5月18日午前11時 ほぼ日ストアで販売開始
「くまのリゾートバッグ」の素材について、伊勢丹の籠浦さんに訊きました。「くまのリゾートバッグ」の素材について、伊勢丹の籠浦さんに訊きました。
籠浦兵衛さん「くまのリゾートバッグ」は、
ビニール素材でつくられています。
よりくわしく言うと、「ポリ塩化ビニール(PVC)」。
女性のお化粧ポーチなどでおなじみの、一般的な素材です。
でも、意外にも「ほぼ日」でバッグ用の素材として
とりあつかうのは、はじめて。
そこで「くまのリゾートバッグ」の
生産管理をしてくださっている、伊勢丹の籠浦兵衛さんに、
ビニール素材の特性について、くわしくうかがいました。
明日からはじまる「ほぼ日」での販売の前に、
できたら、読んでおいてくださいね。
ビニール特有のにおいについて
質問
籠浦さん

はい、「くまのリゾートバッグ」も、
浮き輪やビーチボールと同じように、
PVC素材特有のにおいがします。

あのにおい、ちょっと苦手なかたも、
いらっしゃいますよね。
でも、これを消すことは、いまのところできないんです。
すみません。

質問 においは、いつか消えますか?
籠浦さん

「かならず完全に消える」とは、申し上げられませんが、
お使いいただくうちに、じょじょにうすくなります。
個人差があるので、一概には言えませんが、
ためしにサンプル品を自分でも使っていたら
1週間くらいで、ほとんど気にならなくなりました。

届いてすぐのときは、
すこし、においがつよいかもしれません。
気になる場合は、まず、風とおしのよいところに
1日か2日、陰干ししてから使いはじめていただくと
いいと思います。

素材の硬さについて
質問 ビニール製品って、時間がたつと、硬くなる印象があるんですが?
籠浦さん

使わずに放っておけば、いくぶん硬くなりますが、
使っているうちにもどると思います。
硬くなる印象は、たぶん、
温度によるものではないでしょうか。

「くまのリゾートバッグ」は、
常温では「自立するくらいの硬さ」ですが、
暖房の効いた室内などでは、やわらかくなりますし、
逆に、冬の屋外など低温度下では、もっと硬くなります。

硬くなったときには、
バッグの角でなにかを引っかけたり、
傷つけてしまわないよう、お気をつけください。
ケガをするほどではないと思いますが、
ストッキングくらいは、破れてしまうかもしれません。
どうぞくれぐれも、ご注意くださいませ。

質問 なぜ冬に、硬くなるんですか?
籠浦さん

PVCの硬さが温度によって変化するのは、
「可塑剤」という薬剤が入っているためなんです。
柔らかさを調節するためのものなのですが、
「くまのリゾートバッグ」ほか、多くの製品の場合、
春から夏にかけての季節に
「いちばん使い勝手のよい硬さ」になるように
調整されているんですよ。

あまり現実にはないでしょうが、
冬にちょうどいい硬さにした場合には、
夏には柔らかすぎると感じるでしょうね。

保管方法について
質問 使わないときは、どうやって保管したらいいですか?
籠浦さん

いちばん理想的な保管方法は、
「なかに何も入れず、
 素材どうしをなるべく触れ合わせずに、
 直射日光の当たらない、
 風通しの良い場所へ、ひっかけておく」です。

我が家もそうですが、そんなピッタリな場所、
うちにはないよという場合は、
「タオルなどを間にはさみ、
 なるべく他の素材と触れ合わないように
 柔らかい布などでくるみ、
 上に何も載せずに、しまっておく」のが、
いいと思います。

質問 なかに何か入れたり、素材どうしが触れ合ったままだと、どうなるのですか?
籠浦さん

長いあいだ放っておくと、なかに入れたものとPVC、
あるいはPVCどうしが化学反応して、
張りついてしまったり、色移りする場合があるんです。

ビニールの色移りについては、
ちょっとイメージが湧かないと思うんですが、
めずらしい例では、白いPVCどうしが触れ合って、
接触部分が「紺色」になったという報告もあります。
不思議でしょう‥‥?

質問 そのほかに、くっつけないほうがいいものは、ありますか?
籠浦さん

新聞や雑誌、紙のプリント類などの「印刷面」や、
「写真の表面」をPVCにぴったり密着させた場合も、
PVCに、その「印刷」が移ってしまうおそれがあります。
この点も、どうぞ、ご注意ください。

質問 直射日光を避けたほうがいいのは、なぜですか?
籠浦さん

PVCは、紫外線の影響により、
黄ばんでしまうことがあるのです。

「くまのリゾートバッグ」は
ブラウンとブルーの色がついておりますので
目に見える極端な変色は起こりにくいですが、
黄ばみは、生地の痛みにもつながりますので、
日の当たる場所に、長時間放置しないようにしてください。

お肌といっしょで、日焼けしすぎはNG!
ということで、よろしくお願いいたします。

耐荷重について
質問 どれくらいの重さまで、ものを入れていいんでしょうか?
籠浦さん

結論から言いますと、具体的な基準値はありません。
「耐荷重試験」という試験にかければ
「何キログラムの時点で、やぶれました」という
結果は出せるのですが、
だからといって「何キログラムまでは、大丈夫」とは、
一概に、申し上げることができないのです。

ナイロンのような「織りもの」とちがい、
「練りもの」であるPVCには
素材自体に、伸縮性があまりありません。
極端に重たいものを入れたり、
過度につよい力で引っ張ったりすると、
やぶれたり、裂けたりするおそれがありますので、
どうかご注意ください。
「金の延べ棒を何本も」とか「偉人の胸像」などは、
やめておいたほうが、無難なのではないかと(笑)

もちろん、弱い素材だと言うわけではないので、
通常の通勤・通学、お買い物などでしたら、
問題なくお使いいただけますので、ご安心を。

お手入れについて
質問 よごれてしまったら、どうすればいいですか?
籠浦さん

固くしぼったやわらかい布で
かるくたたくように、拭きとっていただくのが
素材を痛めないので、
いちばん、良い方法だと思います。

水または中性洗剤以外の、
シンナーやアルコールなどを含む溶剤は、
印刷がはがれたり、生地を傷つけたり、
光沢が損なわれたりします。
どうか、ご使用にならいないでくださいね。

あっ、めんどうだからといって「洗濯機にポン!」は、
くれぐれも、おやめになってください。
洗濯機にグルグル回された結果、
生地がやぶれたり、縫製がほどけたりしてしまいます。
念のため、お伝えしておきます。

お手もとに届いたときに
質問 そのほか、何か知っておいたほうがあれば、教えてください。
籠浦さん

そうですね、では、このバッグが、
お手もとに届いたときのことを、すこし。

お届けされた時点の「くまのリゾートバッグ」には
「折りジワ」や「うねり」が見られる場合があります。
これは、工場から運送されてくる過程で
どうしても生じてしまうのですが、
使用していただくうちに、生地が伸びてまいります。
どうぞそのまま、ご使用ください。

また、PVC素材の特性上、
お届け時に、多少のホコリが付着していることがあります。
そのような場合には、まことにお手数なのですが、
柔らかい布などでホコリをふきとってから
ご使用いただけたらと思います。