[アッパーデザイン]
デザインは
福岡のプロダクトデザイナー・溝口瑛さんが手掛けました。
田植え用のゴム長靴をつくってきた
「第一ゴム」の背景も踏まえ、
アメリカの農夫が使っているような
履き口の両サイドにストラップが付く
プルオンタイプのローパーブーツをモチーフにしています。
モデル名の「RAKA」とは
アイヌ語で“収穫”という意味です。
アッパー部分とソール部分の金型は別のもので、
工場にある金型からイメージに合うベストなものを
長い時間をかけてマッチングしました。
試行錯誤をしながら完成するまでに4年掛かっています。
[アジャスターベルト]
雨や雪の日に、外から水が入らないように
アジャスターベルトでキュッと締めることができます。
ベルトを外し、胴部分をくるっと折り曲げます。
外したベルトで巻いてまとめられるパッカブル仕様です。
旅先にも持って行きやすいです。
[プルストラップ]
両サイドにつくプルストラップは、
ベルトを通す役割もありますが、
指を入れて引っ張って履くときも便利。
(ちなみにロデオ用のローパーブーツもこの仕様のものが多いのです。)
[キタキツネマーク]
一見すると雪山のようにも見えますが、
北の大地のキタキツネが白銀の世界で狩りをする様子を
表現したマークです。
ボタンは真鍮製で、ここを外すとベルトが分離します。
[ヒールキック]
踵の内側に付く出っ張ったものがヒールキックです。
ここに足を引っ掛けるとブーツが脱ぎやすくなります。
普通のラバーブーツにはほとんど付いていません。
デザイン的には気付きづらい部分にあるので、
気づかないまま履いている方も多いかもしれません。
逆に目立たないので、見た目の格好よさを邪魔しません。
[ソール]
切り込みが深く、グリップ力のある
リップルソールを採用しています。
通称、シャークソールと言われる、
ノコギリ状の断面が特長です。
これだけでファッション性が高くなります。
ソールは、「おやき(今川焼き)」をつくるように
金型に入れてつくられます。
胴生地(ソール以外のアッパー部分)とは別配合のゴムを
使っているのですが、天然ゴムと合成ゴムの配合割合は、
北国ならではの雪に強いオリジナルのもので、
軽く、しなやかで、割れにくいのが特長です。
「第一ゴム」発祥の小樽は、坂の街です。
濡れた坂道でもグリップが効くようにつくられているのです。
雪の日や雨の日、
足元がぬかるんだキャンプやフェスなどで活躍します。
使っているゴムはその日の天気によって、
配合を調整しながら職人さんが練っていきます。
工場の各セクションすべて、人の手でやっています。
一般的なヴァルカナイズ製法は、
熱と圧力を加える「間接加硫」という方法を取りますが、
「Daiichi Rubber」は、熱と圧力と“水蒸気”を吹きかける
「直接加硫」でつくられるので、
柔らかく、耐久性の高い生地に仕上がります。
(これだけ柔らかくて自立するというのは
なかなか見かけないと思います。)
「直接加硫」の際に水滴が表面に付き、
ムラが生まれるのですが、
そこには、“クラフト感”が宿っています。
最後の工程では、1足ずつ水に沈めて、
漏れがないかのチェックもします。
外からの防水は得意ですが、逆に中は乾きにくいので、
靴の中が濡れてしまったら、新聞紙などを入れて
乾かしてください。
表面が白っぽくなるのは耐久性を上げるために
ロウをゴムに混ぜているためです。
表面に出てきたら、ウレタンオイルで拭いてもらうと
キレイになります。
30度を超える夏の農作業から、
マイナス20度を下回る凍った坂道まで対応できるように
90年近く改良が繰り返されてきたのが
「Daiichi Rubber」のブーツです。