通天閣あかりだす、まいど。
ものが売れる理由に
「時代の空気と合う」ということが
ひとつあると思うのですが、
今日はその辺りのお話です。
じゃーん。
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♯17 加藤さんとdarlingが話す その5
・聴く側が歩み寄る今
加藤さん作 水のスピーカー
糸井 水のチューブをまいたのは
どうしてですか?
加藤 水の音が聞きたかったんですね。(笑)
聞いてみたかった。
どこまで聞けてるかよくわかんないんですが
つけない状態とつけた状態では明らかに
違います。
巻き方には法則性があるわけじゃないんです。
糸井 意外とアーティスティックなというか
いいかげんなものなんですね。(笑)
固有の固体が持っている振動みたいなものを
トッピングするような感覚ですよね。
加藤 もともと、
どうして「水」と思ったのかっていうのは、
テレビで3大テノールの番組
をやっていて
パパロッティさんが歌ってらっしゃって
あの人は150キロあるんですね。
人間のからだは7割りが水ですよね。
で、単純にパバロッティさんの7割は
水なんだと思ったんです。
だからスピーカーで水を使って
悪いはずないだろうって。(笑)
糸井 ていうことは、
パパロッティさんがジムに通ったら
まずいですね。
加藤 まずいです。
あの人がスキニーになったらまずい。
あの響きかたは出ないですよね。
骨伝導ってあると思うんで測定器があったら
足とかに持っていっても
振れるんでしょうね。
糸井 人間のことばっていうのは
そのからだつきっていうのと
固有にあるわけだ。
加藤 声帯を震わしている振動も
骨だけじゃないところにも
伝わってるわけですよね。
口にも背中にも腰にも。
糸井 前にキョンキョンに本を読んでもらって
CDにするっていう企画があったんです。
キョンキョンが、すぐそばで
本を読んでくれたら
嬉しいんじゃないか、と思ったんですね。
そこらへんの女の子に
本読んでくれって言っても
不審がられるだけだけど
仕事だったらありえるんじゃないかと思って。
キョンキョンがが吉本ばななの「とかげ」
っていう小説をすぐ耳もとで読んでくれる
っていうCDを作ったんです。
それが経費かかんなくて、
環境さえ良ければいいんです。
ダットだけ持っていって
人間の頭の形をしたところに
スピーカーつけて、
バイノーラスピーカーっていうやつなんですが
聴く側の耳と同じような位置で
マイクで音をひろうっていうことを
やったんです。
そのCD全然売れなかったんですが
面白かったんです。(笑)
耳の位置にマイクつけるとか
骨に近いような伝導性をもった人間の頭を
用意して録音するっていうことが
後で再現されたときに
こういう効果が出るのかっていうこととか、
音って見えないものだけに、
先に考えた人がやってることって
面白いんですね。
加藤さんはミキサーとかやってらしたことは
あるんですか?
加藤 ぜんぜんないです。
糸井 そういう知識とかは、
今までお任せってかんじだったんですか?
加藤 ミキサーがどういう仕事をされてるか
っていうのはわかります。
ぼくの友人に何人か
ミュージシャンはいましたから。
糸井 その人たちがいかに音源を自在に扱って
悪く言えば非常にわがままに
レコードの答えを出してしまう
っていうことも知ってらっしゃる
わけですよね。
加藤 ええ。ええ。
糸井 ミュージシャンの人たちって
なんでトラックダウンやりにだけ
ロスに行くんだっていうのがありますよね。
それはヤツに向こうのスタジオで
やってもらいたいから、
演奏は自分たちでソースとして出したんだから
編集してくれるのは彼なんで
その腕を見込んでロスまで行くんだよって。
今だったら納得するし
こういういい音で楽しむようになると
このミキサー、ダサイなっていうことも
言うようになっちゃうでしょうね。
加藤 CDのソースでも、同じ演奏家でも
演奏した年代によって録音が違ったりとかも
ありますね。
糸井 ああ。
加藤 ちょっと考えれば今に近いほど
録音技術はあがってるし
気持ちがいいはずだと
思ったりするじゃないですか。
でも60年代のほうがよかったりする。
それはハードの問題だけではなくって
その時代その時代でミキサーのかた、
音楽を作るのに関わったかたがたが
すごくかっこいい人たちで
すごい方々がいらっしゃったんじゃないか
と思うんですよね。
糸井 音のかっこよさ、音の美しさを判断する耳が
そこんところで決定してるんですよね。
これを選びとるんだっていうふうに。
加藤 デジタルで何百チャンネルって
自在に操れるけれども
出てくる音は、うーんってものもあるし
例えばプレスリーをよく聞くんですが
50年代とか60年代初頭に録音されたものが
やたら生々しかったりすることがある。
ハードとしてはおくれてるのに、です。
だから時代時代で
人に心地よさを与えたりとかっていうのは
ミキサーならミキサーなりの心っていうのが
すごく反映するんじゃないかと思いますね。
糸井 それをどれくらい素直に再現してあげられるか
っていうのは聴く側の努力も
あるんでしょうね。
聴く側が少し歩み寄るっていうことが
このスピーカーの売れ方をみてたら
そういう時代がきてるんだなっていう風に
思えましたね。
今までなんでもしてくれっていう
消費者像が多かったじゃないですか、
金なら出すからっていうような。
今は、俺の一番好きな音はこれで
こんな時間帯にこんな音楽が聴きたいんだ
っていう人が増えていて
今度の加藤さんのスピーカーっていうのは
そういう人にすごくマッチするんだろうなと
思いますね。
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骨とか水とか心とか、
あらゆる人間の一部一部のことを考えて
加藤さんはこのスピーカーに至ったんだなあと
思いました。
あくまでも僕がいいと思っている音です、
と加藤さんはよくおっしゃいますが
きっと、たくさんの人間の気分に添った音が
この紙筒スピーカーからは
聴けるんじゃないかと思います。
私のおかんにも良さがわかるかも。
クリスマスプレゼントで、あげてみようかなー。
ほな。寒いし風邪ひかんようにな。
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