2020-2021秋冬のシーズンから、
「hobonichi+a.」(エードット)のデザインは
今までどおり大橋歩さんが担当。いっぽう、
「hobonichi+aa.」(ダブルエードット)は、
大橋さんのもとで長くものづくりをしてきた3人が、
デザインを担当することになりました。
大橋さんとあたらしいチームがきりもりする
ふたつのブランドは、呼応しあうように、
「着る」「重ねる」たのしみをひろげています。
「hobonichi+aa.」を手がける3人は、
長く「a.」生産管理にたずさわってきた梅田直子さん、
「aa.」の最初から生産管理をしてきた横山明日美さん、
そしてショップでお客様と向き合ってきた高橋ひとみさん。
あたらしい「hobonichi+aa.」誕生のいきさつを、
大橋さんと、チームの3人に、うかがいました。
- 大橋
- 今回の「hobonichi+aa.」は、
初めてこの3人が話し合って考えたもので、
今までの「hobonichi+aa.」とは、全然違って、
私にはすっごく新鮮で、
しかも、展示会での評判もすごく良かったんですね。
この3人にやってもらおうと思ったのは、
私自身が、体力的なこともあって、
「hobonichi+a.」と「hobonichi+aa.」の両方を
ひとりでやっていくのはちょっと難しいかな、
っていうことが、ひとつには、ありました。
この3人が、それぞれの仕事や立場で、
「こんなの着たいね」とか、
「この素材いいね」とか、
「こういうお客さんに向けたものを」など、
知識や経験を持ち寄って話し合ってくれたら、
きっとおもしろいだろうな、と思ったんです。
「そういうやり方も、ありじゃないかな?」と。
だから「いっぺん、ちょっと、やってみない?」って。
リボンコート(千鳥格子)
49,500円(税込・配送手数料別)
- 梅田
- 私はもともと、
「hobonichi+a.」の生産管理をやっていましたから、
デザインを、となったときは、すごく不安でした。
絵が描けるわけでもないですし。
ただ自分が着たいものは、
いろんな素材の中から選べる。
でも、それを2人にプレゼンするのは、
すごく勇気が要りました。
- 横山
- 私は洋服の専門学校のデザイン科を卒業していたんですが、
こちらでは、ずっと「hobonichi+aa.」の
生産管理をやらせてもらっていました。
やっぱりここは大橋のブランドで、
大橋がデザインしたからこそ、
みなさんが買ってくださるんじゃないかな、
って思ってましたし、
3人で、と言われたとき、
どうやって進行していけばいいのかも不安でした。
でもいざ、3人で、デザインを出し合った時に、
なんていうんでしょう、
好きなものが似ているというか。
2人が提案してくれたものは、
私もすごくいいなと思うもので、
そのあたりから不安が消え、
「あ、作っていける」と感じました。
- 高橋
- 私はイオショップで販売を担当して、7年になります。
洋服の専門的な勉強とか、
なにもしてないんですが、
洋服との関わりは、さかのぼると80年代、
デザイナーズブランド全盛の頃から、
靴の会社で販売をしてたんですね。
最初はそこの靴が好きなひとりの客だったんです。
その「好き」が高じて、その会社に入り、
販売という仕事をきっかけに、
洋服が好きになっていきました。
イオショップで販売の仕事をしていて、
お客様がご試着されるのを見ていますと、
「こういう形だと、みなさんお似合いになるんだな」と
わかるようになってきました。
ハンガーにかかっている状態では、
「ちょっと無理。私にはハードルが高いです」
とおっしゃるお客様でも、
試しに、なんて着られると、すごく似合ったり。
そういうことがたくさんあるんですね。
ですから3人でデザインを、
というお話になったとき、
確かに不安だったんですけど、
まずは私にできることはあるぞ、と。
「こういうスタイルだと、どなたでも合います」とか、
「お客様がこういうタイプを好まれる」っていうことを、
2人に提案できると思ったんです。
まる襟のショートジャケット(千鳥格子)
37,400円(税込・配送手数料別)
- 梅田
- それで実際は、最初はちょっとずつ、
全員そろわなくても、
個々に空いた時間で話しながら、
3人で共有していきました。
誰がこの役割っていうのをはっきりとは決めず、
デザインも3人で出しあって、
「これがいい、これは難しい」っていうのを
ほんとにひとつひとつ話し合いながら、決めていきました。
個々に、なんとなくラフで描いてみたり、
素材とか、参考になりそうなデザインを探して
提案しあったり。
でも、主にひっぱってくれるのは、
いちばん若い横山ですね。
唯一、デザイン画が描ける人なので。
アイデアがかたまると、横山が、
「ああ、じゃあ、こうですね」って、
サラッと描いてくれて、
「そう、そう!」なんて。
そんな中で、今回のラインナップを牽引したのが、
千鳥柄でした。
「これ、すごくいいね」というところから、
全体のデザインができていきました。
- 大橋
- 私は、この3人にまかせるからには、
最初っからダメ出しするのは
基本的にやめようと思ったんです。
やってみないと分からないし、
商品になって、お客さんがどう反応するかっていうのは、
私だってなかなか読めない。
だから、とりあえずやってみようと。
じっさい、全く、口出ししなかったんですよ。
- 梅田
- そうなんです。
絵の段階で、一度、見てはもらったんですが、
とくに意見はなく、
そのあとは頑なに「わたしは見ないわ」って、
見てくれなかった(笑)。
- 大橋
- だって、わからなかったですもの、絵の段階では。
「これは、布に置かないと見えないよね」
って思ってました。
でもその時は、なにも言わない。
だって、そこで私が何か言ったら意味がないから、
悪いけど、そこはパキッと。
3人は「ひどい」「進めていいかどうかだけでも」
と思ったでしょうけれど、
口を出してしまうと、結局、いつの間にか、
私の意見で、私が決めるみたいなことになる。
ブロックチェックのストール
16,500円(税込・配送手数料別)すそラウンドタートル(千鳥格子)
15,400円(税込・配送手数料別)
- 梅田
- デザインを布に起こすため、
パタンナーさんとの打ち合わせにも、大橋は参加せず。
最初に見たのは、サンプルが上がってからでしたね。
- 大橋
- そうですね。
で、サンプル見たら、私もびっくりして。
「あ! おもしろいね!」って。
もう、それで、「hobonichi+aa.」は、
この3人でやるのが一番、っていうことになりました。
私から見ていても、
3人に自信があったわけじゃないんですよ。
それぞれ、販売や生産管理ができたりとか、
ちょっとデザインができたりっていうことがあっても、
それぞれが自信を持ってやっていくのは、なかなか難しい。
今後も、まだまだだと思うんです。
ほんとうに「三者三様」の3人なんです。
それが、すごくいいんです。
- 梅田
- そうですね(笑)。それでいて、意見が合う瞬間がある。
取っ掛かりはそれぞれかもしれないですけれど、
みんなが持っている意見が合わさって、
最終的にこの形になったという感じですね。
大橋さんの世界観と絶対に合うように!
‥‥というふうには考えなかったという
「hobonichi + aa.」の3人。
でも、できあがったものは、
「組み合わせたら、ぜったいに合う!」ものでした。
いっぽう、「hobonichi + a.」だけに集中した
大橋歩さんのデザインも、
また、自由で、のびのびと、たのしいものに。
「hobonichi + a.」と「hobonichi + aa.」、
同じページで、同時に販売します。
どうぞ、おたのしみに!