仕掛け付きジュエリーについて、
イセキアヤコさんから。
テーマは「Mechanicals」。
仕掛け付きのジュエリーは、
贈っても贈られてもたのしい品です。
1960年代半ばにイギリスで大流行した
これらのチャームは、
もともとは、主にブレスレットの飾りでした。
バネやヒンジやチェーンを使っており、
一部が開いたり、回転したり、飛び出したり。
数えきれないほどの種類があって
専門書が出版されているほどです。
とくにアメリカでは、コレクターが
大勢いると言われています。
イギリスの当時のチャームの特徴は、
たいてい銀で作られ、金なら
9カラットが採用されていたということ。
今作の2種類のペンダントは
そうした時代のヴィンテージから
インスピレーションを得たものです。
ロンドンの歴史ある宝飾街
「ハットンガーデン」の工房にて
度重なる試作と改良の末にできあがりました。
シンプルに見えますが
うまく仕掛けがはたらくためには、
いくつもの箇所に
1ミリ以下単位の加工が必要です。
そして、その工程は完全なる手作業です。
作り手にとっては
ひと手間もふた手間もかかる品。
それでも、ジュエリー職人の方々は、
私が制作現場を訪れるたびに
「おもしろいね」とにこにこ
声をかけてくださいました。
これは、身につけられる、
小さなおもちゃです。
メカニカル・ジュエリーで
みなさんもぜひ遊んでください。
2015.8 イセキアヤコ