第7話

食えるの?
それとも、食えないの?

糸井
まんが家として「デビュー」してなくても
こういう分野から新人のように
「出てくる」人たちがいるんだなぁ。
もし、みなさんがいまやっておられる「この仕事」が
メインの「俺の仕事」になったとしたら、どうですか?
食えるの? それとも、食えないの?
とよ田
どうやら、食えそうですね。
でも、継続的に、と言われるとどうかなぁ。
ぼくのは特に、
赤ちゃんのうちだけですからね。

糸井
でも、「バレエ習いたい」と言い出すとか
そういう展開が、ないわけじゃないですよ。
とよ田
そうかもしれないですね。
どっちにしろ、これは好きなだけやって、
マイペースでつづけていくと思います。
simico
そうですね、マイペースでいくしかない、
というか‥‥。
糸井
相手がコントロールできない生きものだからね。

とよ田
最近は、まんがといってもいろんな形態があって
デジタルだけで食べる人も出はじめそうですね。
電子書籍を自分で出版できるし。
鈴木みそさんとか、そうです。
糸井
鈴木さんは、そのことをまんがにしてますよね。
俺がどう稼いだかという話で、
「でも、危なっかしいんだよね」
という部分も全部書いてあるの。
とよ田
そうですね。たいへん興味深いです。
本のタイトルが、
「電子書籍で1000万円儲かる方法」
実際に鈴木先生は1,000万稼いでるから。
糸井
あの人は何やっても仕事になる人だけど、いいね。
とよ田
はい、そう思います。
糸井
小山さんはどうですか?
東京に引っ越したのは、
「これは行けるぞ」と思ったから?
小山
大阪にいるときにも、
イラストやまんがの仕事をしていましたが、
9割がた、東京からの仕事やったんですよ。
ならいっそと思って引っ越してきました。
なぜか、ぼくに仕事を出す人って、はじめから
友達みたいな感じでメールをくれるんです。
一同
(笑)
小山
打ち合わせのときも、相手の編集の人が
「あ、小山さんだぁ」みたいな感じで、
ぼくのプライベートを全部知ってるんです。
糸井
そうか(笑)。
小山
最初から親しみを持ってくれるので
仕事はやりやすいです。
まんがで食えるかどうかはわかんないですけど、
これは、日記のまんがを描いてる
すごい強みやなぁと思います。
ぼくは、イラストレーターも名乗ってるので、
いろいろな仕事をやっているんですが。

糸井
それは、名乗ってよかったですね。
小山
そうなんです。
一同
(笑)
小山
雑誌の挿絵とかウェブのイラストとか、
打ち合わせがすごく多くて
外に出て行きやすいです。
糸井
イラストレーターだからこそ、
食えてる部分もあるってことですね。
でも、そうなりたかったんですか?
小山
うーんと、ほんとうは、
イラストの仕事とかはやっぱりなくして、
まんが一本に絞りたいです。
しかし、なかなか。
糸井
でも、小山さんは、
次のまんが
もう出ますよね。
小山
そう、出ます、出ます。
糸井
出ましたよね?
ここ、太字で書きましょう。
小山
出ました。
太字でおねがいします。
糸井
ということで、小山さんは
「2冊め」も出たし、
「私、仕事してますよカタログ」が
こんなに間を置かずに出てるんだから、
インフォメーションはできているわけですよ。
小山
そうですね。
1冊めを名刺みたいな感じにして、2冊めを。
親しみやすさが強みなので、
「実際に会ってみてなんぼ」というところがあり、
打ち合わせはとても大事です。
糸井
そういう意味でも、東京に出てくることは、
大事かもしれないですね。
親しみやすさが強みとご自身では思ってるようだけど、
強みは、もっと違うところだと思いますよ。
小山
そうですか?
糸井
やっぱり、描いたものがいいからですよ。
小山
わーーーー!
糸井
だから、親しまなくても大丈夫ですよ。
あと、文字もいいですよね。
小山
はぁ、そうですかはぁ、へぇ。
とよ田
文字、すごくいいですよ。
simico
はい、とてもおしゃれです。
糸井
デザイナー入らなくても、もちますよね。
小山
ほんまですか。へぇ。
山本
絵がうまい人ってたくさんいますけど、
Tシャツにしてダサくない人はめずらしい。
糸井
そうだね、そのとおりだ。山本さん、すごい。
山本
たぶん「岡崎」をTシャツにしたら、ダサいんですよ。
ふつうはダサくなる。
糸井
ふつうは「まんがのTシャツ」という
印象になっちゃうね。
山本
そうですね。
ですから小山さんの絵は
うらやましいと思います。
とよ田
やっぱりすごいんですよ。
糸井
ほら、どんどんいま、株が上がっています。
小山
いやぁ(笑)。あぁ、イケるなぁ、これは。

とよ田
新人は褒め殺しておこう。
一同
(笑)

つづく!

2015-10-07-WED