言を言うのですが、
なぜか、怒れば怒るほど、
敬語になります。
ふだん「おまえはダメだなー」とか
言ってるのに、怒るとなると、
「うん、そうですね。
 言ってることはわかりますよ。
 でも、それは違うじゃないですか。
 そうですよ。だってそうですよ。
 そのまえにやるべきでしょう?」
なんていうふうになって、
かえって怖いから不思議。

上役との距離:お茶をお出しするほど

観察人(東京都・あけがた・35歳)



藤井課長の
お得意さまへお使いに行くとき、
課長は必ず、先方の会社に行って、
担当の方がすぐわかるようにと
似顔絵を描いてくれるのですが、
これが、絶対に似ていない。
おぼえ間違いじゃないかと思うくらい、
痩せ型がぽっちゃりに、
しょうゆ系の顔がソース系に、
禿頭の方が密林になっています。
似顔絵を描きたいだけじゃないかと思う。

上役との距離:電車二駅分

観察人(岡山県・トースト・32歳)肩書きの話で思い出しました。
ある時、付き合いの長い会社に
組織変更があったことで
よく知っている方からも
新しい名刺をいただきました。
その名刺には“部長待遇”とあり、
“待遇”なんて肩書きがあることを
初めて知った私は、
上司を含め6〜7人がいたその場で
「部長待遇なんて肩書き
 初めて見ました〜、
 かっちょいいっすね〜」
と騒いでいました。
そこで上司がその場にいた全員に向かって
「うるさくてすみませんね、
 なにしろコイツの肩書きは
 “部長態度”なもんで」。

‥‥うひゃひゃひゃ、ウマイ。
って言ってる場合か!

上役との距離:本物の部長と部長態度ほど

観察人(N)



うちの支店長はとにかく大食漢です。
食べる事への情熱はもう60歳なのに
育ち盛りの高校生並です!
今日も始業は9時だというのに
早々と7時半に出社して
コーヒーを沸かし
ポットのお湯を沸かし
お歳暮にいただいているお菓子を
全て開けて、ご丁寧に
缶の周りのシールまできれいに
はがしてありました。
配るまで待ちきれなかったようです。

上役との距離:お歳暮5個分

観察人(大阪府・ピグピグ・30歳)



私が銀座でOLをしていた頃、
同じ課に少々変わり者の男性がいました。
冬のボーナスの出たある土曜日、
いつもの人数の半分の人で
仕事をしていました。
すると、その方が
「ボーナスが出たから」と言って、
K屋のアンパンを
皆に買って来てくれたのです。
で、もらった一人がパンを割り
口に入れようとして
「何だ、栗餡か〜」といったところ、
ムキになり
「栗餡の方が高いんです!」
と言ったのでした。
ボーナスでアンパンを
ご馳走する感覚といい、
栗餡をけなされムキになることが
やはり、皆から違う意味で
一目置かれることとなっていたようです。

上役との距離:栗餡パン1個

観察人(東京都・いちゃもん・44歳)



保険会社の営業所で
事務員をしていた時のことです。
窓口に強面のお客様がみえ、
私は少しドキドキしながら
対応していました。
すると、所長が何気ないそぶりで
私のそばに来てうろうろしていたそうです。
私はまったくそのことに
気がつきませんでした。
お客様が帰ると同時に
所長も自分の席に戻ったそうで、
私は所長の行動を観察していた同僚から
この話を聞きました。
普段は何を考えているのか
分からない怖い所長でしたが、
思いがけない行動が
ちょっとうれしかったのを憶えています。

上役との距離:デスク1つぶん

観察人(m)



毎月月末に、
その月にお誕生日を迎えた人の
お祝い会をするウチの会社。
52歳になった上役が挨拶で
「As you like」と言ったのに、
誰も笑いませんでした。
私一人がウケたみたいで、
上役もちょっぴり嬉しそう。
そんなことも知らない他の人にも
ビビッたけど、知的な上役がいたことに、
「この会社も捨てたモンじゃない」
と安心できた出来事でした。

上役との距離:
 「ごじゅうに歳」だけに「ご自由に」

観察人(みゃう)



以前勤めていた会社の忘年会で
鍋料理を食らいに行きました。
その店は人気のない古い造りで、
個室壁からチューブでつながっている
コンロ鍋をかけるものでした。
よくよく見るとそのチューブには
ガムテープでツギアテがしてあったので
少々心配でした。
案の定、気が付けば異臭がします。
「ガス臭くありませんか?」と問えば
鼻の悪い上司は
「そうか?俺はわからないけど」
と言いながら
「火をつけてみりゃわかるじゃん」
とライターを取り出したのです。
その場で取り押さえ、
事なきを得ましたが少し遅れれば
このメールを送信
してはいなかったでしょう。

上役との距離:あぁ〜辞めてよかった。

観察人(徳左衛門)



大きな企業につとめている平社員です。
ある日、会社の取締役クラスの連中に
ランチに誘われました。
私は立ち上げられたばかりの
新しいプロジェクトのメンバーだったので、
その内容を知りたかったのかな、と
いまでは思うのですが、
誘われたときは正直ビビリました。
ハイヤーで向かったのは、
焼き肉屋さんでした。
私以外の5人は全員高級スーツを着た
小さくて白髪の初老人。
驚いたことに、全員
おい、いくらなんでも! というくらい
「生焼け」状態でどんどん食べるのです。
それ、ほぼ、生じゃん!
もうちょっとは焼けよ!
俺、ぜんぜん食えねえじゃん!
交わした会話は
「どうなの仕事は」
「はあ‥‥」くらい。
年を取っても肉を食うが、
びっくりするくらいせっかち、
現場のようすをひと言で察知する、
それが日本の会社の
トップクラスにいる人種なのだ、と
痛感いたしました。

上役との距離:煙の向こう

観察人(東京都・でぶりん・32歳)



会社のチーフ(男性)は
タバコとお酒が苦手で、
お菓子が大好き。
忘年会の店選びで、
カリスマパティシエが作る
一粒1,000円のチョコを
食べに行こうと計画していた。
確かにつまみをつまんでお酒を飲むなんて、
当たり前すぎますが‥‥。
案の定、社長から却下されました。

上役との距離:会社から六本木ヒルズまで

観察人(千葉県・アッシュドショコラ)



24歳のとき勤めていた会社は
200人くらい社員がいました。
ある日、同期とわたしの女性2人が
本部長から焼き肉に誘われました。
本部長は50代半ばの男性で
部下からの信頼の厚い人でした。

焼き肉屋に着くなり、
「最近、女子はどう?」との質問が。
そのときは、
ざっくりした質問だなぁと
ちょっと笑ってしまったのですが
本部長はポケットマネーをはたいて
社内の雰囲気づくりに
努めていたんだと思います。

でも、入社2年目くらいの
わたしたちは、本部長の情報収集の
お役には立てなかったんですけど。

上役との距離:
 会社の壁から壁15mくらい

観察人(市ヶ谷・レタッチ・29歳)



なぜだかここのところ、
ファイルの背などに貼るための
「テプラ」にハマっている我が上司。

「ねぇねぇ、テプラいらない?
 テプラいらないー?」
と言いながら社内をウロウロ。
まるで「泣ぐ子はいねがー?」と聞く
なまはげのようです。

上役との距離:ファイル棚3つぶん

観察人(東京都・まぐ・33歳)



昔職場に、
「社長」と呼ばれてる上司
(当時25才くらい)がいました。
もちろん社長ではありません。
遅刻が多く、
いわゆる“社長出勤”だからです。
でも本人は長い間
「 尊敬されてるからそう呼ばれてる」と
思っていたらしく、
事実を知った時
かなりショックを受けていました。
でも人気者だったので
社長出勤しても誰も文句は
言っていませんでした。

上役との距離:松茸の虫一匹分

観察人(柿の国・ぴゃ〜・38歳)



私はプロジェクトチームで
お仕事しているのですが、
他の方々は本来の業務との兼務のため、
プロジェクト室には
めったに来ることがありません。
私一人なのに2個の電話が
同時に鳴り出したりすることも時々あり、
たまにへこんでいます。

でも、先日、
プロジェクトチームの忘年会で
乾杯をしたときに
「誕生日おめでとう!!!」と
祝ってくれました
(2日後が私のバースデーなのを
 覚えていてくれたのです)。
しかも東京に出張していた主任たちが
「真っ赤なバラの花束」を
プレゼントしてくれたのです。
感激して、泣き出しそうでした。
渋谷で買って、山手線&新幹線で
持ち帰ってきた勇気にも感謝です。
しばらくは一人でも
がんばれそうな気がします。

上役との距離:真紅の薔薇10本分

観察人(るみ〜る)

BACK
戻る