思いっきりTシャツ。

育てるTシャツだから、育Tなんです。


最近、街を歩いていても、他の人のTシャツを
思わずキビシイ視線でチェックしてしまうハリーです。

「育T2002」の基本的なデザインについては
前回イラストでお見せしたんですが、
今日は手触りとか風合いとか含めた、
具体的なブツの「感じ」を、お伝えしたいんです。
これが、今回すごく大事なポイントなんで。

つまりは、
「着れば着るほどに味が出る」「育てていける」
っていうコンセプトを、どう実現してるかってことですね。

「太めの糸で、厚手の生地にして、ガツンと強いTに」
ってとこまでは最初に決まってました。
エレガント系じゃなく、いかにもTシャツって感じの
決定版をつくりたかったんです。
実際にその方向でサンプル制作がスタートしました。
(f/dさん、今回もご協力ありがとうございます)
これがいい感じに、できあがってきてるんですよね。


サンプル試着中。サイズが決まるまでは、
いろんなサイズをいろんなスタッフが、
とっかえひっかえ着まくって、もう大騒ぎ。



最終的に決まった素材を使ったサンプル。
これはまだ洗いにかけてません。
写真じゃわかりづらいけど、
ザラつきのある、ラフな感じがたまりません。


すっごくいい!
いいんだけど、ただこれ、ひとつだけ問題があるんです。
こういう、コットン100%のざっくりしたTシャツは、
縮みがはげしいんです。
試しにサンプルを洗ってみると、
縮むわ縮むわ、もう、ワンサイズ完全に変っちゃうくらい、
もう面白いくらい縮んでしまいました。
うーむ。
ただでさえ、みんなサイズ選びには迷うところなのに、
縮みまで計算に入れるとなると、こりゃあ大変だわ。

ただ、ん?待てよ、でありました。
洗ってみた結果、縮んだのは困るけれど、
風合いや肌ざわりの方は、
ザラザラ感が強調されて、
色もしっくり生地になじんで
とってもいい感じになってるじゃないか。
今回ぼくらが目指してるものにピッタリ!
できれば、この生地の感じで、
みなさんにお届けしたいなぁ。

で、いろいろ考えた結果、
この問題を、一挙に解決いたしました!

「育T2002」は、
あらかじめワン・ウォッシュして、
販売いたします!


一回洗う、という工程を、付け加えたのでした。
1から育てる楽しみのうち、最初の部分だけは
ぼくらにあずけていただいて、
ひと味入れて仕上げた状態で、お届けさせていただきます。

いいじゃんいいじゃん、と、盛り上がりつつ、
プリントの方はどうするのがいいのかな、と
話し合ってたとき、
デザイナーのホソカワさんが持ってきてくれたのが、
もう20年あまりも着つづけているという、
ヨレヨレになったTシャツでした。

これがいい味なんだ。生地のクタリもさることながら、
長い年月を経て、プリント部分が
い~い具合にかすれてる
「こんなふうに、プリントがだんだんかすれていくと、
 いい味出てくるし、育ててるって感じしますよね」
と、ホソカワさん。
確かに、育ってる育ってるという感じ。
20年も着てきたんじゃ、ビンテージみたいなものですよね。

「これは水性プリントなんだけど、
 最近主流の、油性インクでプリントされたものは、
 こうはいかないんですよ」

おお、それでいくしかないでしょう!

というワケで、
letter部分は、
水性プリントに決定です。


これはちょっとした豆知識だけど、
育T2002のカラーバリエーションは、
オレンジ、パープル、ブラックと、
いずれも色味のあるボディなので、
プリントする前に、letter部分の色を抜いて
(業界用語で、『抜染』[ばっせん])、
その上からプリントするんですよ。
こうすることで、
プリント色の白が、キレイに発色するんですって。

どうでしょ?イメージわいてきましたか?
では、このへんのこと、まとめておきましょう。

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生地は、オリジナル

   コットン100%の太い糸で、厚手に、
   しっかりとつくります。
   洗っていくと、ざらついた、
   ラフな風合いになっていきますが、
   固くはならず、適度なクタり感を楽しめます。

ワン・ウォッシュしてからお届け

    letter周り・袖・裾のステッチは、
   洗いをかける前に入れる
ことになりました。
   「ふーん」と思うかもしれないけど、
   これ、意外に大変なんですよ。
   なぜなら、洗いをかけると、
   letter周りのステッチ部分も、当然縮みますよね。
   つまり、letterを囲う四角が小さくなるわけ。
   だから、縮む割合を計算して、
   あらかじめ、やや大きめにしとく必要があるんです。
   納得がいくまでサンプルで確かめます。



プリント部分は、水性プリント

   ステッチとは逆に、letter部分は、
   洗いをかけたあとプリントします。
   着はじめ、最初のうちは、
   letterをくっきり出して、
   「自分へのメッセージ」Tシャツであることを、
   強調したいんです。
 
   あ、それから、背中のタグ、ここも水性プリントです。
   「タグのプリントもだんだんかすれてくと、
    生地のデニムと相まって、
    いい感じになりそうなんですよねー」
   うわぁ、それ、良さそう。
   ええ、ええ、ホソカワさん、
   ぼくらもそう思うであります。

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とてもシンプルなTシャツをつくるためには、
ふつう以上に手がかかるんですよねぇ。
でも、これでいいのだ。
モノ自体はシンプルに、骨太に、力強く。
でも作りはていねいに、繊細に。
いい仕事をすると気持ちがいいねぇ・・・。
と、やや手前味噌風になってしまったとことろで、
今日はこのへんで。

次回は、「育T2002」のキイパーソン、
デザイナー・ホソカワさんに、スポットをあてます。
お楽しみに!
・・・早く自分の「育T2002」を着たいものだなぁ。

2002-04-16-TUE

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