「つばめのブローチ」の撮影も、 前回と同じおふたり、 伊藤まさこさんと長野陽一さんにお願いしました。
撮影を終えての、ふたりのご感想をどうぞ。
─── 伊藤まさこさんより
前回の時も感じましたが、 イセキさんのデザインするブローチは、 どこかきりりとした表情をしています。 つばめがモチーフになっていますが、 その顔立ちはひかえめでとても賢そう。 そしてかわいらしさがさりげなく潜んでいます。 ポイントになっている目元の赤はルビーとか。 なんとなく敷居が高く感じて、 「宝石」と呼べるものは、 ひとつも持っていない私ですが、 こんな宝石づかいのブローチだったら つけてみたいな、そう思いました。 スタイリングをして感じたのは、 「セーフティーチェーン」が いいアクセントになっているということ。 黒いシャツの襟と襟をつなぐようにつけてみたのですが、 これがとても新鮮でした。 チェーンをつける位置によっても、 ずいぶん印象が変わるので、 あれこれと位置を変えて その表情の違いを楽しんでみてはと思います。 もちろんチェーンを取っても。 ひとつでふたつの雰囲気のちがいを感じられるなんて、 なんだかうれしいではありませんか。
─── 長野陽一さんより
ブローチの裏のちいさな刻印をしっかりと撮るのが、 今回ぼくにとっていちばんの勝負どころでした。 表面のゴールドに周囲が写り込むので ちょっと苦労しましたが、 伝わるものが撮れたと思います。 いかがでしょう、ロンドンのイセキさん(笑)。
身につけているカットについては、 伊藤まさこさんのスタイリングが どれもすてきだったので、 そのままスッと素直に撮ることができました。 胸元につけると、 その人が品良く、大人っぽくなるブローチですよね。
レンズ越しに見える感じもそうなんですが、 ちょっとした角度で鳥の表情に変化がでるんです。 なので、どういう角度で どの位置につけるかっていうのは、 身につける人も、たのしいポイントになりそう。 ずっしり重すぎないブローチなので 春の洋服にも軽やかにつけられると思います。