楽しみからはじまった仕事だから、楽しくてしょうがない。


2013年インタビュー(その3)楽しみからはじまった仕事だから、楽しくてしょうがない。
僕が使ってる窯は
穴窯という
登り窯よりも原始的なもので、
譲り受けたものなんです。

穴窯をつくったのは、
この家に、前住んでた人で、
今、淡路島で陶芸をやってる、
大前悟さんっていう方なんです。

ちょうど大前さんが、
ここを出るっていうタイミングで知り合って、
「いる?」って言われたんで、
「いる」って。



家も、穴窯も、譲り受けました。

薪窯をやりたいという気持ちが
ずっとあったんで、
すごくラッキーなタイミングでした。

大前さんがつくった穴窯は、
中の地面がもうちょっと上がってたんですよ。
だからちょっと、作業がしにくくて。
自分が使いやすいように、
自分で、下を掘りました。



普段の仕事は、楽しくてしょうがないです。
もともと、陶芸のスタートがサークルで、
楽しみから始まってますから。

作業として好きなのは、
ろくろ、ですね。
ものとしては、抹茶茶碗が好きかなぁ。
1回の窯で、たくさん入ってますね。

サークルのころ、
いちど、やめそうになったことがあるんです。
そのとき、先輩に
「茶碗作りなよ」って言われて、
そこからまた、陶芸をやる気になった。
大好きになったんです。
だから、茶碗、好きですね。



今回、飯碗と湯呑みをつくることになって、
考えてみたら、
普段あんまり、飯碗って作らないんですよね。
湯呑みはよく作るんですけど。

僕自身、ご飯食べるときに使ってる茶碗って、
失敗した抹茶茶碗とかなんですよ(笑)。

ご飯茶碗を意識してつくることが
あまりなかったし、

これだけ数、種類をいちどに作ることも、
今までにはなかったから、
楽しかったです。



ご飯茶碗、
いろいろなパターンをつくりました。
平たいの、深いの、
大きさも違います。

僕自身は、
ご飯が蒸れるのが好きじゃないので、
平たい、浅めのうつわが好みなんです。
そういうところも、
選んでもらうポイントになるかな、
と、思います。

僕のうつわは、
もちろんご飯茶碗なんだけど、
ご飯茶碗らしくないっていうか、
そんな感じがあるかもしれません。

そのぶん逆に、他の何か、
ちょっと前菜を置いたりとか、
いろいろに使ってもらえるのではないかと思います。

何にでも使ってもらえるようになれば、
すごく嬉しいです。

2014-01-10-FRI


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