- 小山さんのまんがを読むと、
「ほんとうのことみたいなことを描く人だな」
と思えます。
それがぼくにとってのおもしろさだったんです。
- まんがに描いていることはほんとうです、
ぜんぶほんとうですよ。
- ほんとうのことをただ描いても、
ほんとうのことにはならないわけで、
ほんとうのことだなぁと思わせるから、
ほんとうのことになるんです。
それを描けてるって、
やっぱりすごいことだと思います。
- うーん、ほんとうですね。
- そう(笑)。
- 一同
- (笑)
- あと、いまお話しして思ったんですが、
自分がそもそも「ほんとうのことが好き」と
いうこともあると思います。
みんながほんとうのことを発言しにくい空気とか、
すごく嫌いなんです。
「言っちゃいなよ」みたいなことを
よく思ったりします。
- やっぱりそういうことなんだなぁ。
みなさんの描いているものはそれぞれ、
ひとつずつ表現の発明があるんですよね。
自分では気づかないかもしれないけど、
「これ、発明だよ」って
あとで人に言われるようなことが
ポンと出ています。
これから先、どうなるかわかりませんが、
このあたりをユラユラしているものから
いろんな花火が打ち上がっていくのが
すごくたのしみです。
みなさんの次に、さらに誰かがつづいたりして、
それぞれがみんなニコニコしてるという状況が、
ネット時代だからこそあると思う。
- Twitter発のまんががガンガン出てきたら、
どうしましょう、と思いますけど‥‥。
- ガンガン出てきたら、
小山さんはもっと売れます。
競争相手ができるんだから。
- もっと売れますか?
- はい。もっと売れる。
つまり、自分のいる場所がなくなるんじゃなくて、
あなたのいる場所は上に行きます。
だから、ガンガン出てきたほうが
たぶんいいと思います。
- よし。
RTいっぱいしようっと。
- 一同
- (笑)
- いや、小山さんは、まずは
いっぱい描くことです。
- あ、そうなんですょネ‥‥。
がんばります。
- とよ田さんだって、一定量は毎月
描いてるでしょ?
- いまは連載の谷間ですが、
連載時は、ひと月に
36~40ページくらいは描きます。
でも、まんが家としては
少ないほうだと思いますよ。
- ちゃんと「背景描くまんが」でね。
- すごい。
- 一同
- (笑)
- 週刊連載の人だと、月に
80ページくらい描きます。
- 山本さんも連載を複数かかえて描いてるし、
simicoさんもすごいんですよね。
- simicoさんは描いてますよ。
- なんですか、あのていねいな絵とか。
- 私の場合、1週間の連載で
最低30コマって決まってるんです。
- コマ数で決まってるんですか?
- そうです。
- ウェブだから、
スクロールして下に流していく感じで
コマを割るんですよね?
- はい。でも、いつもほんとうに大変で、
なんとか30コマ以上にしています。
それで毎回ヒーヒー言ってるくらいだから、
いま80ページとか聞くと‥‥すごいなぁ。
- simicoさん、かわいい絵だし。
- simicoさんの絵、
安定してるんだよね。
- すっごい安定してますね。
この絵にはだるいとかしんどいとか、
あるように思えないですね。
- いえいえ、毎週苦しみながらやってます。
- ですから、小山さんもほんとうに
いっぱい描くようにしたらいいかもしれないよ。
- はい。がんばります。
まずはこの座談会が「ほぼ日」に載るのを
たのしみにしています。
あれ? 今日は写真を撮らないんですか?
ぼく、今日、美容室行ってきたんですけど。
- 小山さん、繊細だね。
だからTシャツがおもしろいのかもね(笑)。
- いやぁ、たのしかったです。
イトイさんとお話できるなんて
ほんとうに、学生の頃の俺に聞かせたいです。
- えぇ?
- メッチャ震えてる、俺(笑)。
- ほんとうか?!
- ほんとうですよ、みんな(笑)。
- ありがとうございます。
ぼくもおもしろかった。
ありがとうございました。
- こちらこそありがとうございました。
- 山本さんは、小山さんのプロデュースを
してあげてください。
- あ、はい(笑)。
- 相談するわ、後で(真顔)。
- 一同
- (笑)
これで、5人のみなさんによる
「私まんが座談会」は
おしまいです。
よろしければ、ご感想を
postman@1101.comまでお送りください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
2015-10-13-TUE