鶏肉屋さんをのぞきましたら、鶏モツが売られていました。
玉子のもとになるキンカンと、産卵管がメインの内臓肉で、
見た目はよくありませんが美味なものです。
これもまたおふくろの味でして、
こってり甘辛く煮つけられた鶏モツ煮を、
ご飯のおかずとして愛好しておりました。
こういうグチュグチュした内臓を調理するのは、
実は苦手でございます。
うまいからがんばっていじるけど、
本当は外の一杯飲み屋とかで口にしたい食材です。
でも牛、豚のモツ煮はどこでも食べられますけど、
東京では鶏モツ煮を置いている店は少ないですね。
山梨県ではおそば屋さん、ほうとう屋さんなどでも
普通に見かけましたが、うらやましく思います。
ざっと洗い、大きめのところは切り、
煮立てたタレで煮るだけです。
洗い足りなかったのか、肉汁がもろもろと固まって
見た目と食感が悪くなってしまいましたが、
お味は上等なものです。
臭みもまったくなく、いいおかずになりました。
少年時代、これの何が好きだったのかと申しますと、
いうまでもなくキンカンでございます。
卵の黄身とも少し違うシコシコした食感と味わい。
回りのモツ部分もおいしいのですが、
キンカンはショートケーキのイチゴにあたりました。
もちろんそれだけを食べることは
きつく戒められておりましたので、いつ食べるか、
どのタイミングで口にするかに腐心したものでした。
鶏モツが常時買える店がある、
などとウキウキしておりましたら、
なんということでしょう。
そのお店は7月いっぱいで閉店。
嘆いても始まらないことは承知しておりますが、
ガッカリいたしました。
がんばっている個人商店を買いささえる、
食いささえることの大切さを
ひしひしと感じる昨今でございます。
2010-07-08-THU |