このプロジェクトが動きはじめたころ、
目標にしていたファーストモデルは、「セーター」でした。
それが「カーディガン」になった理由は、とてもシンプル。
最初の一着は、
できるだけ気軽なアイテムがいいと思ったからです。
「はじめまして」のごあいさつを
みなさんへの馴染みやすさとともにしたいと思いました。
すっぽりとかぶるセーターもクールだけれど、
オフィスなどでは脱いだり着たりが簡単にできる
前開きの洋服の方がちょっとばかり便利。
着まわしのバリエーションも、
カーディガンのほうが範囲が広そうだぞ、と思いました。
アラン諸島への旅と、たくさんの話し合いを経て、
三國万里子さんが出した答えがこの一着でした。
くっきりと浮かびあがる模様は、
まぎれもなく「アラン柄」のデザインです。
6本のロープが丸みをもって絡み合うことで
つくり出している、ケーブル模様。
このケーブル模様が、前に2束、後ろに2束、
左右の腕の側面に2束、ぜんぶで6束、配されています。
ただ、使われている柄の種類は多くはありません。
6束のケーブルのほかには、
ツリーオブライフという伝統柄をアレンジしたものと、
縦に流れるシンプルなラインが配されているくらい。
本場のアランセーターと比較すれば、
主張する柄はかなりすくないデザインと言えるでしょう。
何度でもご覧ください。
伝統の柄をとけこませた、
現代に似合う、すっきりとスタイリッシュな、
これが三國万里子さんの「アラン・カーディガン」です。
MM01のボタンは、木製です。
やさしい風合いの編み地に、木のぬくもりが似合います。
このボタンは「楢(なら)」を削ったもの。
木工職人さんによる手づくりのオリジナルを、
このカーディガンのためにつくっていただきました。
前身頃の左右にさりげなく、ポケットがあります。
周囲の柄にとけこんでいるので、
このポケットも主張は強くありません。
だからかわいい、ふたつのポケット。
さあ、なにを入れましょう。
MM01は、生成り・チャコールグレー・ネイビーと、
3色展開のカーディガンです。
同じデザインのはずなのに、それぞれの色ごとに
違った雰囲気で着る人をつつみ、惹きたたせてくれます。
どの色にするのか、着るときの気分を想像しながら、
お申し込みの際にお選びくださいね。
生成りは、MM01の原点です。
一着目のMM01は、この色で編まれました。
王道のアランセーターの色でもあり、
柄が最もくっきり見えるという特徴もあります。
MM01の生成りは、着る人を主人公にしてくれます。
ストレートに、文句なく、てらいなく、格好いい。
街中ですれちがった人が、
「お!」と思わず足を止めて振り返ってしまうのは、
きっとこの生成り色でしょう。
また生成りは、男女を問わず
着る人を明るく見せてくれる色でもあります。
春先まで着られるので、
活躍シーズンの長いカラーかもしれません。
MM01のチャコールグレーは、
落ち着いた雰囲気で着る人を包み、
着る人がもともと持つカラーにすっと溶け込んで、
惹きたたせてくれるような色です。
女性がそでを通せば、その女性をより優しく、
男性が着れば、その男性を品格ある紳士に見せてくれる‥‥。
そんな色合いと言えるかもしれません。
まるで、ずっと前から持っていた一着のように、
持ち主の生活の中になじむ色です。
「気づいたら、ついつい今日もこれを羽織っていた」
そんなカーディガンになってくれるとうれしいです。
どこまでも深い濃紺の中に、
アラン模様が立体として浮かびあがるMM01のネイビーカラー。
しゅっと引き締まるようなスマートさがありながら、
静かなエネルギーを感じさせる、
知的でみずみずしさのある色です。
じっと見ていると引き込まれるような魅力があります。
このネイビーの糸は、満足のいく色合いになるまで、
何度も染めを繰り返しました。
色を作っては、確認し、調整し‥‥。
幾度ものやりとりを経て、たどり着いたこの風合いです。
男女を問わず、おすすめです。
きっと白いシャツに、よく似合うことでしょう。
MM01は、このカーディガンのためにつくられた、
オリジナルの毛糸で編まれています。
京都の手芸糸専門店、AVRILさんとの
毛糸づくりのレポートはこちらをお読みください。
MM01は、色やサイズのご希望をうかがいながら、
気仙沼の編み手のみなさんによって
一点ずつオーダーメイドで編まれます。
ちなみにシンプルなアラン柄セーターの場合で、
編むことになれている人でも
一着を編むのに50〜60時間くらいかかると言われています。
MM01はさらに時間を要するデザインのため、
お届けまでにゆとりをもった時間(約1ヶ月)を
とらせていただきました。
待つことも含めて、おたのしみいただけますと幸いです。
最後に、このカーディガンの産みの親、
三國万里子さんのプロフィールを、ここに記します。 |