糸井 |
もうひとつ意味のない話、しようかな。 |
清水 |
はいよっ。こうなりゃ、なんでも。 |
糸井 |
この前、巣鴨で、
焼肉屋さんに入ったんですよ。
店にサインが並べてあって、
そのなかに「たこ八郎」ってのがあった。 |
清水 |
生前の、たこさんの。 |
糸井 |
そう。
「ああ、たこ八郎が
サインしたんだなぁ」って。
「たいしたことないな」って思ったんだ。 |
清水 |
そんな(笑)。 |
糸井 |
なんだか、とってもだめな字で
「たこ八郎」って
でかく書いてあるんですよ。
「このたいしたことのなさは
いったい何だろう?」
って、すごく心にひっかかったの。
で、お店の人に
「たこさんがよくいらっしゃったんですか?」
って聞いたんですよ。 |
清水 |
そしたら? |
糸井 |
「アッ、あれは、ですね、
ちがうんですよ、
赤塚先生が書いたんですよ」 |
リリー |
ハハハハ! |
清水 |
ハハハハ! |
糸井 |
それ、二重に情けなくない? |
清水 |
アッハハハハハ。 |
糸井 |
赤塚不二夫が、「たこ八郎」って
どういうことよ(笑)。 |
リリー |
まあ、しかたがない、
両方酔っ払いですから。 |
清水 |
そうだね。
泥酔型だからね。 |
糸井 |
(笑)人のサインを書くなよ!っていう。
・・・戻して下さい、清水さん、
このトークショーの流れを、なんとか。 |
清水 |
話をもとに、ってこと? |
糸井 |
うん。
清水さんなら大丈夫。
タレントとして、
あとは子どもの心さえつかめたら。 |
清水 |
(笑)なによそれ。
えっと、糸井さん、リリーさん、
今日いらしたお客さまは、
みなさん、どういうものを
求めていらっしゃると思いますか? |
糸井 |
・・・・・・。 |
リリー |
・・・・・・。 |
清水 |
・・・わたし、さっきから
なにげなく察してるんだけど、
何となく、このままでいいんじゃないか
っていう気が(笑)。 |
糸井 |
ま、ぼくたちにいま
いちばん求められているものは
きっと「眠気ざまし」ですよね。
(※註:このトークショーは、
午前2時頃に行われました) |
清水 |
あ、なるほど。 |
糸井 |
ここで笑っておけば、
あと3時間くらいも持つかなっていう感じ。
(※註:徹夜イベントで、トークショーの後に
映画を見るという流れでした) |
リリー |
これからみなさん
『ニュー・シネマ・パラダイス』
見るんですもんね。
・・・たこ八郎の話なんて、
ほんとは聞きたくないんだよ(笑)。 |
糸井 |
そうだよ、この寸前には
『蝶の舌』見てたんだぜ(笑)。
すごいいい映画なのに。 |
清水 |
そうだねぇ。 |
リリー |
このトークがなければ、
すごくきれいな1日として
終われそうじゃないですか。 |
清水 |
ほんとは透き通った、
さわやかな1日のはずだったんだ。 |
リリー |
うーん・・・。
俺、正面見づらいのは、
みなさんに求められてない気が
すごいするからなんですよ。 |
清水 |
そうだ、みなさん、
もし途中で飽きたら、
わたしたちが傷つかないようなかたちで
マキを入れてくださいね。
おふたりとも、9月に
シアトルに行っておられたんですよね。
あの事件があって
日本に帰って来れなくなったんでしょ?
みんなが「ドッキリ、オオ!」って
思うような話はないですか。 |
糸井 |
ないです。 |
リリー |
まったくの偶然なんですよ。
糸井さんとぼくは
別の用事でシアトルに行ってて。 |
清水 |
アレ、なに?
シアトルって
そんなにはやってるの?
っていうか、そんなにしょっちゅう
日本人が行き来するようなところなの? |
糸井 |
・・・まあ、3日にいっぺんは
シアトルに行きますね。 |
清水 |
(笑)プッハハ。
思いっきりいつも
日本じゃないですか、糸井さん。 |
糸井 |
(笑)たぶん、リリーさんは
野球のためにですよね。 |
リリー |
ぼくは野球を見に。 |
清水 |
あ!
ははぁ。わかったぞ。
わたし、野球オンチなもんで、
よく知らないんだけど、
あそこで活躍してるんだ?みんな。 |
糸井 |
(笑)「みんな」って。 |
リリー |
あの、イチローって、知ってます? |
清水 |
ああ、はい、
すごく、すごい、ねぇ? |
糸井 |
(笑) |
リリー |
(笑)はい、はい。 |
清水 |
世界でいちばんすごく、ね? |
リリー |
(笑)ハハハ。
まあ、そうですよ、いまは。 |
清水 |
打つほうで(投げるジェスチャー)。 |
糸井 |
・・・打つほうで(笑)。
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