禁煙のセラピーで一服しよう。 darlingはタバコをやめるのだろうか? |
いよいよその時が来た。 集合は井の頭線「浜田山」駅に午前11時。 O嬢と、ぼくのほうが勝手に呼んでいるセラピストが、 そこまで迎えに来てくれる。 こちらのほうは、いつものスケジュールで 前の日の活動をしていたので、就寝が午前6時半。 9時半に目覚まし時計をセットして、 どたばた起きて風呂入って、髪の毛おっ立てて、 セラピーの空き時間にモバイルで状況を連絡しようと パワーブック担いでPHS持って、自宅を飛び出す。 昼飯までの間、何も食えないのはつらいから、 近所のスターバックスで、トールサイズのカフェラテ。 飲みながらタクシーに乗り込む。 道路が予想よりも混んでいて、遅刻しそう。 O嬢に携帯で連絡入れて、10分遅刻で駅に到着。 自転車で迎えにきてくれたO嬢、 「もうひとりセラピーを受けるクライアントがいる」と、 知らせてくれる。 24歳の女性だそうだ。 それはよいことだ。 若いんだから、いつまでもタバコなんか吸ってちゃいかん。 O嬢は自転車を手で押しながら歩く。 ぼくは重めのパワーブック担いで横を歩く。 5分ほど歩いて、教室に到着。 ごく普通の自宅をかねたアパートである。 「イトイさん、今日吸うタバコはたっぷりお持ちですか?」 そうきたか?! 「ここに吸いかけのが一箱と・・・あ、これだけですね」 「足りますか?」 「いつものように、ということなら足りないですね」 「うちに、やめた方が置いていったものが、 いっぱいあるんですけれど、何をお吸いですか」 「ピースライトです」 置き去りのタバコのなかにピースライトはない、 ということで、また二人して駅まで戻って、 ピースライトを買ってくることになった。 キオスクで3箱のタバコを、禁煙する日に買う。 自転車を押して歩くO嬢。 その横を歩く中年のおやじ。 浜田山住宅街から駅に・・・テレビドラマ的には、 不倫のおやじの朝帰り風景のようである。 怪しいという目で見る人には、怪しく見えるかもしれない。 駅で近所の人らしいおばあさんに、 「穴堀りがんばってね」と、声をかけられる。 もう掘ってないんだけどなぁ。 さて、セラピーの始まりだ。 O嬢のアパートに、ぼくと24歳の女性がいる。 遅刻やらタバコの買い物やら、なんやかんやのせいで、 11時30分のスタートになった。 ここから、ほんとに9時間も、何をするのだろう。 ぼくと24歳は、おおきなマットレスみたいなものに 腰を下ろし、言われなくてもリラックスしている。 O嬢は、譜面台になにかのファイルを広げ、 さて、とばかり「それでは、これから」としゃべりだした。 さっきまでの日常モードの発声法でなく、 プレゼンテーションをするマーケッターのような声だった。 つづくだよ。 |
2000-04-15-SAT
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