山下 |
静岡といえば、おでんですよね。 |
しりあがり |
おでんですよね。 |
シェフ |
おでんですよ。 |
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スガノ |
駄菓子屋におでんがあるって聞きました。
ちょっと不思議過ぎてわからないです。 |
しり |
今は、あまり残ってないかな。 |
山下 |
探しに行きましょうよ! |
シェフ |
山下さんは、愛鳥が静岡生まれだというので
「おでん」と名付けたくらいですからね。 |
スガノ |
静岡生まれのコザクラインコです。 |
シェフ |
小学校の帰りに、
4時とか5時に駄菓子屋寄るじゃないですか。
そこにおでん鍋があって。 |
しり |
いまコンビニにあるようなね。
四角いなかに‥‥(描く)。 |
ゆーないと |
竹串! |
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しり |
肉があって、竹串の先端に
赤い印がついてるんですよね。 |
シェフ |
そうそうそう。 |
山下 |
印? |
スガノ |
値段を示す? |
シェフ |
そう。30円と50円とかの違いなんだけど、
赤いほうが高いの。 |
スガノ |
タレはもう何年も同じなんですか。 |
シェフ |
おつゆは、つぎ足しつぎ足しだけど。
あ、タレって、‥‥かけるタレ? |
山下 |
味噌ダレみたいな? |
シェフ |
タレの店もあるかもしれないけど、
それより、だし粉と青のりをかける。 |
スガノ |
だしこ? |
シェフ |
だしこって‥‥ |
山下 |
カツオ節? |
シェフ |
カツオ節だけじゃなくて、
カツオとかサバといろんな節を入れた‥‥
たぶん、余ったようなやつ。 |
山下 |
ふりかけみたいな? |
しり |
そうそうそう。 |
シェフ |
それに青のり混ぜて。
それいくらでもかけていいの。
そっちのほうがポピュラー。 |
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しり |
かけすぎて山になったね。
味噌はやっぱり西から攻めてきてますよね。 |
山下 |
そうか、名古屋から攻めてきた(笑)。 |
シェフ |
夜のおでん屋さん行けば
味噌ダレがあったりすると思うんだけど、
昼間の駄菓子屋にはなかったです、当時。 |
山下 |
あとあれですね、黒はんぺんですよね。 |
しり |
あっ、黒はんぺん!
すみません、忘れてました。 |
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シェフ |
もうしわけない、
静岡の人間として、
黒はんぺんを忘れるなんて
自分が情けない‥‥ |
山下 |
それほどですか! |
しり |
黒はんぺん、うまいでしょう。 |
山下 |
おいしかった。 |
スガノ |
食べたことない。 |
山下 |
つみれをこう平べったくしたような感じ。 |
しり |
つみれからかまぼこの進化の途中で、
面倒くさくなっちゃったような(笑)。 |
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山下 |
「このあたりでいいや」って(笑)?
味はちょっと違うんですよね。 |
シェフ |
まろやかで、おいしいよ。 |
しり |
おいしい、おいしい。 |
シェフ |
煮たり焼いたり揚げたりするんだけど、
新鮮だと生臭くないし、そのまま食べられる。
お刺身醤油とかでもいいし。
まあ、たしかに食材としては
ハンパな気もしますけどね。
料理として美しいかと言われると。 |
スガノ |
つみれほど野趣あふれる感じじゃない?(笑) |
シェフ |
うーん、つまり、
神奈川の小田原まで行けば、
かまぼこが有名じゃないですか。
で、西に行けば、練り物はもう
いろいろ素晴らしいものがあるでしょう?
そこからすると、やっぱり適当(笑)。
でもおいしい。 |
しり |
「ま、いいか」みたいなね。 |
スガノ |
おでんに牛すじが入るんですね? |
シェフ |
うちのレシピは、
牛のアキレス腱とすじでだしを取って、
あと醤油とお酒だけ。 |
スガノ |
え、ウソ。昆布とかは? |
シェフ |
昆布は具として入るでしょ。
その具からだしが出る。
黒はんぺんからも出る。 |
山下 |
それは何ですか。 |
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しり |
これは昆布ですね。 |
スガノ |
え、結んでないんですか。 |
しり |
平たかったですね、僕らのは。 |
シェフ |
うちは結んでました。
両方あったかなあ。
あとジャガイモ。 |
しり |
あ、ジャガイモ、ジャガイモ。
ジャガイモ忘れちゃった! |
スガノ |
ジャガイモ入れるんだ‥‥。 |
シェフ |
丸ごと、丸ごと(笑)。 |
しり |
僕らの時はこういうのもあったな。 |
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シェフ |
こういうのを、小学生と、
仕事帰りの現場のおやじが
肩並べて食べるんですよ。
コップはワンカップの空き容器で。 |
山下 |
味わいがありますねえ。 |
スガノ |
お酒も飲めるんでしょう? |
シェフ |
おやじはお酒飲んでたんじゃない?
ぼくらは水。
お互い気にしてなかったけど。 |
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(つづきます!) |
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