ようやく秋めいてきた、伊賀の里。 食べることも、つくることも大好きな 「土楽」の福森家のみなさんにとっても、 たのしみな季節がやってきました。 たとえば、きのこ狩り。 きのこの採れる山は、毎年、 その時期に山に入れる権利の入札があります。 この年は、福森家の道歩さんがみごと当選、 そこで山の幸を見つけるのが得意な道歩さんの案内で、 いっしょに山に入って きのこ狩りのようすを取材させていただきました。 そして、その食材を背負って山にのぼって(!)、 山頂でたのしむ「山のすきやき」も。 これは当主の福森雅武さんが始めたもので、 いまは跡取りの道歩さんや土楽のみなさんの 秋のレクリエーションになっているものです。 それにしてもみなさん、体力がある! 「ほぼ日」チームはついていくのがやっとでしたが、 その山の雰囲気、たっぷりの写真でお届けしますね。 前半はこちらからどうぞ。
「山といっても、すぐ近くの裏山ですから、 軽装でいいですよ!」 と道歩さん。 そのことばを信じて、ズックで参加した乗組員は、 あとで後悔することになります。
なぜなら、全員で分担して、 土鍋、お肉や野菜、お米、 水、食器(漆器や、もちろん土楽の陶器も!)、 炭やガスコンロをかついで 登らなければならないから‥‥。
食を京都に学んできたという福森家ですけれど、 すきやきは、関西風ではありません。 なぜなら砂糖を使わないから。 雅武さんの料理は「あまみは、素材から引き出す」というもの。 道歩さんもそれを踏襲しています。 まずはカンカンに直火で熱した土鍋に、牛脂をひき、 お肉を直接焼いていきます。
直火料理ができる「ベア1号」ならではの使い方!
「松茸、足りひんなあ」と追加する道歩さん。 山で採れるからこそできる、ぜいたくな使い方!
道歩さん、いったいどうしてきのこの場所がわかるんですか? と聞いてみたら、 「見えるじゃないですかー。それに、匂いもするし」と。 そ、そうですか? 都会から行ったものにはさっぱりわからず、 ただただ道歩さんのあとをついて山に入りました。
「ほら、あった」
「毒、ちゃいますよー。おいしいきのこです!」
そうして1時間ほど山を歩いて。
ちなみに、これがその「山すきやき」のようすです。 くわしくは、後編につづきます!