糸井 |
今日は、さっき、
横尾忠則さんと話してきたんだけど、
ここに連れてきたかったぐらいだよ。
家庭についても、聞いてみたけど、
「喋らないほうがいい」とか、
意外と知恵はいっぱい持ってるんです。
こうしたほうがいい、みたいなことは、
ハイ・クオリティなものがあるよ? |
リリー |
(笑)知恵って。 |
糸井 |
横尾さん夫婦は、
お母さんと息子の関係かな? |
リリー |
ジョン・レノンも
あんだけいろいろな人とつきあったけど
最後にヨーコがめちゃくちゃよかったのは、
お母さんだったんでしょうね。 |
糸井 |
うん。 |
リリー |
ああいうの、憧れるんですよ。
まわりからは
「なんであんな奴とつきあうんだ」
と言われてんのに、本人はゴキゲンっていう。 |
糸井 |
だけど、困ったことに、
女の人も、男に「お母さん」を
求めている場合があるんですよ。
お父さんなのかもしれないけど。
「わたしの方が甘えたいんだから」
って言いたくなる人、いるでしょう? |
慶一 |
俺は、何にでもなっちゃいたいなぁ。
だから焦点が定まらないという。 |
糸井 |
それはもう、恋愛放浪者全般に
あてはまることですよ。 |
リリー |
(笑)恋愛放浪者。 |
糸井 |
これならうまくいくかな、
っていう役割が決まって、
しばらくは、落ち着くんだよね。 |
慶一 |
そうそう。 |
糸井 |
でも、
「その役はどうも俺には合ってないな」
って思って、ちょっと
違う役も出してみると、怒られるの。 |
慶一 |
あぁ、まさにそうだ! |
リリー |
(笑)すごい勢いで同意した・・・。 |
糸井 |
でもそうなんだよ。
結局、身に備わったものしか、
出せないですよね。
・・・結局ケーキ派が
いくら飾ったっつったって、
ケーキのベースはカステラだもんなぁ。
ごまかせないんだよ。 |
リリー |
ケーキはハリボテだもんね。 |
糸井 |
ケーキを作っているシーンを見たくないなぁ。 |
観客 |
(笑)あのー・・・。
ケーキの話もいいんですけど、
とにかく、具体的に
「失敗しない結婚」をしたい人は、
どうすればいいんですか? |
リリー |
ファミリーが欲しいの? |
観客 |
ええ。その単位で動きたい。 |
リリー |
マフィアの発想だよ、それ。 |
観客 |
そういうの好きなんですよ。
長いテーブルでみんなで食べるとか。 |
糸井 |
マフィアも、ゲイみたいな世界だよね。 |
リリー |
ええ完全にその世界ですね。
・・・結局、結婚に純愛みたいなものを
求めると、今はゲイの世界に近くなるというか。 |
糸井 |
今週号の週刊文春で
向井万起夫さんが言ってたけど、
「あんまり会わないことが仲のいい秘訣」
って・・・。あれはどう思いますか?
毎日電話はしているそうですよ。 |
リリー |
でも、電話すりゃあ済むっつうところが、
スゴイですよねぇ。
「いまから帰るよ」
っていう電話は、ツライと思うんですよ。
これから会う電話だから。 |
糸井 |
あぁー。 |
慶一 |
「いまから帰るよ」って言ったのに
3時間経っちゃったあとの、
コソコソした感じって言ったら、もう・・・。 |
糸井 |
あはははは(笑)。
俺ん家は、そういうこと、ないなぁ。
「わたしもそうだから」って思うだろうし。
・・・あ、「わたしもそうだ」って
お互い思うことが、うまくいくヒントですか?
「わたしはやってるはずだけど、
あんたはやってない。だめ」
っていう話でしょ?怒られることって。 |
慶一 |
そうだね。ホッとする。 |
リリー |
(笑)横尾さんとかイトイさんとかを見ていると、
ある程度、家庭の中のやりくりというか、
距離感をつかめているじゃないですか。
そういう人って、「多産系」に入ると思うんですよ。 |
糸井 |
あぁ、そうかもしれない。
性へのエネルギーが仕事に向くのかも。 |
リリー |
お酒も飲まないじゃないですか。
だからイトイさんたちは
どんどん多産系になっていくし、
慶一さんや俺らは、飲みながら
「さみしい、さみしい・・・」
なんつってるから、
どうしたって手は動かないでしょうねぇ。 |
糸井 |
あはははは(笑)。
でもほんとですね。
横尾さんや俺は、多産が好きだから
そうなっていくのかもしれない。
こっちは安定しておこう、とか。
・・・でも、俺、根っこはリリー系なんだよ? |
リリー |
どこで変われるんですかねぇ? |
糸井 |
幾多の失敗。 |
リリー |
・・・俺、まだ・・・。 |
慶一 |
(笑) |
糸井 |
(笑)トシの功に近い話だけど。 |
リリー |
俺、いまでもつらい・・・いまだに、
毎日思い出してる相手がいるもんなぁ。 |
糸井 |
(笑)せつない! |