日本に住んでいた頃からうさぎモチーフが好きで、
いまもイギリスでアンティークやヴィンテージの
うさぎジュエリーに出合うと反射的に
手がのびてしまいます。
自分の店のために仕入れるかどうかは
いつも選り好むので、実際のところ
購入する数は年間ほんのわずかなのですが、
19世紀のヴィクトリア時代から現代まで、
時代の移り変わりとともに作られてきた
さまざまなうさぎジュエリーを手にとり、
あるいは本などで見つけて
「こんなデザイン、素材もあるのか」と
発見したり、比較したりすることは
私の愉しみのひとつです。
こちらの連載で、イギリスの人びとはうさぎを
「ヘア(hare)」と「ラビット(rabbit)」の
2種類に大別していて、
アンティークジュエリーにも
その両方があります、という話を書きました。
もちろん、どちらなのか判別が難しい
うさぎジュエリーもたくさんありますが、
大勢のイギリス人がラビットをペットとして
飼うようになった19世紀のあたりから、
うさぎジュエリー、とくにラビットと思われる
ジュエリーはぐんと種類が増えたように思います。
今回販売するラビットジュエリーは、
イギリス、エドワーディアンの
アンティークジュエリーから
インスピレーションを得て作った品々です。
指輪のシャンク部分の立体的な装飾は月桂樹の葉で
古代からジュエリーデザインに使われてきた
モチーフながら、ヴィクトリアン末期~
エドワーディアンの時代にも大流行しました。
ラビットのころんとした背中と愛らしい口もとは
高い技術をもつ蝋型職人さんが
手作業で丁寧に彫り込んでくださったおかげで、
鋳造したあとも美しく仕上がりました。
素材はシルバーとゴールド、
2種類をご用意しました。
胸に、イギリスで作られた
小さなラビットを乗せてみてください。
2019.9
イセキアヤコ