いい音は空気を洗う。
加藤晴之さんの紙筒スピーカー物語。

ほぼにちわ。
通天閣あかりです。

加藤晴之さんとはどんな人なのか?
何故に、この紙筒スピーカーを創ろうと思い立ったのか?
を今日はお伝えしていくのですが。
・・・その前に、
既に加藤さんのスピーカーを手に入れられたという
羨ましい方々から
実際に音楽を聴いてみた感想をいただきましたので
ご紹介したいと思います。
やっぱりか!
やっぱりしっかりウケてます!
でしょう、でしょうっ!

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私も買いました、加藤さんのスピーカー。
前のが15年使って、何か全体にかびてきたりして
次のをちょうど探していました。
そこで読んだのがダーリンのコラム。
通販生活の商品もいくつか買ったことがあったし、
ダーリンの話を読んでると
悔しくなるくらい楽しそうだし。
カタログが自宅に送られてきて、速攻で注文しました。
結果、ほんとに音を聞いてます。
箱から出てくる機械的な電気の音ではありません。
音が空中を漂ってるという感じ。
ステレオを大きな音でかけたりすると、
低音はドンドンドンドンという振動っぽくなるのに、
これはきちんと音が聞こえます。
特にア・カペラのCDを聞いたときは、
旦那とふたりでうおーっと唸ってしまいました。
まるで、部屋そのものを改造して、
壁もすごく良いかべにして、
音楽鑑賞室とでもいえそうな部屋で聞いている
かのような音です。
着いたその日に何枚も何枚もCDをかけて、
やめられなくなってしまいました。
ちなみにアンプは15年まえの
アイワの5万円程度のステレオです。

kd

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こんにちは〜
加藤晴之さんのスピーカー、
9月6日の木曜日に届いたので
早速旦那につないでもらって、CD聴きました。

私はマニアじゃないんですけど、す、すごいっ!
ピアノのCDはピアノの音が、ギターのCDはギターの音が
スピーカーから流れてくるじゃありませんか!!
上手くいえないんですが、
原音に忠実っていうのでしょうか、
音が細部まで聴こえてくる感じで、中抜けしてなくて、
すぐそばで、
ピアノやギターを聴いてるっていう感じがします。
CDを聴くっていうことは、こういうことをいうんだ!!
と感動しました!

darlingのスピーカーへの賛辞を読んで、
ムムムッ!!と思い、半信半疑で(すみません!)
注文したのですが、
これはほんとにすばらしい!!
買ってよかった!!万歳っ!

困ったことと言えば、私以上に旦那がはまってしまい、
私が聴きたいCDを聴かせてもらえない事です。
旦那は結構マニアで、最初は値段相応の音だろ?っと
全然期待せず、私のことを笑っていたのですが、
流れてくる音を聴いた瞬間、眼の色変えて私を押しのけ、
それからは家にいるときは
ずっとスピーカーの前から動きせん。
子供もテレビを見せてもらえず泣いていますが、
そんなことはおかまいなしで、延々CDを聴いています。

今から注文するともう11月は越えてしまうそうですが
旦那はもうひとつ、注文するそうです。
仕事場に持っていく!!と言い張るのですが
これは私のだ!!と喧嘩になったので
自分用に買うそうです。

なんだか久しぶりに持ってるCDを全部引っ張り出して
いろいろ聴いています。
音楽を聴く・・・って
こんなに楽しいことだったなんて!!
ほんとにいい買い物させていただきました。
もう他のスピーカーじゃ、音楽は聴けません。
何にも知らない素人の私にもわかるんですから
プロの人ってどう思ってるんでしょうか??

眠り猫

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なるほど〜。
耳を傾けて聴く音楽ではなく、
音楽の中に身をゆだねてしまえるような、
そんな音が出てくるようですねー。

音楽を創ってる側の人に聴いてもらったら
一体どんな感じがするのかっていうのは
通天閣も興味があるところですので、
これから、魚籃坂の事務所に仮試聴室を設置して
「プロの方」をお招きしちゃう計画も立てておりますよ!
どうぞどうぞお楽しみに!

そんな気持ちのいいスピーカーを世に出した張本人、
加藤晴之さんのインタビューのはじまりです。
どういう流れでスピーカーづくりを思い立ったのか、
第一枚目のベールが、今日、はがされますよ!
(専門用語は赤色になっています。
 最後に語句説明がありますので
 分かりづらい方はそちらをご覧くださいませ)

♯2 加藤さんが自らスピーカーを創る理由

・子供時代の原体験がスピーカーを生んだ


この方が加藤晴之さんです!

子供のころから音には興味があったんですよ。
2歳くらいのころに
もう車が好きだったらしいんですよ。
で、外に通る車の車種を、
見ないで全部言い当ててたらしいんです。

-----すごい。

今のがベンツとか今のがセドリックとか、
昔はオート三輪が二種類とか三種類とかあったんですが
その音を全部聞き分けてたらしいんです。

-----はあ!

耳はちょっとそういう耳をしてたかもしれない。

-----特別な耳ですよね。

小学校の6年くらいのときに
ちょうどベンチャーズとかビートルズとかが始まって。
その頃、
うちにどうしようもないステレオがあったんですよ。
最初はそれで聴いてたんですけども、
友達のうちにいくと、
もうちょっといいシステムがあるわけですよ。
それで聴くと、うちで聴くのと全然違う。
原体験っていうか、
ハードによって音が違うぞって、変わるぞっていうことを
一番最初に体感したのは、それでしたね。
で、ビートルズでしたね。

その前に蓄音機が幼稚園の頃にうちにあったんですよ。
それでプレスリーだとか、そこら辺を聴いてて。
それはそれでおもしろかったんですよ。
・・・けっこう耳はませてますね。

-----ご家族が音楽一家とかではなかったんですか。

全然。うちのおやじ音痴。(笑)
母親も楽器ができるわけでもなく、そんな家庭でした。
そこから僕は、お決まりのようにギターを弾き始め、
それでアンプを買い、プレーヤーを買い、
スピーカーを替えってやるわけですよ。
それがオーディオとの出会いで、
差し込むアンプによっても音が変わるし、
音って面白いなあってずーっと思いながら
いたわけですよ。

大学くらいになって、うちに一通りオーディオが揃って
そこそこ聴ける状況ができたんですね。
そうすると今度は、スピーカーを作ってみたい、
ってなったんです。
アンプは専門の知識がないと難しいんですけども、
スピーカーくらいだと木工作業みたいなもんだから、
初めてスピーカーを作ってみたんですよね。

秋葉原でロクハン(*下記語句説明アリ)を買いました。
どうもオーディオ評論家の人たちも
超弩級のスピーカーを聴いてるんだけど
ロクハンの音を聴くとほっとするってことが
よく雑誌とかに書かれてるんですよ。
で、ぼくもやっとこうと。
やってみたらその通りなんですよ。
気持ちいいんですよ。ほっとする。

その時に平面バッフル(*)っていう再生の方法を
一回トライして、
目から鱗状態っていうのがあったんです。
ただその時はもう、大学の勉強だとか彼女だとか
音楽以外に色んなベクトルがあるじゃないですか。
だからその時はそれでスピーカーへの思いは
止まってたんです。

その後、イタルデザイン(カーデザインの会社)に
入社して、音楽どころではない時期を過ごし、
次にソニーに入って、
「音」がやりたいと思ってたんですが、
まわされたのがテレビとビデオの部署で、
そこでもなかなか忙しかったんですね。
だから何かしら音は聴けるんだけど、
それをつっこんでいく余裕はないっていう状態で。

その頃、息子がいて、ヤツも音楽聴きたかったわけです。
「お父さん、ソニーに行ってるんだから、
 何かみつくろってよ」
って言われたんですよ。
任せとけって言って、秋葉原行ったりとかして。
それがもう一回音に興味を持つきっかけになったんです。

大学の頃から考えると相当ブランクがあったわけです。
ブランクがあるから、音は当然良くなってるだろうと
思ってたんですよ。
雑誌とか見てもどんどん形が小さくなってきてるし、
周波数特性も昔と比べると色々変わってきてるんですね。
アンプも変わってる、何から何まで変わってる。
なんて言っても、LPがCDになってる。
CDの音も最初から好きじゃなかったんですけども、
子供に今更レコード集めろなんて言えないし、
CDを基準にコンポーネントを組んでいこうとして
あちこち音聴けるとこに行っちゃ聴いてたんですけども、
いい音が全然ない。

で、むしろ僕が学生の頃聴いてたLPで
大したアンプじゃないものでも
そっちのほうがまだ気持ちがいい。
「これ一体何なんだ!」
って思ったわけです。

もしかしたら、
ハイエンド(*)と言われてるオーディオくらいは
まだちゃんとしてるんじゃないか、と思って、
ヤマギワの7階かなんかにですね、
ハイエンドオーディオのコーナーがあったんで
そこに行って、
たぶんトータルで1500万円くらいのシステムを
聴かせてもらったんですよ。

それでもだめだった。
すごい音はするんだけども、僕の心をヒットしなかった。
僕の心をヒットする音っていうのは
それこそ2歳とか3歳とかの頃から聴いていた
蓄音機の音とか、
当時のラジオって真空管ですから
真空管から出てきた、
もよもよもよもよした音とかだった。
その時の音があったかかったんですよ。
テレビだって、
今は中がデジタル回路になってますけど、
当時のテレビの音は真空管でしたから
ぼくの耳の基準は真空管でできてるんですよね。

フルレンジ(*)っていう
低い音から高い音まで一つのスピーカーで聴く方式の音が
僕の中では基準だったんですね。
たぶんロクハンを聴いて
目から鱗だったっていうことも
原体験に近かったから、
っていうことだったと思うんです。
それで、あっちょっと待てよ、
今それをやったらどうなるんだろうって思ったんです。
それが、まず今回のスピーカーを作ることになった
きっかけのひとつですね。

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■語句説明

ロクハン
直径が6.5インチ(16cm)径の
スピーカーユニットのこと。
高音も低音も出るちょうどいい大きさなので、
フルレンジのスピーカーを作るのに
適しているらしいです。

平面バッフル
スピーカーを取り付ける板が平面になっているもの。
真っ平らな板や段ボールの一枚板の真ん中に
スピーカーユニットがついているものを
想像してみてください。

ハイエンド
最高級
ハイ(high:高い)エンド(end:端っこ)
っつうことですわ。

フルレンジ
一つのスピーカーユニットで
すべての音域をカバーするスピーカー。
コンポについているスピーカーのように、
スピーカーユニットが低音用、高音用と
分かれているものはフルレンジとは呼びません。

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スピーカーって木工作業みたいなもんなんだって
初めて知りました!

息子さんのオーディオ選びをしているうちに
現状の音、そして自分の心を打つ音に
「気づいてしまった」加藤さん、
さあ、これからどうなるのか?
次回はさらにスピーカーを創った理由に迫ります!


「加藤晴之さんの紙筒スピーカー」に関する
お問い合わせは、
0120-701-567(カタログハウス商品ご説明課)
お申し込みは、
0120-164-164(カタログハウス受注センター)
までお願いいたします。

2001-09-06-THU


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