── |
なんでまた、ひじき‥‥。
いや、ほんとにすてきなんですけど。 |
池田 |
ひじきの膨らみかたが
すごくきれいだなって以前から思ってたんです。
ちょっと真んなかが、膨れてるじゃないですか。
そのラインがすごくきれいに見えて。 |
── |
じゃ、日々の暮らしのなかで
きれいなものがあれば
覚えておいたりするんですか? |
池田 |
ええ、そうですね。 |
── |
なるほど、
日常出会うもののなかにある美しさが、
池田さんがつくるもののベースにあるんですね。 |
池田 |
はい、デザインを考えているときに、
ああいうかたち、よかったなって
ふと思い出す、という感じでしょうか。 |
── |
今回の「銀のなみだペンダント」は
デザインこそ、ぼくたちから出したわけですれど、
実際の仕上がり感などを見ていると
なんというか「わかって」つくってくださったんだな、
という気がするんです。
なにより、サンプルができあがってきたときに
ひと目で「うわぁ‥‥!」って(笑)。 |
池田 |
デザインありきのものをつくるときは、
そこにぼくが何を工夫するかを、すごく考えます。
もとのデザインを邪魔せず、引き立てるような工夫ですね。 |
── |
今回に関していうと、どのあたりなんでしょう? |
池田 |
‥‥ぷっくり感、です。 |
── |
ぷっくり感? といいますと‥‥? |
池田 |
ええ、ペンダントヘッドに
「ぷっくりした感じ」が出るように、
かなり、こだわったんです。 |
── |
それはまた、どうしてですか? |
池田 |
手にしたときに「ここちいい厚み」ってあると思うんです。
それをかたちにしたのが、この「ぷっくり感」。
それに今回は、
ちょっと「やさしげな感じ」も出したかったし。 |
── |
たしかにこのペンダント、
手に持っているときに「いい感じ」が
すっごくありますよね。 |
池田 |
具体的にいうと「碁石」みたいな感じを
イメージしたんですよ。 |
── |
ああ、なるほど!
碁石っぽいです、たしかに。 |
池田 |
碁石ってよくできてるなぁって、いつも思うんです。
手に持っていてここちいいし、
ちょっとした重量感もあるじゃないですか。 |