この島国「日本」を味わう旅をしていると
いろんなことがあります。
泣きたくなることだってあるでしょう。
だけど、みうらさんが日本を旅するのには、
理由があります。
●プロローグ6 日本に生まれなかったとしても。
ほぼ日
いろんなことがあってもなお、
旅をされるということは、
何か魅力があるんですね。
みうら
日常からの逸脱ってやつでしょうか。
旅に行くと、おれは
おれじゃなくてもいいわけです。
渡哲也になってもいいわけです。
学校に通っていて、次の日に
違う人になってたら、
「みうらのくせに」って言われるけど、
旅だったら、いろんなところで、
どんな人も演じられるわけですよ。
ほぼ日
はい。
みうら
旅先で、タクシーを利用すると
「おたく、大学生?」って言われることが
たまにあるんですよ。
それにはもちろん、
のっていきますよ。
仏像を見に行くときにタクシーで
「大学の仏像の研究会?」って言われて
「あ、そうです」
とのっていって、ネタが切れるときの
つらさと言ったら、ないんですよ。
しばらくするともう、ネタがないんですよ!
ほぼ日
のらなきゃいいじゃないですか。
みうら
旅で訊かれたことは、いっさい
否定してはいけないんですよ。

「○○○ですね」って言われたら
「ハイ!」
と言うのが、旅のルールです。
山道で旅人同士が出会ったら
「こんにちは」って言うでしょう?
ルールというのは、必ずあるんです。
ほぼ日
そんな、旅のルールを知りつくすみうらさんが
なぜ海外に目を向けずに日本ばかりを
めぐっていらっしゃるんですか?
みうら
海外はね、顔が違うからね。
なりにくいんですよ、何かに。
ほぼ日
みうらさん、日本に生まれたことを
どんなふうにお感じになっていますか?
みうら
ぼくは日本に生まれなくても、
きっと日本に来てました。

前世は日本に生まれていなかったと
想定してますから。
ほぼ日
前世は。
みうら
ええ、前世はきっと日本に来ましたね。
来た感じがします。
ぼくは、いまでも日本にいながらにして
在日観光外人のようなところがあるんです。
こうしているいまも、
自然な感じがしないんです。
変だなぁ変だなぁと思っています。
ほぼ日
毎日ですか。
みうら
毎日思ってます。
この部屋には日本のおみやげグッズが
たくさんありますが、
それはつまり、ぼくはこの部屋に
小さい日本を集めてるということなんです。
部屋の中で、日本を小さくさせて
見てるんですよ。
今回のお話をノーカットでごらんになりたい方は、
ほぼ打ち合わせ調のムードになっておりますが、
下の動画でどうぞおたのしみください。

みうらさんは、日本にやってきた。
その不自然な感じを
変だ、変だ、と思う気持ちを
抱えながら毎日をすごしています。
プロローグもいよいよ佳境!
しかしながらプロローグ!
木曜につづきます。
2007-07-31-TUE