今回、ボディ生地として採用したのは、
30番という太めの双糸をつかった
綿100%の生地。
「ほぼ日」ではこの生地を
その「コシ」、「厚み」、「なめらか」という特徴から、
勝手に『讃岐うどん』と命名し、
一昨年からほぼ日Tシャツのボディに採用してきました。
表面の手触りは「なめらか」だけど「コシがある」、
これが特長なんですね。
今年の「ガT」ボディも、昨年までと同じ
いわゆる「讃岐うどん」なんですが、
同じとは言っても、ちょっとちがう、
ってふうにしたんです。



今年のテーマである
「ガイコツ」の元気なデザインに負けないような
しっかりとしたボディを求めて、
Tシャツチームは、ボディの選定をはじめました。
田中靖夫さんから生まれた、
あのガイコツに負けないためには
やはり、
「『讃岐うどん』の、コシの強さしかないねッ!」
ということで、『讃岐うどん』をベースにすること決定。
そこから、さらに最適なキャンバスを求めて、
開発していくことにしました。

まずは、ここまでの話、ぼーっと憶えていてくださいな。




実は!
もう、「ガT」の土台となる
Tシャツのボディは作り始めています!
今年販売するTシャツの全体の量だけを決めて、
白くてまだ何にもプリントされてないTシャツを
どんどん作り始めるというやり方です。

まだ販売も始まっていない現在ですが、
すでに中国では、生地の生産が始まっています。
できあがった生地を裁断し、縫製し、
これを、白いボディのまま日本に輸入します。
日本に到着してから、その後にボディの染色や
プリントの加工を行うのです。

これまでの「ほぼ日Tシャツ」は
大まかなに説明して、
このような流れで製作されています。
(これまでの「讃岐うどん」生地・ほぼ日Tシャツ)




ところが、2005年の「ガT」では




という順番になります。
注文してから、1か月ちょっとで
お手元にお届け出来る仕組みは、
こういう工程のおかげでもあります。

さて、今回のこの工程の変化は、
今年の『ガT』ならではの味わいを出すために
とても重要だったのです。

白いボディの形が出来上がってから、
そのTシャツを染めて、
染色剤を落とすために洗ったり、
プリントをして、
プリントのインクを落とすために洗ったり、
と、みなさまのお手元に届いてからの
ご家庭での洗濯の前に
何回も洗っていることになるのです。

早い話が、ややラフな感じといいますか、
すでにちょっと着こなした感じを出すために、
こういうやり方にしたわけです。

こうしたことで、
Tシャツの生地がいつもより多めに縮むんです!
プリント工場の洗濯機・乾燥機は、
家庭用の何倍ものパワーがありますから
加工の工程の中でTシャツがぐーんと縮みます。
そのため、メリヤスの目がつまって、
ガイコツを受け止めるに十分な
力強さのあるボディになるというわけなのです!
いろんなテストをくり返して、この方法でいこうと
決めるまでにちょっと時間がかかってしまいましたが、
結果的には、ほんとにいい感じになりました!!

もともとの『讃岐うどん』の「なめらかさ」も、
このTシャツづくりにとても適しているものでした!
おかげで、元気なガイコツたちを
「きれいに発色させる」ことができました。
ボディの染色やプリント加工に、
もってこいだったのです。

縮んで、目がつまっても、
決してゴワゴワしているのではなくて、
しっとりなめらかには変わりありません!
古着みたいになじむけれど、
くたくたしているわけじゃない。
古着感と高級感を足した感じ。
そりゃ、矛盾してるだろうって?
してないんです。「古着感&高級感」です。
ほんとほんと、そのために遅くなったんですから。

デザインが気に入ったら、
Tシャツは、長く長く着たおしたいもの。
それには、やっぱりボディは「讃岐うどん」でした!




「ガT」は、ボディもだけど、
プリントが命!
かっこよく、快適に着れるように
と、プリントもいろいろ工夫しました。

「ユラールのロンT、パーカ」の時から
御世話になっているパタンナーの金子さんのご紹介で、
「プリントTの鬼」
吉田さんをご紹介していただきました。
吉田さんはご自分で色々なインクなどを
混ぜ合わせたりして、
日々研究して新しい手法を編み出してる方です!
その鬼と「これで行きましょう」と決めたのが、
以下の4つの手法のミックスです。

その4つの手法とは
顔料プリント、
しみこみプリント(生地に浸透するインク)、
ラバープリント、
発泡プリント(生地の上にのっかるインク)

です。

一般的に
顔料プリント、しみこみプリントは
プリントされたインクが生地に浸透するため、
通気性があり、さらっとしているのですが、
濃い生地色にプリントした場合
薄い色のインクは見えなくなってしまいます。

一方、ラバープリント発泡プリント
プリントの色が生地の表面に乗るインクですので
プリント部分の通気性はありませんが、
淡い色も薄い色も自由に表現できます。


さて「ガT」の7つのデザインは
いったいどんな手法で
プリントされているのでしょうか!

ガイコツのわいわい感や
太陽色の鮮やかさを表現するために
きれいな発色が出来る特徴のラバーインクを
ベースのインクとして採用しました。
また、ボディ前面の大きなプリントが
通気性をさまたげないように
ベースのラバーインクに
50%の顔料インクを混ぜています。
こうすることで大きなプリントでも
快適な通気性を保っています。
顔料インクよりも一層深く
生地の中にインクを浸透出来るので
目をつぶってプリント部分を触ったら、
プリントの場所がわからないほど
生地に近い風合いです。
表のガイコツのデザインから
スケて見える文字を表現するために
しみこみインクを採用しました。
もちろん、肌についたり、通気性をさまたげたり、
ということもありません。


染色されたボディにプリントがよく映えるように
生地の上にインクがのる
ラバーインクを採用しました。
発色のよいラバーインクにより
生地の色よりも薄いインクの色や
ガイコツの細い線が細部にわたって
しっかりと表現できるようになりました。
染色されたボディにプリントがよく映えるように
生地の上にインクがのる
ラバーインクを採用しました。
発色のよいラバーインクにより
生地の色よりも薄いインクの色や
ガイコツの細い線が細部にわたって
しっかりと表現できるようになりました。


ボディとほぼ同色の
「目立たないけど目立つプリント」を表現するために
顔料インクに特殊なパウダーを配合した
ソフト顔料インクを採用しました。
顔料インクの特徴である、
生地への浸透性はありながらも
濃色のボディカラーでも、
ボディと同色系のプリントの文字が見えるように
特殊なパウダーが生地の表面に残り、
自然な発色をしています。
洗濯を繰り返した後に
プリント部分が薄れたようなイメージになるため、
古着加工のTシャツによく使われる手法です。
ラバーインクに発泡剤を配合し、
プリント部分を丸く立体的にふくらませる手法です。
ガイコツのゆかいな表情を再現するために
細い線でデザインされたワンポイントは
一見しただけでは、刺繍のような印象にもなりますが
触ると「もこもこ」していて、
プリントであることがわかります。




Tシャツに欠かせないもののひとつに
品質表示があります。
洗濯の注意、取扱の注意、サイズなど
とっても重要な情報が記載された
この品質表示を
「ガT」ではなんとTシャツに
そのままプリントしてしまいました。
襟ぐりの後ろや脇にではなく
Tシャツの背中側の内側、
ちょうど腰やおしりのあたりに
ラバープリントでスタンプのように
バーンとプリントされています。
オシャレな品質表示はもちろん、
肌に触れてもペタペタ張り付いたりしないように
なっていますよ。


(画像は制作途中のものです、表記内容が変更になる可能性があります。)

この裏面プリント品質表示は
Tシャツを裏返しに着たら
ちょっとかっこいい「見せ表示」に!
特に「FIESTA」と「SOL」の2つは
胸の内側にも
「EL SOLITO NO ES TRISTE」のプリントがありますから
リバーシブルで着ることができますよ!

品質表示の色は、
FIESTA、SOL、BLANCO→黒いインク
GIRASOL、CAMPO、ROJO、AZUL→白いインク
となります。

(画像は制作途中のものです、表記内容が変更になる可能性があります。)