『天ぷらにソースをかけますか?
 ニッポン食文化の境界線』
(新潮文庫)
という本がおもしろかった。
西日本では天ぷらをソースで食べる、
あるいはかつて食べた、という記述には本当におどろいた。

西日本在住・出身の友人知人に聞いてみると
「昔は食べた」「今もイモ天にはソース」
などなどの証言が続々と。
「実は宇宙人だったんだ」と言われたような気がした。

もっとも衝撃を受けたのは、長野出身の伊藤理佐の
「子供のころは確かにソース」という告白。
こんな身近にソース天ぷらの手の者が!
「でもたぶん近所ではうちだけ」ということであり、
そうか、伊藤のお母さんは九州出身である。

さっそくスーパーでイモ天などを買ってきて、
ソースで食べてみた。
なるほど、合わないわけはない。
大阪の「ソース二度づけ禁止」の店の串揚げに
近いものも感じられ、おもしろいのだった。
が、食べているうちにどんどん
醤油や天つゆが恋しくなってくる

【材料】
・サツマイモ天、カボチャ天
・ご飯
・醤油

イモ、カボチャの甘さが醤油でひきたってうまいが、
正直胸につかえる感じがあり、
どちらかを魚介系にすればよかった。
あと、具と御飯をつなぐ「つゆ」の偉大さを思った。
醤油だけだと丼ものとしてのまとまりに欠けるのだった。
これは弁当の味だ。

「ソースかつ丼」のことを思い出し、
ここにソースを投入してみようかとも思ったが、
東北人としてぐっとふみとどまり、
めんつゆをちょっとたらして食べた。

2009-03-26-THU
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