少年時代、スパゲッティといえば
ナポリタンかミートソースだった。
麺は必ず油で炒められており、
アルデンテという概念は存在しなかった。
それはそれで今でも好きな味だ。

初めて自分で作ったスパゲッティは、
椎名誠氏のエッセイに出てきた
「マヨネーズと醤油かけ」だったと思う。
試したことがある人も多いのではないだろうか。
うまいよねあれ。
そして料理本か料理番組で知って作ってみたのが
「スパゲッティ アーリオ オーリオ ペペロンチーノ」
だった。

一人暮らしを始めたばかりの自分が、
高価なオリーブオイルを買ったとは思えない。
サラダ油で作ったんだと思う。
それでも
「油とニンニクとトウガラシと塩だけで、
 こんなにうまくなるのか!」
と感動した。
マヨネーズ醤油もそうだけど
「スパゲッティって、炒めなくてもいいんだ!
 ゆでてすぐ食べていいんだ!」
という目からうろこが落ちるような思いがあった。

【材料】
・スパゲッティ
・ニンニク、トウガラシ
・干し大根葉
・オリーブオイル

大根の葉っぱは熊本産の乾物。栄養を考えて入れたのだが、
ペペロン味のじゃまをせず悪くない。
ラーメン丼で食べたい気分だったので、
パスタのゆで汁は200ccぐらい入れてみた。
なんのダシも入っていない塩湯だが、
ニンニクの味がうつったオイルとまざると本当においしい。
白ワインがなかったので酒を、
あと醤油小僧なので醤油をごく少量たらす。

乾燥バジル、胡椒、粉チーズをかけて割り箸で食べた。
ほとんど精進料理みたいなものなのに、
名店のラーメンを食べたあとのような深い満足感があった。
ペペロンチーノはもう皿とフォークでは
食べないことにしたい。

2008-12-19-FRI
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