5人の
Beautiful Songs

大貫妙子さんからの手紙


最終公演は、ちょっとつらかった。
コンサートにおける、こういう、あまずっぱく、
さみしい気持ちは、何年ぶりでしょう。
70年代には、今よりもっと、
自由にMusicianどうしが関わりあえたことを思いだしたり、
音楽の前にお金の話しが先立つことも、
そうなかったことを思いだしたりもした。
でも、そういうことは過去のことで、
こういう音楽が大きなマーケットを持ち、
その中を逞しく生きて来た面々が、
再びこういうカタチのコンサートをすることを、
私はとても新しいことのように感じた。
私たちは、このツアーの間、
音楽的なことは話しあったものの、
このツアーが自分にとってどんなものであるか、
というような話はしなかった。
ところが、最終日、メンバー全員(9人)が
Beautiful Songsのパンフレットを抱えて、
パンフの中に隙間のないほど、お互いにいろんなことを
書き込む(或いは書き込んでもらう)為に
楽屋を奔走していた姿。
それが、このツアーでみんなが抱いていた、
気持ち、かもしれない。
それが宝物だとしたら、
それぞれのそれに対する価値を知ることはできないけれど、
少なくとも、私にとっては、おっきい価値のあるものだった!
それをあたえて下さった、すべての方々に、
心から感謝いたします。ありがとう!

大貫妙子

2000-07-24-MON
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