足袋屋さんがつくる
ルーズ足袋ソックス。
今週、「5DWメンズショップイシカワ」で登場するのは、
「NODAL」(ノーダル)の足袋ソックスです。
1889年創業の足袋の老舗「玉井商店」が手がける
足袋型に特化した靴下ブランド「NODAL」と
一緒につくった足袋ソックス第二弾のモチーフは、
90年代に流行したルーズソックス。
店長・石川顕さん渾身のルーズ足袋ソックスは
果たしてどのようにできあがったのか?
「NODAL」の龍木健志さんに
ちょっと詳しく聞いてみようと思います。
「NODAL」のプロフィール
なぜルーズソックスだったのか?
――
石川店長がよく、
「ルーズソックスやりたいんだよね」って
言っていました。
龍木
そうですよね、
「E.G.SMITH」(イージースミス)
(*)
を
イメージしたソックスをつくって、
トレッキングブーツに合わせたいって。
「90年代のギャルに見つかる前のカッコいい感じでさ」って
おっしゃっていました。
(*)1982年にエリック・G・スミスがはじめた
アメリカのソックスブランド。
――
アウトドアのあのクシュクシュッとしたソックスと
ブーツの合わせ方はカッコいいですよね。
龍木
まさにそんなイメージです。
リブはルーズソックスらしく針抜きにしているので、
ゆるゆるしています。
針抜きというのは、
規則的に針を通さない場所をつくる編み方で、
あえてルームソックス用の機械でつくっています。
通常の編み機だとこのゆるさは出しづらく、
ルームソックスの機械を使うことで、
ルーズソックスに近づけました。
ふくらはぎの部分がゆるいので、
足首のところは編み方を変えて
フィットさせています。
――
なるほど、すごく手が込んでいますね。
このルーズさのほかに、
石川さんが「ここだけはぜひ」と
力を入れていたところって
何がありましたか?
龍木
何よりまずは、丈の長さですかね。
「これじゃあ短い!」って何度か言われて
2、3回やり直しました。
あとは、テニスのソックスのような
ラインを入れたいというのと、
色は同系色がいいなって。
マスタードはブラウンライン、
グレーは少し薄いグレーのラインです。
「5DW」のロゴと
片足ずつ入る「ULTRA HEAVY」のUとHの色は、
ロンドンバスの赤い色にしてほしいと。
シルクスクリーンでそれぞれ2か所ずつ刷っています。
――
前回、「5DW」でつくらせてもらったソックスは、
ルームソックスのような地厚さがありましたが、
今回はそれに比べるとスッキリとしていますね。
龍木
パイル編みをやめたので、
前回よりはちょっと薄手になっています。
その分、靴は履きやすくなっていると思いますよ。
――
今回はロングバージョンと
ショートバージョンがありますね。
龍木
ロングはトレッキングブーツに、
ショートはスニーカーと合わせたいって。
ハイカットでもローカットでも合わせられるようにと。
――
ロングとショートにも意味がありますね。
そういえば、靴下をつくるのは自社工場なんですか?
龍木
靴下は協力工場で、
足袋のほうは徳島・鳴門にある自社工場で
130年以上つくっています。
徳島って足袋の産地なんです。
日本だと、ほかには埼玉や岡山が有名ですが、
徳島には阿波おどりがありますからね。
――
たしかに、徳島の阿波おどりって
踊り手だけでも10万人いるっていいますしね。
ちなみに、ソックスを足袋の形にすることで
何か効能ってあるんですか?
龍木
指先が分かれている足袋型だと、
足の指を使うことで、足裏の体温が高くなるそうですよ。
私たちは、そもそもは健康志向というよりは、
実用性が先にきているので、
そういった効果はわかりませんでしたが、
アウトドアブランドさんからの
コラボレーションの話をいただく際に、
関係者の方からお聞きしたことがあります。
――
ちょっと調べると、正しい歩行のサポートや
冷えに効くツボを刺激するって出てきますね。
サイズはフリーサイズですが、
男性も女性も問題なく履けますか?
龍木
どちらも履けますよ。
こういったソックスのつくり方がそうなのですが、
もともとの編み上がりはもっと大きくて、
それを熱でギュッと縮めているのと、
裏糸を通常の倍くらい伸びるものにしているので、
かなり伸縮性があるんです。
――
聞いただけで気持ちよくて、
履きやすそうな感じがしますね。
龍木
見た目も機能もバッチリですし、
履いていて暖かいと思います。
石川さんも喜んでくれているといいですね。
2024-12-20-FRI
(おわりです)
[STAFF]
企画・プロデュース:石川顕
スタイリング:野崎未菜美
ヘアメイク:勝健太郎
モデル:佐藤岳、沖ちづる
文:小笠原民織
撮影:吉嗣裕馬