ほぼ日 |
いろんなことがあってもなお、
旅をされるということは、
何か魅力があるんですね。 |
みうら |
日常からの逸脱ってやつでしょうか。
旅に行くと、おれは
おれじゃなくてもいいわけです。
渡哲也になってもいいわけです。
学校に通っていて、次の日に
違う人になってたら、
「みうらのくせに」って言われるけど、
旅だったら、いろんなところで、
どんな人も演じられるわけですよ。 |
ほぼ日 |
はい。 |
みうら |
旅先で、タクシーを利用すると
「おたく、大学生?」って言われることが
たまにあるんですよ。
それにはもちろん、
のっていきますよ。
仏像を見に行くときにタクシーで
「大学の仏像の研究会?」って言われて
「あ、そうです」
とのっていって、ネタが切れるときの
つらさと言ったら、ないんですよ。
しばらくするともう、ネタがないんですよ! |
ほぼ日 |
のらなきゃいいじゃないですか。 |
みうら |
旅で訊かれたことは、いっさい
否定してはいけないんですよ。
「○○○ですね」って言われたら
「ハイ!」
と言うのが、旅のルールです。
山道で旅人同士が出会ったら
「こんにちは」って言うでしょう?
ルールというのは、必ずあるんです。 |
ほぼ日 |
そんな、旅のルールを知りつくすみうらさんが
なぜ海外に目を向けずに日本ばかりを
めぐっていらっしゃるんですか? |
みうら |
海外はね、顔が違うからね。
なりにくいんですよ、何かに。 |
ほぼ日 |
みうらさん、日本に生まれたことを
どんなふうにお感じになっていますか? |
みうら |
ぼくは日本に生まれなくても、
きっと日本に来てました。
前世は日本に生まれていなかったと
想定してますから。 |
ほぼ日 |
前世は。 |
みうら |
ええ、前世はきっと日本に来ましたね。
来た感じがします。
ぼくは、いまでも日本にいながらにして
在日観光外人のようなところがあるんです。
こうしているいまも、
自然な感じがしないんです。
変だなぁ変だなぁと思っています。 |
ほぼ日 |
毎日ですか。 |
みうら |
毎日思ってます。
この部屋には日本のおみやげグッズが
たくさんありますが、
それはつまり、ぼくはこの部屋に
小さい日本を集めてるということなんです。
部屋の中で、日本を小さくさせて
見てるんですよ。 |
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今回のお話をノーカットでごらんになりたい方は、
ほぼ打ち合わせ調のムードになっておりますが、
下の動画でどうぞおたのしみください。 |