〈O2〉OUTER -〈O2〉BETTER THAN ONE - ほぼ日刊イトイ新聞

「オールインワンジャケット」がバージョンアップ！うれしい機能とデザインが増えて、帰ってきました。

〈O2〉ではじめてつくった秋冬向けのアウター「オールインワンジャケット」がおかげさまでたいへん好評をいただきました。発売後すぐになくなってしまったため、手に入れられなかった方にたいへん申し訳なく思っていましたが、ことしもふたたびつくることができました。去年のモデルから中綿を変えたり、細部にすこし手をくわえたりと、より着やすく使いやすいようにバージョンアップ。さらに、あたらしくメンズデザインもお目見えします。昨年につづきデザインを手がけてくださった「KATO’」創設デザイナーの加藤博さんと「GRANDMA MAMA DAUGHTER」の宇和川恵美子さんに、アップデートしたポイントとメンズデザインについてくわしくお話をうかがいましたよ。また、本格的な冬にむけて、あたたかいロング丈のエア・スウェッツもご用意しました。スタイリスト野崎未菜美さんによるコーディネート解説も着こなし方にお役立ていただけたらうれしいです。

宇和川恵美子（うわがわえみこ）

セレクトショップの店長、バイヤーを皮切りに、海外ブランド向け素材の企画・プロデュース、アパレルブランド製品の企画・生産などの業務を経て、 2010年、自身のブランド GRANDMA MAMA DAUGHTER を設立。祖母から母へ、娘へと受け継がれていく洋服作りをコンセプトに、ユーザー目線を反映したゆきとどいた製品づくりで人気を博している。

加藤博（かとうひろし）

自身の名前をブランド名にした「KATO’」の創設デザイナーであり、株式会社チームキットジャパン代表取締役社長。これまで様々な国内外の商品の企画開発に携わるだけでなく、生地開発や、日本生地の海外輸出の際のディレクションなど幅広く活躍する。フランスの「ET.VOUS」のメンズライン開設時のデザイナーとして活躍した後、アドリアーノ・ゴールドシュミット氏との仕事や、 RRLの商品企画開発・イタリア「Legra」の生地開発など世界のブランドで様々な役割を果たしてきた。

宇和川昨年の冬は思ったより寒くなくて本気のダウンを手に取ることが少なかったから、オールインワンジャケットが大活躍でした。ことしの冬もそんな傾向ですよね。

―― まさに暖冬。もこもこしたアウターを着なくなりましたよね。

宇和川こごえるような寒い日でも、コートの下にオールインワンジャケットを着れば問題なかったです。

―― ひとふゆ過ごしてみて、身をもって実感しましたが、近ごろの日本の気候にぴったりでしたね。厚すぎないから重ね着にも向いているのだなって。そこで、ことしもオールインワンジャケットがちょっとリニューアルしてお目見えします。見た目にそんなに差はないように見えますが、どんなところが変わったのでしょう？

加藤ミリタリーのライナージャケットをベースにしたデザインは変わりません。いいところは残して、気になったところにちょっと手をくわえました。

宇和川大きなところだと、中綿を「プリマロフト」にかえました。

―― プリマロフト。名前は聞いたことがあります。

宇和川人工羽毛なんですが、とにかく軽くてあたたかい。はっ水性があるので、雨に濡れてもかさが減らないし、水洗いも可能です。

加藤もともとアメリカ陸軍から要請を受けてつくられた機能素材で、かれこれ30～40年ほど軍でも寒冷地用の防寒着に使われ続けています。ただ、使用するための審査が厳しくて、なかなか使えない素材なんですが、ようやく許可が下りたんです。

―― それほどまでに大切にされている素材なんですね。

加藤そうなんです。一見そこまでふくらみがないからあたたかさが心配になるかもしれませんが保温力にうたがいの余地はありません。厚いからあたたかいというものでもないんですよ。

宇和川そして、オールインワンジャケットのアイコンデザインでもあるパイピングが、ウールからオーガニックコットンに。肌あたりがやさしくなりました。コットンになったことで水洗いしやすくなったというメリットも。

―― そして、コート掛けにかけられるよう首裏にループもつけていただきました。

宇和川これがあるとべんりですよね。置く場所にこまらないし、よごれないですしね。レディスのカラー展開は、昨年とても人気だったフォグとブラックを継続しつつ、新色のライムがくわわりました。

―― ライムは中々ない、おしゃれな色ですよね。冬は全体的に暗い色にまとまってしまいがちなので、アウターにこういううきうきする色があるとうれしいです。そして、ことしあらたにつくっていただいたのがメンズバージョン。男性からのリクエストも多かったんです。

加藤男性が着ることをイメージしたら、キルト柄が表にないほうがいいと思ったのであえて柄を中にして、外は無地に。本来ライナージャケットはインナー用なので、男性にはこちらのほうが着やすいかなと。

―― 男性は柄が表じゃないほうが抵抗なさそうですよね。内側のキルト柄がちらっと見えるのも男心をくすぐるというか。

宇和川メンズデザインなので着丈や袖丈はすこし長めですが、女性が大きめにはおっても素敵ですよ。

加藤ほかに特徴的なのが、襟まわりのＶゾーンを深くしました。ぼくは冬にいつもスウェットパーカを着ているので、上にオールインワンジャケットを着たときにもたつきたくないなと（笑）

―― 首まわりにボリュームがある服装、たとえばネクタイをつけたジャケットスタイルにも難なく合わせやすそうです。以前のときふれていなかったですが、裏側についているボタンもなにか役割があるのですか？

加藤これは「ちからボタン」といいます。うすい生地なので、つよく引っ張ったりするとやぶれてしまったりとか、開け閉めの多い箇所なので、ちからボタンをひとつひとつ手でつけて強度を高めています。

宇和川裏が見えたときに何もなくてボタンのしつけ糸が貫通しているのもちょっと見た目がよくないかなと。レディスも同じようにしていますよ。

―― 外観だけでなく、表から見えないところまでこまやなか心づかいに、いつも頭が下がります。ことしもたくさんの人に届きますように！

愛用している乗組員のコメント

さゆり

これなくしては冬を越せない！　と思うほど、昨年はほぼ毎日着ていて、秋口から冬、春先まで手放せませんでした。最近は暖冬ですから、このくらいの軽いアウターがちょうどいいんです。とにかく軽くて薄いのに、しっかりあったかい。冷たい北風がふいても、安心感がありました。ショート丈のアウターって、あわせるボトムスの太さやトップスの丈のバランスがむずかしいイメージがあったのですが、これはなぜだか、なんでも合うんです。きっと絶妙なバランスで作られているからだとおもいます。着心地もいいし、コーディネートもしやすいしで、ついつい毎日手にとっちゃうんですよね。今年は色違いを買い足したいと思っています。

ぬい

昨冬、いちばん活躍したのがこのジャケット。なんといっても、軽くてあったかいんです。ほかに軽いダウンジャケットも持っているのですが、軽さをうたったジャケットは、やわらかく、くしゃっとなりがち。このジャケットは適度にハリがありますから、体のラインも気になりませんし、ちょっと羽織るだけでサマになるんです。防風機能もそなわった中綿が入っているので、前ボタンを全部留めると、強い風もなんのその。それなのに蒸れないから、本当に着心地バツグンです！