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はらだゆきこさん |
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まず、今回、
ハラマキとブランケットのデザインをするにあたって、
どのようなことをイメージされましたか? |
はらださん |
いままで、Tシャツなどのグッズを
デザインした経験はありましたが、
ハラマキのように、一周りするアイテムのデザインは
はじめてだったので、
「ぐるっと一周するっ!」っていう特徴を活かせる
デザインにしたいなと思いました。
それで、手をつなぐ小人たちと山々の景色の2つを
考えました。
あと、ハラマキは「身体をあたためる」ものなので、
基本的にやさしいアイテムですよね。
なので、やさしさでお腹を包み込むような雰囲気を出せたらいいな、
と思っていました。 |
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たしかに「おめでとうありがとう」は、
小人たちがお腹を守ってくれそうな
あたたかみのあるデザインですよね。 |
はらださん |
子供の頃に、折り重ねた紙を切って広げると、
手をつないだ人がたくさんできる切り絵を
作った記憶があるのですが、
それでできた小人たちが、
ぐる~っと囲んでお腹を守る姿を、
とにかく見てみたかったんです。
なので、いきおいよく、一気に楽しく作りました。
ワーッと何パターンも作ってみて、その中で、
一番ぐっときた形のものを選んで
ハラマキのデザインにしました。
この小人は、男の子と女の子なのですが、
むかしの、きちんとしたお出かけ着を着ている、
クラシックな子どものイメージです。 |
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なぜ、切り絵で表現しようと思ったのですか? |
はらださん |
私は、「自分のかわいらしさに気づいていない子ども」
のかわいさに、魅力を感じてしまうんです。
ハラマキでも、そういう計算のないかわいらしさが
表現できたらいいなと思いまして、
だったら「切り絵」がいいかな、と。
イラストレーターとして仕事をする前は、
ゲームのように、紙を適当な形に切ってから、
それを何かに見立てて絵にしていくっていう
遊びをよくしていて、
そのときに、切り絵の線って手書きと違う魅力があるんだな、
と気がつきました。
そういうコントロールしすぎないで、生まれたものの
味が出ればいいなと思ったんです。
ハラマキ自体も編み物なので、
線がまっすぐではなくて、ちょっとギザギザしているので、
ハラマキの形になったときに、
またいい味が出ていますよね。 |
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真ん中の「HARAMAKI BLESS YOU」も、
あたたかみのある言葉で、いいなあと思いました。 |
はらださん |
まず、ハラマキに、何か言葉を入れたかったんです。
だって、お守りにも、
真ん中に「お守り」ってどんっと書いてあるでしょう?
そうやって言葉が入ることで、
ほんとうに守ってくれそうだなって思えてきますよね。
なので、ハラマキも、「これが君を守ってくれるよ!」
という「太鼓判」のような感じを出したかったんです。
その昔、英語の授業で
“くしゃみをすると、まわりの人が、「BLESS YOU!」と言う”
と習って、何となく、それはすてきな習慣だなぁと、
ずっと心に残っていました。
それで、ハラマキのデザインをしていて、
このデザインには、言葉を入れたいなと考えたときに、
浮かんだのがこの「BLESS YOU!」でした。
今回はハラマキなので、前にHARAMAKIも付け加えて
「HARAMAKI BLESS YOU!」となりました。
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「お腹を守る」といえば、ピンクの色合いも、
やさしくお腹を守ってくれそうですね。 |
はらださん |
この、地の色になっているピンクは、私が一番好きな色です。
このちょっとオレンジがかったピンク…
わたしは「ばら色」と勝手に呼んでいますが、
ふだんのイラストにも、よく使っている色なんです。
この色で描いていると、なんだか、とっても幸せを感じるんですよ。
その「幸せな気分」を込めて、この色をえらびました。
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最初に、このデザインを拝見したとき、
この景色をどこかで見たことがあるような、
不思議な気持ちなりました。 |
はらださん |
このハラマキをデザインしたときに、
あまり、イメージを限定してしまいたくないと
思っていました。
絵を描くときも、
「なんか気になるから、中をのぞいてみよう」
と思わず中に入って行きたくなったり、
もう少し先の方の景色も見てみたいと思ったり、
見る人が、そこから何かしらの物語を想像できるような、
余地を残した絵を描きたいと思っています。
なので、このデザインのハラマキも、
「ワシのような鳥が1羽、月夜を飛んでいる。」
「星のような、雪のようなものが、空から降っている。」
そこから、それぞれみなさんが、何かしら、
自分の中の物語を作ってくれるといいなあ、
と思います。
先日、友だちにデザインだけ見せて、
「どっちのデザインが好き?」って聞いたら、
「“知床の静かな夜”の方が好き。」
って言われてびっくりしました。
彼女にとっては、この景色は、知床なんですよね。
これをデザインするときに、私はたまたま『ココシリ』という
チベットの山が舞台の映画を観て、
そこからイメージをふくらませたのですが、
このハラマキを見た方が、
こんなふうに、その人それぞれの感じる物語を描いてくれたら、
うれしいです。 |
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実は、はらださんご自身も
以前から、ハラマキ愛用者なんですよね。 |
はらださん |
はい、ハラマキ歴は、かれこれ4年になります。
もともと市販のハラマキを愛用していて、
「ほぼ日」のハラマキを巻きはじめたのは、去年からです。
私は、北海道の札幌生まれ、帯広育ちなのですが、
冷えにかなり弱くて、すごく寒がりなんです。
毎年、3月くらいまで毛糸の帽子をかぶっていますし、
どこへ行っても、
最初に「寒い!」と言い出すのは私です。
それでも、お腹にハラマキを巻いていると、
あたたかさがぜんぜん違うんですよ。
あと、お世辞ではなくて、
ほんとに、いままで使っていたハラマキと、
「ほぼ日」のハラマキとは、
あったかさがまったく違います。
市販のハラマキは、下着感覚というか、
薄すぎて、意外とあったかくならなかったのですが、
「ほぼ日」のハラマキは素材がしっかりしているし、
伸び縮みしやすくて、
ぴったり体にフィットするので、すごくあったまります。
今回は、ふだんから愛用しているお気に入りのアイテムを
自分でデザインすることができて、
とってもうれしかったです。 |
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