禁煙のセラピーで一服しよう。 darlingはタバコをやめるのだろうか? |
タバコはまずいから流行したという話。 眠りつつ、飽きつつも、 O嬢先生の話は、まちがってないなとは思っていた。 タバコは毒だ。 タバコは麻薬だ。 それに加えて、どうしてタバコがこんなにも 人口に膾炙したのかの説明は、おもしろかった。 タバコは、まずいから、流行ったというのだ。 この説明は、なかなか勉強になる。 最初に一本目のタバコを、さまざまな理由で吸ったとき、 ぼくらは、これを決しておいしいとは思わない。 むせる、気持ち悪くなる、ひどいときには嘔吐までする。 しかし、このいやな経験は、 いっぱしのタバコのみに近づけば 消えてなくなるということを、 はじめたばかりの喫煙者は知っているから、 「いまだけだ、まずいのはいまだけだ」と、ガマンする。 そして、ここが重要なのだが、 「これだけまずいものだから、いつでもやめられる」と、 根拠のない自信をもって、タバコに接してしまう。 と、いうのだ。 これは、また、なるほどである。 おいしくて悪いものなら、人間の警戒心が感知して、 「これは近づかないでおこう。 やめられなくなるかも知れないからな」と思うのだ。 たとえば、おいしいケーキが毒だと知っていたら、 これはイカン、気をつけようとなる。 しかし、いいとこなしのタバコ体験は、 かえって人間を安心させてしまうというものらしい。 「いつでもやめられる」と、 まずい、気持ち悪いタバコを吸い始めて、 気持ち悪くなくなった頃には、 もうニコチン中毒患者になっているということらしい。 びっくりです。 そういえば、ぼくも、最初はまずいと思ったっけ。 たしか、トイレにかけこんでげーげー吐いた記憶がある。 そりゃそうだ、急激に人体にとっての毒を 体内にとりこむのだから。 そして、とりこんだニコチンは、 すごい速度で体内から消えていくので、 禁断症状が起こる→また、次のタバコを吸ってニコチンを 体内にとりこむ。こういう循環になっているらしい。 タバコがあるとほっとする、 タバコを吸うと、集中力がでる・・・のではなく、 タバコがないと禁断症状がでてきて、 ほっとしたり、集中力がなくなったりするのを、 次のニコチンを入れることでカバーしているだけなのだ。 わかるなぁ。その通りだろうと思う。 うまいから吸う、集中力が必要で吸う、という理屈は、 いわば「ジャンキー(中毒患者)のウソ」だと言うのだ。 それも、わかる。 映画なんかでも、麻薬中毒の患者が、 いろんなウソをついているけれど、 ニコチン中毒のぼくらも、けっこう自分を正当化するための ウソをついているように思う。 ある銘柄のタバコを、 「おれはこれじゃなきゃ吸いたくないんだ」とか 偉そうに言っていても、ほんとにタバコがなくなったら 平気でまずいはずの銘柄のタバコを吸っている。 そんな些細なところでも、小さなウソをついている。 ニコチン・ジャンキーであることを、 愛煙家であるぼくらは、認めようと思った。 例えば、ぼくは、寝起きの一服を欠かせない。 思えば、眠っている間は禁煙状態にあったのだから、 起きたときには、寝覚めが悪いというだけでなく、 ニコチンの禁断症状が出ているのだ。 そこにあたらしいニコチンを注ぎ込むのが、 朝の一服だと思うと、リアルによくわかる。 また、つづく。 |
2000-04-21-FRI
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