今日のセンセイ
総集編・その5

センセイから届いた年賀状には
「あけおめ〜」とあった。
母が心配するといけないと思い、
思わず引き出しに隠しました。

センセイとの距離: 近づいては、いない

観察人(東京・ぽっぽ・16歳)



高校の物理の力(リキ)先生。
物理室の掃除の時
必ずチェックされるのが
机の拭き方。
「雑巾は机の一辺を拭いたら
 必ず拭いた面を変える事。
 同じ面で拭いたら
 ほこりを移動させるだけで
 掃除したことにならない」
と、その頃はうるさいな〜と
思っていましたが
20年たって
会社の会議テーブルを拭くたびにも
「一辺に一面、一辺に一面」と
右から左に雑巾を
ひっくり返して拭いています。

センセイとの距離: 雑巾の裏表

観察人(新潟市・めえめえ))



中学時代の英語の先生
(男・当時20代)の話。
「英語圏の人の名前は、
 聞いただけで性別がわかります。
 最後が『オ』段なら男性、
 『ア』段なら女性です。
 たとえばベロは男の子で
 そのお母さんがベラですから
 わかりやすいですね」
べつに男性の例がロバートで
女性の例がリンダでも良いものを
わざわざ妖怪人間を
例に持ってきた先生。
思わず友人と顔を見合わせて
苦笑したのをよく覚えています。

センセイとの距離: 近かったように思う

観察人(酢天狗)



私は小学校5年生の時、
家庭の事情で
家族と離れ離れに住んでいました。
その時1年間だけ通っていた
小学校のY先生が
贈ってくださった言葉が
今でも胸に残っていて、
今もあの時も、
その言葉にすごく勇気付けられました。

5年生の終わりに、
海外に行くことになった私に、
家の事情を知っているY先生が、
色々なことで精神的に
不安定になっている私を
心配してくださり、
「きっといろいろな困難が
 あなたを待っていると思うけど、
 あなたは強い人だから
 きっと乗り越えられるわよ。
 向こうでも頑張って、
 国際人になってくださいね」
と、声をかけてくれました。
私はその言葉にとても勇気付けられ、
このおかげで今の私がいます。
今は学校を
変えてしまったということですが、
またいつか会えたらいいなぁ。

センセイとの距離: 千葉県と香港

観察人(香港・heather・16歳)



小学校3〜4年のころの担任です。
ヘビースモーカーでいらっしゃった
その先生は、
ちょっとした合間にも、
煙草に火をつけ、プカ〜。

それはそれはおいしそうに、
一服なさっていたものです。

そのセンセイ、
灰皿などはお持ちではなく、
ですが教師です。
灰や吸殻のポイ捨てなんてことは、
決してなさいません。

では、一体どうしていたか?

観察したところ、
軽くすぼめた手のひらの中に、
ぽんぽんと灰を落としているのです。
時にはその中で、
煙草をじゅっと消したり。

思わず、「熱くないんですか?」と
尋ねる私に先生は、
「先生、年だし、
 手の皮を鍛えているからね」
と、さらりとお答えになって。
なんだかよく分からないけど、
そこにオトナの強さというか、
畏怖に似た感情を持った
記憶があります。

校舎内を禁煙にする学校が
出てくるなど、
子どもへの配慮が
過剰気味の昨今ですが、

子どもはちゃんと先生を見極め、
毅然とした先生には一目置くし、
尊敬の念を抱くと思います。

オトナはオトナ、
コドモはコドモって、
ちゃんとわきまえるし、
コドモって、
そんなにバカじゃないと思うんですよね。

どこかのんびりした昭和の空気、
そして、
「センセイって、すっごいなー」
って思えたあのころが、
時々とても懐かしくなります。

センセイとの距離: シガレット1本分

観察人(イナオ)



今日は冬休み最後、明日は始業式です。
N先生が職員会議を終えて一言、
忙しいなぁ‥‥とつぶやき、
おもむろに去年行った札幌の地図を広げ
思い出話を語った後、
「今日は引き上げなくては!
 ウサギの爪を切りに行かなくては!」と
帰宅されました。
午後三時過ぎのことでありました。
彼はほんとうにいろんなことで
いつも忙しいのです。

センセイとの距離: 学校とご自宅

観察人(ももんがーZ)



まだテストやお知らせの「プリント」を
センセイが手書きしていた時代の話です。
小学校のときの担任の先生、
プリントやノートに書く字は
とてもきれいなのに、
なぜか、黒板に書く字は
別人のように読みにいのです。
はっきり言うと、悪筆。

当然、クラスメイトの親たちは、
先生のきれいなほうの字しか
見たことがなかったもので、
授業参観のとき
小さな混乱を引き起こしていました 。

センセイとの距離: 達筆と悪筆の差

観察人(さいたま市・パキラ・34歳)



寒くなると思い出します。
わたしが通った高校は、
べつに体育会系に
力を入れているわけでもないのに
マラソン大会だけはやたら熱心でした。
当日、病欠するなら
医師の診断書を提出せねばならず、
そこまでして当日逃げたとしても
後日「予備日」がもうけられます。
そして、その日も休むなら診断書がいる。
んでもって後日、もう一回予備日の予備日。

仮病などあきらめて
いちばん人数の多い「大会」の日に
走ってしまうのが得策、ということを
心得るのに時間はかかりませんでした。
ちなみに高2のマラソン大会は
みぞれまじりの極寒の日でしたが、
ジャージを着ることすら
許されませんでした。
先生たちの目的はなんだったのでしょう。

センセイとの距離:
  男子9キロ! 女子7キロ!



教師になって初めてクラスを任された
中3の時の担任は、高校受験を前に、
当の生徒たちよりびびってしまい、
「具合が悪い」とひとこと言えば
その場で自宅に帰してくれていました。

先生、はたから見たら
まるで学級閉鎖だよ。

センセイとの距離:卒業式ではひとり号泣

観察人(横浜市・みらい・28歳)



学校の先生じゃなくてお医者さんの話です。
母が風邪をひいて耳鼻科に行ったら
平日だというのにすごく混んでいて、
ちょっと申しわけなくなった母が
(そんなふうに思う必要はないんですけど)
先生に
「ただの風邪だと思うんですけど」と
遠慮ぎみに言ったら、
先生、目をギラリと光らせて
「風邪かどうかは、わたしが決めます」
と言い切ったそうです。

そ、そういうもんなの? と思いつつ、
おとなしく診察してもらった母、
下された診断は、やはり「風邪」でした。

センセイとの距離:のみ薬4日ぶん

観察人(東京の西のほう・たま・24歳)



幼稚園の頃から
親の都合で転校が多かった私。
海外で1年半程を過ごし、
小学校2年生で日本へ戻ってきた。
その時の担任の先生です。
見かけはムツゴロウさんに似ていて、
とても穏やかな先生でした。
決して怒らず、
生徒1人1人のちょっとした疑問や
好奇心にどこまででも
同じ目線でついてきてくれる
素敵な方でした。
例えば生徒が授業中に
窓の外の工事現場をジーっと見ていると
先生は全員で工事現場まで行って、
色々な話をしてくれたりしました。
ちゃんと宿題もあって、
工事現場に関する詩を1つ書いてくること!
など、
今思えば手のかかる年齢の子供達を
よく腹も立てずに辛抱強く見守れたなあ、
と驚いてしまいます。
残念ながらその学校を
1年半で転校してしまったのですが、
その後でも
クラスの文集を送って下さったり、
転校先まで会いに来て下さったり、と
とても嬉しかったことを憶えています。
ちなみに最近両親から聞いて知ったのですが
両親は、私がイジメられないか心配して、
密かに学校側に
一番良い先生のクラスにして下さい! と
頼んでいたそうです。
それで納得。クラスにハーフや
ちょっと問題のある子が多かった理由。
でも学校生活の中で1番、
楽しい1年半だったなあ。

センセイとの距離:1番の思い出

観察人(t)



短大の時に教わった助教授は
実年齢(未公表だったけれど)より
かなり若く見える。
超難関大卒で
今は某国立女子大に勤務するそうな。
とある和歌が由来の
珍しくも由緒正しい名前や、
ぽわぁぁぁっとしたその雰囲気通り、
筋金入りの箱入り娘らしい。
ただ、その箱入り具合が
半端ではなかったため、
先生が大学時代に付けられたあだ名は
「金庫ちゃん」。
‥‥そのネーミングセンスに、
聞いた瞬間、先生のご学友に
拍手したくなった。

センセイとの距離:そういう私も金庫ちゃん

観察人
(中部地方・じゃっしぃ〜・23歳)



高校受験のときに、
ガムを噛みながら勉強している私に、
個人塾の先生が
一喝してくれた言葉が、
「頭に血を巡らせろ。
 人間は、食いながらだと
 腹に血がいってしまう。
 そして男は、興奮すれば
 下腹部に血がいき、ち○こがたつ!!」
と言われました。
‥‥めでたく高校には合格できました。
しかし、
後の発言は何の意味もないのでは‥‥。

センセイとの距離:ガム1枚ぶん

観察人
 (佐倉市・スマートショット・16歳)



高校時代の担任の先生は、
3年間毎日帰りのホームルームで、
説教が日課となっていました。
女の子だけのクラスだったので、
先生も大変だったのでしょう、
軽くて1時間‥‥。
それが、毎日‥‥。
「よく、話すことがあるんものだ」
と思っていた私。
けど、ためになることも
沢山話してくれる先生でした。 
恋愛に関しても、沢山説教されました。
「女は、先に惚れるより惚れられろ!」
なんて‥‥。
その、先生は定年を前にして
亡くなられてしまったのですが、
この言葉が本当のものなんだと今思います。
今年の秋に、花嫁になる私、
この言葉があってこそ
大切な人とめぐり会えたような気がします。
先生、ありがとう!!

センセイとの距離:説教の時間

観察人(雪んこ・25歳)



短大で教わった助教授は
筋金入りの超箱入り娘、
通称「金庫ちゃん」。
先生の専門は日本文化で、
歌舞伎役者について熱く語るその瞳、
その姿はアイドルに黄色い声援を送る
十代のファンと一緒。
そんなほわーっとしていて、
純粋で、かわいらしい先生の
授業を受けることになった私たち。

ウキウキして初めての授業を
待っていた私たちに
この授業の研究テーマが発表された。
「江戸時代の遊女文化について」
‥‥人って結構奥深い、
この時心底思い知った。

センセイとの距離:
  前から数えて10列目くらい

観察人
(中部地方・じゃっしぃ〜・23歳)



うちの先生(ドクター)は
この時期、高熱で苦しむ患者さんが来ると
「風邪ですかねえ?
 インフルエンザですかねえ?
 どちらだと思います??」
と患者さんに向かって聞いてます。

それを判断するのがあんたの仕事でしょ!
といつも心の中で突っ込んでいます。

センセイとの距離:
  風邪とインフルエンザの差

観察人(静岡県・みほ・26歳)



小学校低学年を受け持つ女先生、
音楽が好きで子供たちにお腹から声をだして
皆に聞こえるように歌いなさいと
教えていたので
音程などそっちのけで楽しく歌う。
盛り上がると机の上に上がって
歌いだす子までいる。
授業参観でお決まりの参観を
早めに切り上げ、
いっせいに子供たちが
後ろの保護者の方に向き
そんな感じで歌いだした時は感激した。
参観したといっても、
いつも子供の後姿を見ているので
先生の演出は心にくい。
この先生、学年末のお別れの時に
全員の子供に
○○ちゃんは良い子です。
と書いたものを渡した。
扱いにくい子達もいただろうに‥‥。
子供はどんな子も本来良い子なんだ!
と感じる事件が多いので思い出しました。

センセイとの距離:教室の前とうしろ

観察人(三重県・M)



授業中の教室に突然響き渡る
携帯電話の着信音。
「誰や! 授業中に
 ピロピロ鳴らしとんのは!」
 生徒たちが冷や汗をかきながら、
ポケットや鞄に手を伸ばしたそのとき。
一番前に座っていた男子が恐る恐る、
「先生、それ‥‥」
 と指差した先には、
教卓の上で震えながら
電子音を発するブツが‥‥。
「あ、俺か。ちょっと失礼。
 もしもしー、ああ毎度!
 今授業してるんで後で掛け直すわ」
 あっけにとられながらも、
ちょっと大人っていいなと
思った瞬間でした。

センセイとの距離:大人への階段5段ぶん

観察人(練馬区・けい・21歳)



高校の世界史の時間。
宗教改革の時、
先生はイギリスのヘンリー八世について、
ぼろくそにけなしておられました。
私、その教会に通ってるんだけど‥‥。

その先生、私が短大の入試のあとに
学校へ行って
「先生、全然できませんでした」
と言うと、
「うん、まあお前はそうだろう」
と、はっきりと言ってくれた。
確かに世界史は赤点だったけどさあ。

センセイとの距離:近からず

観察人(盛岡市・そま・35歳)



小柄でとってもかわいらしい
ドイツ語のセンセイは、
お昼休み明けの授業で
モーツアルトとブラームスの
子守歌のCDを何度も流していました。
案の定、お腹いっぱいの生徒は
全員夢の中。
先生、いくら授業で
その歌詞を訳しているからって、
そんなことされたら
起きていられませんよ‥‥。

センセイとの距離: 眠りの国まで

観察人(墨田区・ちびっこ1号)



私のドクターはご高齢です。
血圧を測ったとき、
聴診器を何度も当てて、
空気もプカプカやって
「アレ〜、脈がないよ〜」と言われて
びっくりしました。

センセイとの距離: 生きてますってば!

観察人(栃木県・れいこ)



もう10年以上も前の話ですが、
受験シーズンになると
いつも思い出す話があります。
当時中学三年生に
なったばかりの私達は、
まだまだ「受験」というものに
実感が湧かないでいました。
ある日、学年集会というものがあり、
視聴覚室に三年生が全員集められて、
学年主任が、
「受験とはなにか」について、
真剣に語ってくれました。
学年主任は、みんなに
「受験というのは、イスとりゲームだ。
 受験の大切さに早く気づいて
 行動を起こした者にのみ
 イスは与えられる」
というお話をしてくださいました。
でも、私はなんだか共感できず、
漠然とした反抗心を持ったまま
学年集会が終わるのを待ちました。
学年集会のあとは、
各クラスでいつものように帰りのHR。
そこで、学年集会の間は、
一言も喋らず寡黙に
口を結んでいた私の担任が、
先程の学年集会について
語りはじめました。
「俺は、受験は
 イスとりゲームなんかじゃないと思う。
 イスは、全員の分、ちゃんとあるんだ。
 ただ、霧がかかっていて
 よく見えないだけだ。
 霧を払うのは、自分たちだぞ。
 でも、あせるな。がんばれ」
いつもHRでは騒がしい子供達が、
みんな一様に感動をおぼえたような
空気になりました。
担任はまだ若く
(たしか30歳くらい)、
学年主任が胸を張って
話したことについて
生徒に「違う」と言うのは
さぞかし勇気がいることだったでしょう。

センセイとの距離:
  今でも思い出すとじわーっときます

観察人(peco)



中学のときの社会の先生。
授業中、大河ドラマは
歴史の勉強になるので
ぜひ見るようにと薦めていました。
次の週、ラブシーンがあり
先生の推薦は取り消されました。
先生、これは中学生に
見せてはいかん!
と慌てたんでしょうね。

センセイとの距離:ラブシーン3分間

観察人(千葉県・mm)



大雪や台風で休校になったという
ニュースを聞くと思い出す。
進学校だった高校の
ちょっと他とは違う日本史の先生。
夏休みの早朝特別授業、
台風接近中なのに休校
(もともと休みなんだけど)にならない。
みんなしぶしぶ
その日の日本史のテストを
受ける準備をしてました。
その先生はそそくさと
テスト用紙を配って
「君達には申し訳ないが、
 ぼくはここで帰ります。
 早く帰って家族を
 守らなくちゃいけん。
 あとで採点、ちゃんとするからね。
 みんな気をつけてね」
と言い残して風のように
去って行きました。
あまりの速さに
みんなあっけにとられてましたが、
誰ひとり文句はいいませんでした。
その先生は、他にも
「子どものラジオ体操の当番が
 回ってくるから僕がいかないと。
 カードに判子をおしてあげるんだ」
と言って自習にしていました。
色んな先生がいたけど、
1番信頼できる大人だなと思いました。
かっこいい!

センセイとの距離:自分もこうなりたい

観察人(n)



高校教師の友人のことです。
三十代から髪が薄く、
五十代の今はもうほとんど全滅。
当然う〜んと年長に見えます。
彼が携帯電話を買いに行ったら
年輩者向けの 操作が簡単なのを薦められ、
「悔しいから最新型を買った」そうです。
でも、番号登録すらままならず、
買ってひと月もたつのに
まだ電話を受けるだけ。
「メールちゃなんや?
 (メールとは何だ)」
‥‥それで生徒にバカに
されないのかなぁと他人事ながら心配。

センセイとの距離:見た目とのギャップぶん

観察人(福岡県・nanamama・58歳)



中学の歴史の先生。
富国強兵を書くところで毎回
「『富国恭平』‥‥。
 あっ、間違えた!」
と、ニヤニヤして
僕を見ていました。

センセイとの距離:戦国時代まで

観察人(山梨県・きょうへい・19 歳)



高3生は受験のため
三学期は授業がなく
今日が最後の英語の授業でした。
しかし教科書も終わってしまい
やることがなかったのか
先生が持ってきたのは
「ハングル語講座」のプリント。
最後の授業は
みんなでチョナンカンごっこでした。

センセイとの距離:
  サランヘヨ(愛してる)一言分

観察人(東京都・peko・18歳)

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