しりあがり |
こんにちはー。 |
|
一同 |
こんにちはー。 |
しり |
これね‥‥(なにか出す)。 |
|
スガノ |
こ、これは? 帽子ですか。
かぶれたりするんですか。 |
しり |
かぶれたりするんですけど、
あまり似合わないんです、僕。
(かぶる)
似合います?(笑) |
|
スガノ |
すごく似合うと思います。 |
しり |
これ、迷ってる人に指し示す神様です。
ご神体がコンパスなの。 |
シェフ |
ほう? ほうほうほう。
これは「東海道工作展」の‥‥? |
しり |
これは前回、原宿で開催した
「工作の神様」展のときに
みんなで神様になったんですが、
そのときのコスチュームです。 |
シェフ |
しりあがりさんは「宿題工作展」という
グループ展を、2002年から、
なさっているんですよね。 |
しり |
はい、ずっと東京で開催していたんですが
その第7弾の今回は、
はじめての地方展開なんですよ。 |
シェフ |
静岡出身のしりあがりさんがいるから
静岡で開催ということですか。 |
しり |
ふふふ。そんな感じです。 |
シェフ |
しりあがりさんがリーダーというか、
世話役として? |
しり |
そう、泊まるところ考えたり、
いろいろやってます。 |
|
シェフ |
昨年、同じ会場で開催された
「漫画少年ドヴァイ」展というのを拝見して、
それがすごく面白かったんです。 |
しり |
わあ、ありがとうございます。 |
シェフ |
会期ぎりぎりに行ったものですから
紹介もなにもできなかったんですが‥‥。
それで今回はぜひにと思って。 |
山下 |
それで、せっかく静岡に行くのなら、
ここを見るといいよというところを
しりあがりさんから、
教えていただけたらなあと思って。 |
しり |
はーい。でもねえ、
静岡、本当何もないんですよねえ‥‥。 |
シェフ |
そうですねえ‥‥。 |
スガノ |
地元の人はそういうふうに言うのよ。 |
山下 |
たくさんあるような気がします。 |
しり |
いやいやいやいや。 |
シェフ |
いやいやいやいや。 |
しり |
ま、最近、ガンダムが立ってね。 |
スガノ |
あ、そうそう、ガンダム。 |
しり |
お台場からもらってきたの。 |
スガノ |
お古‥‥。 |
シェフ |
バンダイのホビーセンターが静岡なんですよね。
バンダイは「ガンプラ」の生みの親で、
その生誕30周年を記念して。
実物大ガンダムが静岡に半年ほど立つんです。
静岡ってバンダイがあってタミヤもあって。 |
|
しり |
ええ、もうみんな。
イマイ(今井科学)、ハセガワ、アオシマ。
プラモデルメーカーほとんどあるよね。 |
シェフ |
シェア80%なんですよ。 |
山下 |
え、なぜ? |
スガノ |
なぜなぜ? |
しり |
もともとあれじゃないですか、
雛人形から来てるんじゃないですかね。 |
スガノ |
え? |
シェフ |
ホントですか! |
しり |
ふふふ。 |
山下 |
でも、あるかもしんない。
雛人形はそうなんですね? |
しり |
江戸時代に浅間神社をつくるときに
全国の職人が集められて、
そのまま住みついたんですよ。
その流れがあるの。
そもそも家康公のときもそうだろうし、
慶喜さんが来るときにもそうかもしれないけど、
職人さんで幕府に仕えてた人たちが集まって
家具だとか雛人形とか、
技術的なものが栄えたんです。 |
|
スガノ |
じゃ、手先の器用な人が。 |
山下 |
器用な血がそこに! |
スガノ |
ならプラモデルもね。 |
しり |
そうそうそうそう。
タミヤとかは、工場見学もできるはずですよ。 |
シェフ |
家康の死んだのも静岡ですしねえ。
静岡は徳川とのつながりがあるから
武士から職人から商人から遊女から、
いろんな仕事の人が集まった土地です。
ちょっと話がそれるけど
遊廓もすごくでかいのがあったんですよ。
なんか、城下町に96の町名があったんだけれど、
そのうちの7つが遊廓だったらしいですよ。 |
山下 |
またずいぶん多くないですか。 |
シェフ |
ねえ。
その7つのうち5つを江戸の吉原をつくるって
町ごと持ってっちゃったんです。
で、2つ置いてった。 |
しり |
町を置いてったんだ(笑)。 |
シェフ |
そうそう。
静岡に残った2つぶんを
「二丁町」っていって、
それだけでもけっこう大きかったらしいです。
東海道中膝栗毛にも出てくる有名な遊廓です。
江戸の、なんか、いちばん、
享楽的な部分が静岡にあったんじゃないかなあと
想像するんですよ。 |
スガノ |
いまも? |
山下 |
まだあるの? |
しり |
うーん? どうだろう? |
シェフ |
二丁町はないですよねえ。
でも静岡の人の明るさのなかに
そういう歴史からくる何かが
残ってる気はするんですけどねえ。 |
|
(つづきます) |
|
|