シェフ |
ところでしり先生。 |
しりあがり |
はい。 |
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シェフ |
「東海道工作展」は
毎回、先生がいて
宿題を出す、という形式に
なっていると聞きました。 |
しり |
はいはい。
今度は先生が、日テレの土屋さんです。
高校の先輩で。 |
シェフ |
あ、そうだったんですね。 |
しり |
そして茶室がテーマなんです。
1人1茶室作るんです。
1人2畳のスペースがあって。 |
スガノ |
しりあがり先生は、この期間中は
けっこういらっしゃるんですか。 |
しり |
いや、いないですね(笑)。 |
スガノ |
え、ウソー(笑)。 |
しり |
だって(笑)‥‥ |
シェフ |
思い出しました、
紺屋町と呉服町のあいだの
スクランブル交差点のところに
しりあがりさんの壁画がありますね! |
スガノ |
壁画? |
しり |
シールなんだけど‥‥。
「目のスクビル」というんですよ。
糸井さんの「明るいビル」に影響受けて、
ぼくが名付けたんです。
目の前スクランブル交差点ビルディング、
というのがわかりやすいかなと思ったんだけど、
いかんせん長過ぎるんで
「目のスクビル」にしたら、
全然わかんなくなっちゃった。 |
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シェフ |
(笑)それは見に行きましょう!
あと、僕の個人的なおすすめは、
静岡駅の東海軒の弁当がおいしいと思います。 |
スガノ |
新幹線で食べる? |
シェフ |
そうそう、鯛めしっていう
500円ぐらいの‥‥ |
しり |
ああ、鯛めしおいしいね。 |
シェフ |
ごはんに、鯛のそぼろがのってて、
それだけみたいな(笑)、
すごいシンプルなお弁当なんですが、
明治時代からあるらしくて、
すごくおいしいんです。 |
しり |
なんで鯛めしなのかが
はっきりしないですよね(笑)。 |
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シェフ |
アマダイ、静岡だけの
特産というほどじゃないですしね。
だったら桜えびやしらすじゃないのと
思わなくもないですね。
あとはねえ、カツオのヘソ食べますよね。 |
山下 |
ヘソ? |
スガノ |
ヘソ? |
シェフ |
心臓です。
ほら、焼津でいっぱい水揚げされるでしょ。
ヘソが余るから、しょうが醤油で煮て食べる。
けっこう居酒屋にはあるんじゃないかな。 |
スガノ |
はあ‥‥あの、ここまでお話を聞いてきて、
なんだか全体的に
はっきりしないというイメージが‥‥。 |
シェフ |
そうですねえ。 |
しり |
そうそう。 |
シェフ |
でも、ニッポンの平均像だといわれてるでしょ? |
スガノ |
あ、そうそうそうそう、そうだ。 |
山下 |
そうそう。テスト販売されることが
静岡は多いと。 |
スガノ |
なんでだろう。 |
シェフ |
はっきりしないのにね。
いいも悪いも‥‥
このはっきりしない感じが
ニッポンそのものかもしれない? |
スガノ |
お調子者が多いとか
そういうのあるんですか。 |
シェフ |
たしかに、お調子者多いかも。
自分もそうだし。 |
しり |
「おだっくい」っていいますよね。 |
シェフ |
「おだっくいだねぇ、あんた」。 |
山下 |
福島では「おだち」っていいます。 |
しり |
似てますね。 |
山下 |
「おだってんじゃねえぞ」って(笑)。 |
シェフ |
でも、静岡はあまり否定的には使わない、
どっちかっていうと、肯定というか、
「そういうもんだ」という感じかな。
ちょっとかわいい感じもある(笑)。 |
しり |
そう、かわいい感じ(笑)。 |
スガノ |
いい意味なんですか。 |
シェフ |
いい、というより「しょうがない」感じ(笑)。 |
しり |
しょうがない感じ(笑)。 |
シェフ |
そういえば、あまり人を悪く言う方言、
多くないかも。 |
しり |
静岡であんまり「いやだ」とか
「ダメ」と言う機会がないですよね。
なんとなく遠慮して譲り合ったりする。 |
スガノ |
えー?(笑) |
山下 |
すごーい(笑)。 |
しり |
東京出てきたときね、
友だちがアパートに来るでしょ、
で、そろそろ帰ってほしいなっていう時に、
なんとなく帰ってほしい感を匂わすじゃないですか。
静岡だとそれでだいたい人帰るんですけど、
東京は人帰んなくて(笑)、初めて
「帰ってほしいんだけど」って
口に出して言ったの(笑)。 |
シェフ |
つらい! |
山下 |
(笑)つらかったでしょう、それは。 |
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スガノ |
それ、お互いにちゃんと
「あ、そろそろかな」って
思い合ったりするんですね。 |
しり |
うん。トラブルが嫌いなんだよね、
なんとなく静岡の人。 |
シェフ |
友達んちに遊び行くじゃない?
で、「サトシ君いますか」と言って、
お母さんが「今いないのよ。上がってって」
と言って、上がると、
ご飯が出てきたりする(笑)。
帰れって感じじゃないんですよね。 |
スガノ |
へぇー。 |
シェフ |
で、サトシ君が帰ってくると、
自分のお母さんと友達が
ご飯食べてたりするという、
そういうことは、あります。
「あ、サトシ君も食べる?」みたいな。
自分ちじゃないのに。 |
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しり |
(笑) |
スガノ |
へぇー。それは、
親しみやすいということですか。 |
シェフ |
んー、というか、
「別にいいじゃん」みたいな(笑)。 |
しり |
(笑) |
スガノ |
垣根のなさみたいな? |
シェフ |
うーん、そういう主義主張じゃないんですよ。
「まあ、ええら」みたいな。 |
スガノ |
「まあ、ええら」。
「まあ、ええら」が多い? |
シェフ |
よく言ってたねえ。言われたし。 |
山下 |
レット・イット・ビーですね。 |
シェフ |
なすがままですね。
しぞーか。 |
スガノ |
しぞーかって言うんですか、本当に。 |
しり |
うん。なんかもうさ、
口いちいち形変えるの面倒くさいじゃん(笑)。
だから、ズルッと言っちゃうんだ。 |
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シェフ |
あったかいのにねえ。
ダラダラ。いい加減で。 |
スガノ |
なんか楽園みたいに思えてきました、ちょっと。 |
シェフ |
本当ですか。うれしいです。 |
スガノ |
よく笑う? |
シェフ |
なんか和んでる。
大笑いというより、
ニコニコしてる(笑)。 |
山下 |
じゃあ、行きましょうか、静岡。 |
シェフ |
ぼくもじつは何年かぶりなんですよねえ。
近いのに帰ってなくて。 |
スガノ |
なんで?! |
シェフ |
「まあ、ええら」でねえ。 |
しり |
まあ、ええら、ええら。 |
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山下 |
しり先生がいらっしゃらなくても。 |
シェフ |
ええら? |
山下 |
ええら。 |
しり |
(笑)東海道工作展、
どうぞよろしくおねがいします。 |
山下 |
はい、静岡出身の武井と、
静岡出身のインコと住んでいる私が
出かけてまいります。 |
シェフ |
まあ、全部一日で回るのは無理だろうけど、
東海道工作展と市内近郊の名所、
いろいろ回りましょう。 |
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(座談会編はこれでおしまい。
あすのテキスト中継につづきます!) |
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